『下半身が何だか重いし、全身がなんだかギスギスする』という様な事があったとします。
それなりに運動経験があって時間に余裕があるのなら、此処でおそらくトレーニングを始めるでしょう。
ですがそういった条件を上手く満たせるとは限りません。
そういう場合はストレッチから始めてみるという選択肢があります。
これからそのメリットと方法論について述べていきます。
下半身が柔らかいメリットまず『股が180度開く、立位体前屈が床まで付く』等は目的ではなく結果です。
例えば、あまり股が開かない人の背中を後から押した記憶がある人も多いかと思います。
こういった行為を適当に行った場合、骨が外れない様にする為に重要な靭帯を痛めてしまったりします。
人それぞれによって体のコンディションは相当に違います。
体が硬い原因が実は内臓器官の疲労や精神的疲れから発生している事等も珍しくありません。
そういった事情を考慮せずに『床に付く』といった外側の結果だけを追いかけてしまうと、マイナスの部分が大きくなってしまうのです。
ストレッチの原点であるヨガが心身鍛錬法の一環であったという事もあるのですが、何処かに手が届く事などを目的にする必要はありません。
それこそ瞑想の仲間とでも思うくらいの気持ちでいた方が成功率は高くなってきます。
少し引っかかったら動きを止め、引っかかっている部分の様子を瞑想でもしている気持ちで観察するのが重要になってきます。
まず、此処が大前提です。
その上で下半身が柔らかい事のメリットですが、下半身が柔らかいという事は内臓にかかる負担のパラメーターとも言えます。
内臓に負担が一定以上加わると対応する背骨の一部分が硬くなります。
例えば消化器でしたら腰椎二番や胸椎一番が対応しています。
これが一定ラインを超えると特定の症状が出てくることになるのですが、この様子が出ている人たちは総じて下半身が硬くなっていたりします。
背骨や骨盤が硬直し、さらなる余波として下半身も硬くなってきてしまっているというわけです。
そして、この流れは逆を辿れば体を健康に持っていくことも出来ます。
特に強く反応が出る部分を少しずつストレッチしていけば、対応する背骨や骨盤が弾力を取り戻していきます。
それは内臓にも影響を齎します。
原点であるヨガの体質改善法と同じ理屈ですが、これが習慣化して体調が改善すればその余波として体の柔軟さも少しずつ高くなっていきます。
上半身のストレッチ以上に下半身の練習の方がこれらの効果は強く出しやすいものがあります。
上半身は器用な分だけその気になってしまうと誤魔化せてしまう部分が多いですが、下半身はバランス感覚が問われる関係もあってそうはいきません。
下半身が硬い事と向き合う事は自分の全身の隠れ不調に向き合う事でもあるというわけです。
足が縺れたり、急に動いて捻挫をするというデメリットを無くしたりする事にも繋がります。
試してみて損はないかと思われますよ。
下半身ストレッチをやった人のレビュー率直に言うならば体調が良くなりました。
最初はどうしても床に手が付く事などを気にしてしまったものです。
しかし、少し引っかかったら呼吸を静かにしてジッとしていればいいという方向性が良かったようです。
例えば膝立て腹筋の姿勢を取ったら、立てている膝を左右にユックリ倒すというストレッチをやってみました。
どっちも膝を床に倒す事は出来ました。
ですが腰と背中が大きく引き攣っている事に気が付きました。
後で聞いた所によると、消化器と泌尿器の方が随分と疲れているという事でした。
ただ、膝を倒したままで呼吸を静かにしつつ終わってみると、不思議とお腹の中の方が随分と暖かくなっていたものです。
立位体前屈に関しても学校の体育や部活の記憶で、どうしても床に手を付けなければという気持ちになりがちでした。
しかし、少し引っかかった程度で止めてみる事に慣れてみると呼吸が気づくと随分深くなっているものです。
それと並行するように終わるころには気持ちが随分穏やかになるものです。
ストレッチは本来ヨガだったわけですが、ヨガとは心身鍛錬法です。
それは『生活環境等の外的要因及び精神不調等の内的要因』の二種類の影響で積み重なった気づかない心身負担を効果的に解消する能力を高めていく試みでもあるわけです。
