股関節が柔らかい人は、開脚したときに180度開けたりしますよね。
スポーツ選手なんかが体を柔らかくする運動を頻繁に行っているイメージがあります。
体が柔らかいと体によいと聞いたことはありますが、具体的にどんな効果があるのか知っている人は少ないかもしれません。
股関節が柔らかいこと自体には一体どんなメリットがあるんでしょうか。
股関節が柔らかいメリットって?股関節というのは上半身と下半身を繋ぐ部分にあります。
立ったり歩いたりするときに体を支える、人体で一番大きくて重要な関節です。
股関節が周りの筋肉と一緒に動くことで足を前後左右に動かすことができています。
この股関節が柔らかいと、最大限けがをしにくくなります。
体の中でも真ん中の部分にある重要な関節ですから、体を動かすときは常に股関節の柔軟性が重要になってきます。
万が一のけがや故障のリスクを避けるためには日頃から股関節を柔らかい状態にしておくことが大切なのです。
重心のバランスがとりやすくなるので、O脚やX脚もなおるかもしれません。
逆を言えば股関節が硬いと最大限けがや故障をするリスクを背負っていることになります。
硬いほど肉離れなどもおこしやすくなることを知っておきましょう。
股関節が柔らかいと、血行がよくなります。
これはストレッチを行うことによって得られる効果です。
パソコン作業やデスクワークなどにより、長時間ずっと同じ姿勢のままでいることは体によくありません。
一日中椅子に座りっぱなしの人もいますよね、よくないです。
ちょっとした休憩時間やお風呂の時間に軽く体を伸ばすと、それだけで体内の血液の循環がよくなります。
特に股関節は上半身と下半身の間に存在するので、下半身全体へ新しい血をめぐらせることができます。
下半身の血行がよくなると下半身冷え性の改善が期待できます。
また頭痛や肩こり・腰痛がなおることもあります。
血流がよくなると基礎的な代謝が上がって消費カロリーが増えるので、ダイエット効果もあります。
血のめぐりと一緒に疲労物質が排出されやすくなり、疲れにくい体にもなっていきます。
血行が促進されることにより、睡眠の質がよくなることもあります。
股関節が柔らかいメリットとして、姿勢もよくなります。
パソコン仕事やスマートフォンを長時間使用する人は、猫背など姿勢に関する悩みを抱えていることもしばしばあります。
股関節を柔らかくするストレッチを行うことで骨盤の歪みもなおります。
正しい姿勢が身につくと膝関節にかかる負担も減り、O脚の改善やヒップアップなどのスタイルアップ効果も期待できます。
股関節が柔らかいと筋トレなどで行えるトレーニングの幅が広がります。
筋トレによる筋肥大がスムーズに行えるので、下半身の筋肉が思い通りに鍛えやすくなります。
また、体が柔らかくなると気持ちが積極的になり、体だけでなく心の老化も防ぐことができます。
股関節には女性ホルモンに関する器官が集まっているので、股関節を柔軟にすることで女性ホルモンのバランスが整いやすくなります。
股関節の構造を簡単に理解しよう!股関節は上半身と下半身の間にある、骨盤と大腿骨を繋ぐ関節です。
単純な曲げる・伸ばす動作の他に円を描くように動くことが可能な関節で、肩関節の次に可動域が広くよく動かせる関節です。
骨格や筋肉・靭帯によってしっかりと安定がなされているため、脱臼は起こりにくいのが肩関節と異なるところです。
股関節を形成している骨盤は寛骨と仙骨という2か所からできています。
寛骨は子供の頃は恥骨・腸骨・坐骨という3つの別々の骨ですが、大人になると融合してひとつの骨になります。
股関節を構成するのは、人体で一番長い骨である大腿骨です。
骨盤や腰椎から大腿骨に付着した筋肉が収縮することで、股関節を動かします。
大腿骨には各部位に名前があり、プロポーションに関わる部位に大転子という場所があります。
股関節を動かす筋肉は大転子に付着するものがたくさんあり、その筋肉の状態によって大転子の角度が変わります。
筋肉が疲れすぎて常に緊張していたり、逆に十分に発達していなくて緩んでいたりすると、大転子は正常な位置に留まっていることができずに内側に傾いたり外側に開いたりします。
これが下半身のプロポーションや歩き方に深く影響するのです。
股関節を柔らかくするとともに股関節を動かす筋肉も柔らかくすることで、姿勢や歩き方なども整ってきます。
股関節の主な動きには伸展と屈曲があります。
