冷え性でつらい、下半身のむくみがひどいといったときは、リンパの流れが良くない可能性があります。
リンパは老廃物の排出などを担っている大切な器官。
股関節ストレッチなどを行って流れをよくすると、冷え性やむくみも改善し、ほっそり脚痩せも期待できます。
ここでは、そもそもリンパとはどういうものなのかといったことや、下半身痩せに効く股関節ストレッチなどを紹介をしていきます。
リンパが溜まるとどうなる?リンパの流れが滞ると良くないということは、なんとなく知っている人は多いでしょう。
しかし、滞ると何が良くないのでしょうか。
ここでは、そもそもリンパとは何なのか、流れないとどうなるのかを見ていきましょう。
そもそもリンパって何?リンパとは、全身に網の目状に張り巡らされたリンパ管・ろ過するリンパ節、透明なリンパ液の3つをまとめた総称です。
細胞が栄養分をエネルギーとして代謝したあとに発生する老廃物や余った水分、ウィルスなどの異物を排出をする働きがあるほかに、免疫機能も担っています。
また、リンパ節では一度体内に侵入した菌を記憶していて抗体を作りだします。
血液とは違い、リンパは心臓のポンプによって送りだされるわけではありません。
筋肉の収縮などに従って流れていきます。
そのため、血液が全身を約40秒で一周するのに比べ、リンパの移動スピードは極めて緩やか。
8~12時間かけてゆっくりと体内を巡りながら、老廃物などの回収を行っています。
流れが良くないとどうなるの?流れが滞ると、老廃物や水分が排出されなくなりますので、むくみや冷えが発生します。
また、脂肪細胞と結びついて、下半身の太ももやお尻などの柔らかい部分を中心にセルライトも発生してしまうでしょう。
疲労物質が体内にたまってしまうため、なんとなくすっきりしない、体調が優れないという事態にも陥ります。
仕事でずっと座ってパソコンに向かっているなど長時間姿勢を動かさないでいると、スムーズに流れずに滞りやすくなります。
また、男性より筋量が少ない女性は流れが悪くなりやすい傾向があります。
女性の方が下半身がむくみやすいのはこのためです。
流れを良くするためには、意識的に姿勢を変えたり、重要な鼠径部リンパ節がある股関節のストレッチをしたりすることが大切です。
こまめな水分補給も効果があり、おすすめです。
流れが良くなると起こる良いこととはスムーズに流れるようになると、老廃物や余った水分が流れますので、むくみや冷えの解消につながります。
むくみが解消されることで脚もすっきりしたスタイルに。
冷えが解消されると血液の流れも良くなり、筋肉のコリも改善が期待できるでしょう。
代謝アップにつながりますので、太りにくくなるとも言われています。
また、免疫機能が正常に働きますので、疲れにくく風邪をひきにくくなるなど健康面でもプラスになります。
リンパってどこにあるの?リンパの位置をまずは知ろう美容面でも健康面でも、リンパの流れを良くすることが大切です。
姿勢を変えたり運動したりするのも流れを促す効果がありますが、マッサージやストレッチを行うとより効果が期待できます。
その際は、リンパのだいたいの位置を把握して行うとより効率的です。
なお、マッサージをするときはリンパのスピードに合わせてゆっくり施すようにしましょう。
全身を巡る器官リンパ管は、静脈に絡みつく形で全身に張り巡らされています。
ただし、左右対称にはなっていません。
胸管などの太い管から首の付け根にある頸部リンパ管とつながり、鎖骨下の静脈角にいって静脈につながります。
また、リンパ管は深在性リンパ管と毛細リンパ管の2種類に分けることができます。
深在性リンパ管は筋肉や関節などの体の深いところにあり、逆流防止弁がついていて、リンパ液を押し流しています。
毛細リンパ管は皮膚の下や脂肪層にあり、特に逆流防止弁などはなく、筋肉の収縮などに伴って流れていきます。
リンパ節はどこにある?リンパ節は管の途中にある異物フィルターのことです。
白血球やマクロファージなどのリンパ球が集中して存在し、ウィルスなどの病原体が侵入してくると捕まえて攻撃、貪食し、処理を行います。