その為にはいつもの自分がやっているような速さや意識ではなく、集中力を要する難しい所作の方が適しています。
特に上半身ではなく下半身の方が筋量も違い、制御の難しさという意味でもどうしたってユックリやらざるを得ませんので。
せっかちな性格な事であったりもしますから、体質改善という意味において下半身ストレッチを選択したのは良かったと思っています。
ストレスがどのくらい自分に掛かっているのかを知るパラメーターとしても重宝するようになりました。
無理に床に手を付けようとする方向性を上手く脱却できたくらいから、そういう利用法に思い当たってきました。
自分の頭で考えた判断だけでは知らずに結構無理を押し通せてしまう部分があります。
ですが、そういった時に下半身ストレッチをやってみて、自分の体の負担を実感してみたりすると踏ん切りが付いたりもしますので。
その辺りの管理がどうしても不得意であったことなどを鑑みるなら、丁度いい審判を手に入れられた気分がしています。
下半身が硬い原因、気を付けたい生活習慣股関節や筋肉の老化と運動不足があげられます。
他には合っていない靴を履いている事などもあるでしょう。
勿論過去に何か受傷事故を経験している事なんかも考える必要があります。
それ以外の隠れた要因として気にしておくべき点は、内臓疲労や何かの病気が遠回しに隠れている可能性です。
例えばある臓器が疲労すると人間は対応する背骨が硬くなったりします。
頭脳に疲れがある場合には腰椎1番、消化器は二番で泌尿器は三番といった具合です。
硬くなると調子が悪くなります。
そこで適度に休む事が出来たならば、背骨も弾力を取り戻し体の調子も戻ります。
ですがサプリ等でそこを誤魔化してしまったりすると背骨だけではなくて下半身全体が硬くなり、本格的な病気になってしまうという見方などもあります。
つまり整形外科的な問題として考えすぎていると全然違う部分から足払いを喰ってしまうという事があり得るという事なのです。
他にも、例えばこれから怖い上司と話をしに行くような時は自然に体が緊張します。
好きな人と会いに行くときはこの逆になるかと思いますが、人間の体は状況に合わせた反応をいつの間にかしているものですので。
つまり、体の硬さとは実は環境に合わせた自分の体の対応策の一環である可能性があるという事です。
あまりに硬かったり、やっている最中に変な情感の動きを感じるような事があったなら実はそれはストレス性の硬さである目算があるという事です。
こういった事を強く感じる様でしたら、それは現在の生活環境が自分にとって合っていないという事です。
一朝一夕とはいかないまでも、自分が今まで「こうしなければならない」と思っていた生活習慣や信条の中で妥協できる部分が無いかを真剣に検討する必要があるのではないでしょうか。
人間の体の思わぬ特徴や自分の心理状態な思っているよりもずっと強く表に出てきているものです。
深刻に壊れてしまった場合などには病院で当然病院に行かなければなりませんが、それらの特徴を上手く拾う感受性を獲得出来たなら自分の生活の疲労や負担は随分軽くなってきます。
下半身ストレッチはそういった感受性を手に入れる第一段階としてかなり有意義なものになってくるかと思います。
何か体に不調があるときには、少し試してみるようなつもりで下半身ストレッチを試してみる事をお勧めしたいです。
下半身に効く!道具不要の簡単ストレッチ特集まずは正座をしてください。
そうしたら背中に落ちているものを拾うつもりで体を後に捩じります。
手を中心に捻ってはいけません。
胴体から動くようなつもりで捻ってください。
その時、少しストレッチされてるなという部分が出てきたと思ったら止めてゆっくり呼吸を整えます。
後に体を届かせようとかそういう事は忘れた方が良いです。
自分の体の中の様子をじっくり観察するつもりで静かにしています。
ストレッチされている部分を観察するつもりでいても良いですし、ストレッチとは関係ない部分に謎の引き攣れを発見したとかそういうのであってもOKです。
それを続けていると思っても見ないタイミングで力が抜けて、手が後にグッと伸びる瞬間が出てくると思います。
それを三度くらい続けたら戻って休憩します。