真っ直ぐ立って、片足をお尻側踵方向に上げたときを股関節の進展といいます。
このときは大殿筋などの体の後ろ側にある筋肉が働きます。
同じく真っ直ぐ立ち、片足を膝を曲げて持ち上げたときを股関節の屈曲といいます。
体の前側にある腸腰筋(大腰筋)などが働いています。
股関節を柔らかくするためにはまず腸腰筋(大腰筋)を緩めることが大切です。
大腰筋・小腰筋・腸骨筋を3つ合わせて腸腰筋と呼びます。
椅子に腰かけたときに大腰筋に力や柔軟性がないと、腰が丸くなった姿勢になります。
大腰筋に柔軟性が回復して緊張が取れると、骨盤が後傾してきれいに背骨が立って楽な姿勢になります。
股関節の動きには外転と内転というものもあります。
立ったまま足を横の外側に開くことを外転といい、外転のときに働く筋肉は伸展と屈曲の方向性を定める働きもあります。
内転筋は体の重心と軸がぶれないようにするために重要な筋肉で、太ももの内側の筋を柔らかくしたいときは内転筋のストレッチをすると効果的です。
お家で簡単!股関節柔らかストレッチ5選まずは基本の柔らかい股関節になるためのストレッチです。
下半身、特にお腹の中心から体の中心まで伸ばすことができるおすすめのストレッチです。
まずは正座をして、片足を後ろに伸ばします。
後ろに伸ばした足の膝から足の甲までを床につけて伸ばすイメージで、10回ほど深く腹式呼吸を行います。
腹式呼吸のやり方は、鼻から息を吸いながら横隔膜を上げるイメージでお腹をへこませます。
口から息を吐きながら横隔膜を下げるイメージでお腹を膨らませます。
慣れてきたら両手を前に出している膝の上に置いて、より背中をそらせて天井を見上げるようにして行います。
床から手を離すとぐらぐらしてしまう人は、床から手を離さないようにしてください。
深く呼吸を行うことのほうがメインですので、意識して腹式呼吸をやってみましょう。
次は開脚ストレッチのやり方です。
座って両足をできるだけ開きます。
この状態で腹式呼吸を行います。
開脚した状態でこの腹式呼吸を10回行うだけで十分に股関節や太ももの内側の筋がストレッチできます。
余裕がある人は手を頭の上で掌を上にして組み、体を横に倒して腹式呼吸を10回行います。
こうすると股関節だけではなく、お腹の中や骨盤の中など下半身を広くストレッチすることができます。
次に大腰筋のストレッチです。
立ったまま片足を90度に上げて、大きく前方に踏み出します。
踏み出した足の膝を90度に曲げて体重を乗せます。
後ろの足を5秒間意識して伸ばします。
反対の足でも同じように行います。
左右5回ずつを1セットとして、2回行います。
次に外深層外旋筋という部分のストレッチの方法です。
座って右足を足の裏が右を向くように90度曲げます。
膝は浮いてよいです。
左足の足首から下を右膝に乗せて、右膝をゆっくり押し付けるようにして押していきます。
思い切り押し過ぎると痛いので力加減に注意して行います。
次に外大腿四頭筋と呼ばれる部分のストレッチです。
股関節に繋がっている大腿筋のストレッチになります。
足を伸ばして仰向けになり、体を起こします。
片足ずつ体の内側に織り込むようにして曲げ、上半身をゆっくりと床に背中をつけるように後ろに寝かせていきます。
いきなり後ろに倒れ込むと痛みますので、ゆっくり倒れていくようにしてください。
もう片方の足も同じようにして行います。
股関節に大きな柔軟効果を与えて、下半身を柔らかい状態に導くことができます。
目指せ柔らかい股関節!おすすめヨガポーズ特集ヨガの中から骨盤をほぐしつつ股関節が柔らかくなるポーズを紹介します。
まずは股関節ほぐしのポーズで、足をくねくねと動かすことでほぐしていきます。
床にお尻をついて座り、膝を大きく開いて90度立て、両手を体の後ろ側につきます。
上半身をリラックスさせて右膝を内側に倒し、口から息を吐きながら右足の重みを意識します。
できるだけお尻の右側を床につけたまま行ってください。
足の裏は自然に浮いてよいです。
逆に、左ひざを内側に倒し、口から息を吐きながら左足の重みを感じます。
次に胡坐のポーズは、骨盤の後ろ側にあるお尻の筋肉を解して腰痛にも効果があります。
まずあぐらをかいて、踵を体のほうに引き寄せます。
両手を体の後ろ側につきます。
手のひらか指で床を垂直に押すようにして骨盤を立てて、上半身を引き上げるように背筋をストレッチします。