リンパは体を巡るうちにどこかの節でろ過されて異物が取り除かれ、きれいな状態で戻ってくるのです。
侵入してきた病原体を記憶して次回の侵入に備え、2度目以降は抗体を生成して対抗する働きもあります。
リンパ節の数は、全身でおよそ600~700個です。
半数が腹部に集中しています。
主な節は、上半身では鎖骨や脇、あごなどに、下半身では腹部や股関節の鼠径部、ひざなどに存在します。
なお、上半身にある節のサイズは米粒程度で、下半身にある節は大豆粒程度とやや大きめです。
リンパ管のおおまかな流れとは体内で産生されたリンパ液は、一部は静脈の血管に浸透して心臓に運ばれます。
そのほかのほとんどが、鼠径部から骨盤、腰部、胸管などを経由して頸部リンパ節を通り、鎖骨下の静脈に到達、血液と共に心臓へと流れていきます。
心臓まで到達すると、動脈の血流となってまた全身を巡ります。
身体を循環する1日の量は、体重が60kgの人でだいたい2~4リットルあるといわれてます。
椅子に座ってできるリンパ撃退運動リンパの流れを良くするには、マッサージやストレッチが効果的です。
マッサージは浅い場所にあるリンパへの効果が期待でき、ストレッチは筋肉を動かす運動のため深い部分にも効果を発揮します。
ストレッチをするとともに、就寝前などのリラックス時にマッサージも行うとより流れを促進する効果が期待できるでしょう。
ストレッチが良い理由リンパの流れが良くない人は、身体が冷えている可能性が高いです。
身体の冷えとは、体温自体は普通の範囲であっても、血行が悪くて手足の先の毛細血管などに血液が十分に行き渡っていない状態のこと。
血行が悪くなるとリンパの流れも悪くなりますし、リンパの滞りによって血液の流れがさらに悪くなるという悪循環に陥ることに。
下半身がむくんで辛いとうことにもなります。
ソフトなストレッチで身体をじんわりと温めると、流れが良くなる効果が期待できます。
オフィスで休憩時間にも!簡単ストレッチここでは、オフィスでもできるような簡単なストレッチを紹介します。
デスクワークで疲れたときや休憩時間などに試してみてください。
簡単ストレッチその1:片足浮かせ運動1.椅子に足をそろえて座ります2.床から2cm程度足を浮かせます3.浮かせた状態でしっかりキープします4.疲れたら脚を下ろし、また1~3を繰り返します簡単ストレッチその2:背伸びと前屈運動1.椅子に浅く座り、背もたれにもたれます2.つま先やひざを外側にむけ、両手を上に広げて伸びをし、そのまま20秒キープします3.伸ばした上体を今度は前に傾け、手をクロス、膝を閉じ、背中を丸めた状態になり、20秒キープします4.1~3を1セットとして3回繰り返します簡単ストレッチその3:片足上げ運動1.椅子に軽く座り、片足を伸ばします2.もう片方の脚の膝を曲げて高くあげ、胸に近づけ、10秒キープ3.反対側の脚も同様に行います。
交互に繰り返し、5回行いますストレッチは無理のない範囲でやりましょうストレッチは、無理のない範囲でやることが大切です。
痛みを感じているのに無理をしてやっては身体への負担となり、良くありません。
下半身のむくみがひどいとなかなか思うように体が動かないこともありますが、毎日続けているとよく動くようになります。
オフィスだけでなく、家でも時間を見つけてやってみてください。
下半身のむくみがとれてすっきりするでしょう。
リンパ流し効果を高める!ボディ用品特集リンパの流れが悪く、下半身のむくみや冷えに悩まされている場合、流れをよくするグッズを活用するのもおすすめです。
ここでは、いくつかを紹介していきます。
着圧ストッキング脚全体に適度な圧をかけるように設計されているのが、着圧ストッキングです。
適度な圧で脚を引き締める効果があるため、心地よく、ポンプのような作用で血液やリンパの流れを促します。
むくみが解消してすらりとした脚になるでしょう。
ただし、サイズが合っていないと圧力がしっかりかからず、あまり意味がないため注意が必要です。
圧力はhPa(ヘクトパスカル)で表示されていることが一般的です。
軽度のむくみの場合は8~20hPa、中~重度では15~30hpa程度の圧力がかかるものが向いています。
