いわゆる女性の“更年期”は医学的には45~55才までといわれている。
更年期の典型的な症状はホットフラッシュだが、最近は焦燥感など精神的な影響も明らかになってきている。
人によっては、めまいやふわふわ感を感じることもあるそう。
さらに、動悸やパニック感に襲われて、外出が困難になる場合もある。
50代~→症状を左右するのは体質、性格、取り巻く環境体質や性格、環境などが更年期の症状に影響(写真/アフロ)軽度のものから日常生活に支障をきたすほどの重いものまで、更年期症状に個人差があるのはなぜなのか? 成城松村クリニック院長の松村圭子先生はこう言う。
「それはその人の体質や性格、取り巻く環境などが症状を左右するからです。
体質でいえば、ホルモンの変動に揺さぶられやすい人ほど、更年期症状も重い。
例えば、PMS(月経前症候群)やマタニティーブルーが重かったという場合は女性ホルモンの急変動に弱いので、更年期症状も出やすいんです。
そしてストレスを受けやすい人、ネガティブな物事のとらえ方をするタイプですね。
あとは家族関係。
旦那さんの理解や協力がない人は本当に大変です」50代ともなると親の介護や夫の定年、子供の受験や就職、ママ友らのSNSいじめ…。
昔に比べ、多様化するストレスが症状を重くしてしまうようだ。
実は悩んでいる女性が多かった!性欲の高まりさらに、誰にも言えなくて困っているケースもある。
電話相談をはじめ、「女性の健康検定」、「女性の健康とワーク・ライフ・バランス推進員」認定・養成など、女性自らが健康で輝き続けるためのサポートを行っているNPO法人女性の健康とメノポーズ協会理事長の三羽良枝さんはこう語る。
「実は、20年間の電話相談のなかでも、閉経前の50才直前・直後に性欲が高まってしまうという女性の声がわりと多いんです。
本能的な欲求で抑えきれない、自分がおかしいんじゃないかとセックスカウンセリングに行った人もいます」更年期の悩みの奥に、性の悩みも潜んでいる、と三羽さん。
「閉経してしばらくすると、今度は性欲が低下するケースも出てきます。
夫やパートナーから触れられるのも嫌、という悩みに切り替わるパターンも多いです。
だから両極端ですね。
できれば更年期だからとあきらめたりせず、積極的にコミュニケーションをとってもらいたいです。
手を握るだけでもオキシトシン(幸福ホルモン・愛情ホルモン)が出ますから。
基本は必要以上に自分を追い込まず、心の満足度を高めるということが大切なんじゃないでしょうか」(三羽さん)ちなみに、かわいがっているペットに触れることでも同様の作用があるのだそう。
では、ここで更年期を体験した50才前後の読者のリアルな声を紹介する。
●ぼんやりかすみ目は老眼、皮膚のかゆみはアレルギー? そう思って放っておいたら日に日に症状が悪化。
ついに私も糖尿病かと思って検査を受けたら、異常ナシ。
友人の勧めで漢方薬をのむようにしてから少しずつ楽になりました。
(49才・事務)●若いころから生理痛がひどかった私。
閉経してからというもの、わずらわしいもんがなくなったとバンバンザイ。
ところが、喜んでいたのも束の間、今度は動悸、息切れ、激しいめまいが襲ってきた。
思えば、生理休暇で会社を休めたあの日々が懐かしい…。
(50才・不動産)●久しぶりに女友達とランチ会。
前日から楽しみにしていたのに、当日になったらコーディネートが全く浮かばない。
たんすの中からあれこれ引っ張り出して、あーでもないこーでもないとしているうちに大遅刻。
友達は怒って帰っちゃうは、凹むはでさんざん!(48才・主婦)●もともと片付けるのが苦手なタイプだったけど、49才を過ぎたあたりから、拍車をかけて物ぐさに…。
洗濯物をたたんでしまうのもおっくうだし、リビングテーブルの上は子供のプリントから新聞、チラシ、公共料金の支払い書が山積み。
たまの雪崩のせいで、重要な書類も行方不明。
どこから手をつけていいものやら。
(51才・主婦)イラスト/やまなかゆうこ●朝、のどの渇きで目が覚めるんですが、指に力が入らなくって、ペットボトルのふたが開けられないんです。
結局、あきれて見ていた娘が開けてくれるんですが、1人でいるときはあきらめるっきゃない。
ゴクゴクと冷たい炭酸飲料水なんかを飲みたいのに、生ぬるい水道水で我慢。
(53才・飲食)●以前は気にならなかったのに、テレビの音がやたらと大きく響いて感じるように。
ほかにも、些細な音でも尖って聞こえてイライラ。
夫がパリパリとお煎餅をかじる音やコーヒーをすする音は、身震いするほどの嫌気を感じます。
追い打ちをかけるように“そういえば、産後、まったく育児に協力してくれなかったなぁ”と過去の恨みつらみが大爆発。
夫はキョトンとしています。
(51才・パート)イラスト/やまなかゆうこ●四十路の折り返し地点なんてまだまだ序の口よ! な~んて考えが甘かった…。
老眼鏡は片時も手放せないし、食事はまずい。
会話のほぼ大半は、“ホラ、アレよ、アレ! えっと、誰だっけ?”って、軽い認知症モード。
思い出せない名前が多すぎて、結局、話の本題すら何だったのか忘れちゃう。
(53才・主婦)●映画鑑賞が大好きで、いつもレンタルDVDを見るのが息抜きでした。
でも、ここ5年ぐらい“見たい!”と思って借りてきても、さわりの部分だけ見るので精一杯。
しかも、難解な推理モノや字幕の多いモノもダメ。
逆に毎度、悪人が出てきてチャンチャン!ってあっぱれ痛快な時代劇が最高!(54才・飲食)※女性セブン2018年7月19・26日号【関連する記事をチェック!】●【美乳レシピ】食べてバストアップ!女性ホルモンを活性化するスイーツ●【医師が解説】痩せホルモン分泌!リバウンドなしで痩せる「原始人ダイエット」●副腎が元気だと“痩せるホルモン”が分泌!腎臓&副腎のお疲れ度チェック●朝食を食べて、肥満防止!“幸せホルモン”の分泌を促すスープレシピ4選●【50代のダイエット】お腹まわりが太り脚は細くなる50代は軽い運動を継続!