息を吐きながら伸ばしたままの上半身を前に傾けていきます。
床と上半身が斜め45度になったくらいの場所で手を前につき、ゆっくり2、3回呼吸をします。
このとき肘を軽く曲げて手のひらで床を引き寄せることで股関節にも働きかけることができます。
上半身は真っ直ぐ伸ばし、股関節の位置から体を折るように傾けていくのがポイントです。
四つん這いのポーズでは、お尻を回して股関節を柔らかくしていきます。
できるだけなめらかに動かそうとしてみて、股関節の動きが悪いところは念入りに回します。
上半身の重みで下半身、特に股関節にほどよい負荷がかかります。
四つん這いになってつま先立ちをして、お腹の力を抜いて肩甲骨寄せて、背中をリラックスさせます。
その状態で上半身の体重が股関節にかかっているのを感じながら、呼吸を5回繰り返します。
お腹の力を抜いて骨盤を床と平行にしたまま、円を描くようにお尻を左右それぞれ5回ずつ回していきます。
無理に大きく回す必要はなく、股関節が動いている様子を感じ取れればよいです。
四つん這いに戻り、息を吐きながらできるだけお尻を後ろに引いて手を前に滑らせて、上半身を伸ばします。
お尻の伸びを意識しながら、呼吸を5回繰り返します。
最後にバンザイのポーズで、仰向けになって全身をストレッチします。
骨盤の中心にある仙骨という部分にバスタオルを巻いたものを敷くことで、体の前面を一気に伸ばし筋肉の緊張をほぐします。
仙骨の位置はお尻の上のほうにある平らな部分です。
これを1分間行います、つま先と手を伸ばしてもよいです。
股関節に効くツボ特集股関節を柔らかくするツボは意外にも両手の小指にあります。
小指の付け根の関節部分がそのツボです。
あまり強く刺激するのはよくないです、ほどよい力でコツコツ続けるとだんだんと効果が実感できます。
刺激の仕方は、まず両手の小指を内側同士をくっつけて深く組みます。
上になったほうの小指を反対の小指の付け根に巻き付けるようにして強く絡ませて、10回ほどぐりぐり捻りながら刺激します。
組んだ小指を10秒ほど引っ張り合います。
小指を組み替えて同じ動作を繰り返します。
小指は体で言うと足全体に相当し、小指を絡めて強い力で動かすことで股関節周りの筋肉のバランスを整えます。
周辺の血のめぐりをよくする効果も期待できます。
その結果スムーズに動かせるようになると考えられます。
下半身にも陽陵泉というツボがあります、場所は膝下の外側、ぽこっと出ている骨のすぐ下のくぼんでいる部分です。
膝を曲げた状態で指でマッサージを行うと股関節に効果があるといわれています。
足の痛みや疲れにも効果的なツボです。
親指の先で押さえて足指の方向へ、徐々に圧をかけて徐々に力を抜くように押します。
こちらも下半身で、お尻の側面に環跳というツボも存在します。
場所は横向きに寝て足を深く曲げたときにできる、足の付け根のしわの外側です。
親指の腹を使ってだんだん強く押し、だんだん弱く押すようにします。
デスクワークで長時間パソコンを使っているような人には、腰痛の改善になるツボなのでおすすめです。
このツボでお尻周りのむくみをとって血行をよくすると、ヒップアップにも繋がります。
陽陵泉と環跳はともに股関節炎のときにも効くツボです。
また沖ヨガでは関連部位という考え方があり、実際に凝っている部分とは別の部分を触ることで体の凝りを解したり歪みの改善を行ったりします。
股関節の沖ヨガ関連部位はまず耳です。
耳を手でよく揉んで、特に足の関連部分である耳の上のほうを何度か少し痛いくらいに引っ張ります。
同時に息を吐きながらリラックスします。
急に勢いをつけて引っ張るのはいけません、無理のない範囲での痛さにするように力加減を気を付けてください。
右手の親指の付け根は左足の股関節に関連していて、親指の膨らんだ部分は左足の内股部分に関連します。
ここを刺激したり指の体操をすることで股関節が柔らかくなっていきます。
まとめいかがでしたでしょうか?下半身が柔らかいと多くのメリットがあります。
特に血行がよくなることでいろいろな不調がなおるのは嬉しいことですね。
姿勢がよくなりけがもし辛くなります。
股関節の構造は少し難しかったですが、筋肉と股関節の関係を知ることでストレッチがより効果的に実感できるようになります。
手軽で簡単なストレッチやツボ押しが多いので、ぜひ試してみてください。