マッサージローラー持ち手がつき、先端にコロコロと回転するローラーがついているマッサージローラーは、適度な力でリンパの流れを促すことができます。
マッサージローラーの利点は、テレビや動画を見ながらでもコロコロできること、下半身はもちろん身体のどこにでも使用できることです。
リンパの流れに沿って、足首からふくらはぎ、股関節へとコロコロし、鼠径部に流れるようにするといいでしょう。
太ももやお尻にセルライトが目立つ人は、そこも丁寧にかけます。
押しつぶすように力をいれてやる必要はありません。
流れのリズムに従って、優しく丁寧に時間をかけてコロコロする方が効果が上がります。
マッサージローラーは100円均一ショップなどでも購入できますので、ひとつ持っておくことといいでしょう。
マッサージオイルマッサージをする際は、何もつけないよりもオイルをつけるのがおすすめです。
滑りがよくなり、肌や筋肉への負担を和らげ、リンパの流れをより良くする効果があります。
また、保湿して肌状態を整える効果も期待できます。
さまざまなマッサージオイルが販売されていますので、好みの使用感や香りで選ぶのがおすすめです。
また、顔用・ボディ用・下半身のむくみケア用など使用部位が特化されているものや、血行促進や筋肉をほぐすなど配合成分による効果の違いがあるものもありますので、悩みに合わせて選ぶのもいいでしょう。
なお、エッセンシャルオイル(精油)の場合は肌に直接つけると荒れることがありますので、キャリアオイルを使って薄める必要があります。
股関節リンパ流し運動特集リンパの流れを良くするには、股関節のケアが重要なポイントとなります。
股関節にはリンパが集中し、流れが滞りやすい部位のためです。
股関節に作用するマッサージやストレッチを紹介しますので、ぜひ試してみてください。
股関節をほぐしてリンパの流れを整え、下半身のむくみや冷えをすっきりさせましょう。
股関節をほぐして下半身のむくみもすっきり美脚に1.床に座って膝を曲げ、足と足の裏を合わせます。
両足のつま先を持って握りしめ、上体の重みを生かしてゆっくりと前に倒していきます。
2.上体を倒せるところまで倒した状態でキープし、その後ゆっくりと体を起こします。
ふだんストレッチをしていないと股関節も固くなっていますので、最初はなかなか上半身を倒せないかもしれません。
無理せずできるところまで前傾しましょう。
ストレッチを続けることで次第に股関節が柔らかくなり、深く前傾できるようになります。
脚の振り子運動で股関節ほぐし1.椅子やテーブルの脇に立ち、脚をそろえて立ちます2.椅子の背もたれやテーブルに片手をかけて身体を支えるようにして、片脚を前方に大きく振ります。
ついで、同じ体勢のまま今度は同じ脚を後ろに振り上げます。
この足の前後の振り上げを繰り返して行います。
脚は真っすぐでなく軽く曲がった状態でも構いません。
脚を前後に大きく振るうちに、股関節の筋肉がほぐれてきます。
簡単股関節ストレッチで下半身のむくみを解消1.右足を大きく前に出し、左足の膝は床につけます。
このとき、両手は前に出した右足にのせると姿勢が安定するでしょう。
右足のかかとが膝より前に来るように意識します。
2.ゆっくりと息を吐きながら、右脚の膝を曲げていきます。
そのままの体勢で深呼吸を5回行います。
3.次に両手を腰において胸を開き、再度深い呼吸を5回繰り返します。
4.足を入れ替えて同様に行います。
ストレッチをするときは、無理をしないことが大切です。
痛みを感じたらポーズを緩めてください。
痛みを我慢して無理に続けても、思ったような効果は得られないばかりか、筋肉や筋を傷める可能性もあります。
気持ち良いと感じる程度に行うことが大切です。
毎日続けて滞りを解消し、下半身をスッキリさせてましょう。
まとめリンパは老廃物や余分な水分を排出し、ウィルスなどの異物の排除も行うとても大切な器官です。
冷えや運動不足などで滞りやすいので、適度にストレッチなどを行ってリンパがスムーズに流れるようにしましょう。
リンパが流れるようになると代謝も向上しますので、むくみや冷えの解消だけでなく、ダイエット効果も期待できます。