この時動かす中心になるのは腰だと思ってください。
下半身に効かせるストレッチをやりたい場合全部の軸になるのは腰です。
もっと言うならば骨盤と背骨ですので。
腰を中心に背骨を一本ずつ回転させるイメージで捻っていく事を意識して頂けると要点をカバーできています。
この時、可能であるならば自分の行動姿勢にも注意を向けてみてください。
全ての基本は『少し引っかかったら、そのまま静かに呼吸を整える事』です。
此処から外れて早くやらなければと思っている様な事だったり、我慢して先へ指を進ませようと思っていたりする姿勢になっていたりしないでしょうか。
そういった部分に知らずと出てくるのが自分の無意識上の癖です。
別にそれ自体に良いも悪いもないです。
ただ、何か不調があったり対人関係で疲れている事等の場合には、実はそういった無意識の癖が問題の根っ子に繋がっている場合なんかもあります。
もしも気付くことがあったら、その癖などをメモなどしておく事をお勧めします。
これからの自分の行動指針について一度考え直してみる材料としては結構重要なものになってきますので。
率直な自分の心身の状況について体はハッキリ語ってくるものです。
上手く拾う事が出来たならばこれを使わない手は無いです。
なんにしても一番重要なのは『床に手が付くのは結果であって、目的ではない』という事です。
そこを留意事項としてご自身でも色々試されてみる事をお勧めいたします。
時間が無くても大丈夫。
5分で出来るストレッチ3選こちらもまずは正座をしましょう。
両手を前でお坊さんにでもなったつもりで合唱させましょう。
そうしたら背中に向けて合掌させた手を捻っていきます。
この時合掌させた手ではなく可能な限り体の方を捻っていくつもりでやっていきます。
そして少しでもストレッチが掛ったと思ったならば停止してください。
後はユックリ息を整えます。
ストレッチがかかっている部分を瞑想でもしているとでも思いながらゆっくり観察するのも良いです。
全然違う部分に変な緊張が出ている事に気づくのも良しです。
変に焦ったり無理に捻ろうとしていないかなどの無意識的癖に注意してみるのでも良いです。
上手くいくと、自然に体が少しだけ動いてきます。
学校体育でやったストレッチの様な感じでは無くて無理が無い形でスッと動きます。
これは合掌の位置と背筋の調子によって効いてくるポイントが全然変わってきますので。
細かい部分は色々実験されてみたら良いかと思います。
二つ目は膝立腹筋の姿勢を取ります。
上半身は寝かせたスタイルで、膝を小さく左右に振ってください。
細かければ細かいほどいいです。
背骨と腰から膝を動かすと思ってください。
それであるラインを超えたと思ったら左右片方にゆっくり膝を倒して止めます。
後はそのまま二十呼吸くらいジッとしていてください。
上手くいくとお腹が暖かくなってきたり、背中の緊張がゆるんできたりします。
消化器で疲れている場合などでやるストレッチ法の一環です。
余裕があるのでしたら前述の内容と同じように体の中を観察する事などをやってみるとまた随分と違ってくるものがあります。
そして最後は足を足の掌と掌を合掌させます。
それで上半身は寝っ転がります。
そして静かに呼吸を整えていきます。
呼吸に合わせて時々、それぞれ「く」の字になっている膝を床に向けてくっ付けようとする様に少しずつ力を入れたりします。
これも無理にやるものではないです。
今までと細かいコツは同じです。
泌尿器や性器関係で疲れが出ている時などでこれをやったりすると中々に痛みが出たりする事もあります。
ですが、無理をしない程度にユックリ続けているとその辺りのストレスが随分取れてくる面がありますので。
何かそっちの方向で疲れが出ているといった事などがあったら、実行されてみると、かなりの改善があるものです。
まとめ全ての基本は『床に手を付ける事は結果であって目的ではない』という事です。
呼吸を整えて自分の現在の体の調子がどういう事になっているのかをゆっくり観察する様な姿勢でいると、単に体の運動をするというよりもずっと広い世界をストレッチは見せてくれます。
多くの不調改善の可能性を秘めたものですので、これを機会に下半身ストレッチをやられてみては良いかと思います。