「ランチを食べる時間がない」「小腹が空いた」――そんな時、手軽に調達できるのがコンビニフードだ。
だが、手軽とはいえ、おいしそうなものを見つけると、栄養バランスを考えずに手を伸ばしてしまいがち。
肌や体の整え方に精通する美容系医師は普段、どんなコンビニフードを食べているのだろうか?名医が選んだコンビニフード診療や事務作業に追われ、昼食をゆっくり取れない時にコンビニを利用するという、銀座ケイスキンクリニック院長の慶田朋子さん。
コンビニの商品でも、ちょっと工夫すれば、栄養バランスの良い1食分の献立ができると話す。
「よくランチで選ぶのは、おにぎり、野菜入りスープまたは野菜サラダ、ゆで卵、豆腐、ヨーグルト。
これで1食分にしています。
ポイントは、たんぱく質と野菜をしっかり摂ること。
重宝しているのが、ゆで卵や温泉卵。
スープやサラダに足すだけで、栄養価もボリュームもアップします。
また、ダイエット中に食べ過ぎてしまったら、おにぎりをやめてサラダチキンにします。
サラダチキンは糖質オフで体重も戻しやすく、鶏肉のたんぱく質で筋肉量もキープできます。
一方、選ばないのは揚げ物。
油は、空気に触れて酸化しやすく、高温で揚げるため劣化しやすい。
揚げ物は、なるべく揚げたてを食べるのがベターです。
また、外出できない時用に、ナッツやたんぱく質の入ったクッキーは常にストックしています」(慶田さん・以下「」内同)“健康な体作りのための食”を意識している慶田さんが、好んで食べている5品のコンビニフードを紹介しよう。
乳酸菌が腸内環境を整え“美肌力”UP『明治THEGREEKYOGURTプレーン』(明治)149円(税込、編集部調べ)ギリシャ共和国大使館公認商品にも選ばれた、お墨付きヨーグルト。
たんぱく質が濃縮されギュっと詰まっているので、栄養価的にも優れた商品。
濃密な味わいながら、脂肪ゼロに加えて1個当たり60kcalのヘルシーさも人気の秘密。
プレーンのほか、低糖、フルーツソース上乗せ(ブルーベリーミックス、ストロベリーミックス、キウイ&りんごミックス)の5種類がそろう。
「チーズ並みの高たんぱくながら脂肪分はゼロ。
カロリーが低いのに満足感があります。
私が好きなのはプレーンタイプ。
はちみつをかけておやつ代わりにしたり、ランチならそのままサラダ感覚で食べています。
腸内環境を整える乳酸菌が豊富なので、腸の動きを活発にし、便秘の改善にも有効です。
腸内環境がよくなれば肌も美しくなりますから、美容食としても効果的! 乳酸菌を摂るときは、腸内細菌の餌になる食物繊維も一緒に摂りましょう。
おすすめは、食物繊維が豊富な青汁や野菜サラダ、きなこ、もずくスープなど」緑黄色野菜でアンチエイジング『1食分の野菜が摂れるシェイカーサラダ』(ナチュラルローソン)320円(税込)レイヤー状に盛り付けられた、枝豆、にんじん、かぼちゃ、さつまいもの上に、葉物野菜がたっぷり入ったサラダ。
155kcalのローカロリーながら、1食分の野菜がしっかり摂れる。
特に、女性にはカラフルな見た目も好評! スマートに食べられるように配慮された縦型容器も◎。
「にんじん、かぼちゃ、さつまいも(皮つき)などの緑黄色野菜色の濃い部分には、酸化ストレスに対しての抵抗力が強いβ-カロテンやポリフェノールが含まれています。
さらに、1種類の野菜ではなく、品目が多いのも魅力。
ミックスすることで、抗酸化パワーが高まります。
多品目の緑黄色野菜を摂れば、酸化ストレスによる肌の老化や血管の劣化の予防にも有効。
食感の違いも楽しめるので、飽きずに食べられますよ」水溶性食物繊維で美に導く善玉菌を増やす!『もち麦入り梅しそごはんおにぎり』(ローソン)125円(税込)水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれるもち麦は、腸内環境を整えてくれる注目の食材。
もち麦に、カリカリ梅ときざみ梅の2種類を混ぜ込み、さらに、種抜き梅干しを丸ごとトッピング。
たっぷりの梅肉を楽しめる、梅好きには嬉しいおにぎりだ。
「なんといってもポイントは、もっちりした食感の成分β-グルカン。
水溶性の食物繊維は、海藻やおくらなどの限られた食材にしか含まれていません。
水溶性のため、腸内で分解されやすく、発酵・分解されると善玉菌を増やす環境作りに役立ちます。
善玉菌は加齢とともに減少するうえ、悪玉菌の割合が増えれば、肌荒れ、代謝や免疫の低下、便秘の悪化の原因につながります。
意識的に善玉菌を増やす食事を心がけることは大切です。
さらに、近年の栄養学では、白米だけを食べるより、もち麦、大麦、雑穀、ひえなど、複数の品種を摂る方が、腸内細菌がよく育つということがわかっています」きび糖で脳を活性化!『ユーグレナきなこねじり70g』(ナチュラルローソン)255円(税込)健康食品として話題のユーグレナを使った和菓子。
ユーグレナとは藻の一種であるミドリムシ(学名ユーグレナ)で、魚・肉・野菜の持つ59種類もの栄養素を含んだ優れもの。
さらに、ベースとなる北海道産のきなこと鹿児島産のきび糖の生地にも、たんぱく質やビタミンE、食物繊維が豊富に含まれている。
厳選された素材や、職人の手作業で行われる「ねじり加工」に、作り手のこだわりが感じられる。
「どうしても昼の食事の時間がとれない時のお助け食です。
精製されていないきび糖は、ミネラル分の栄養素も含むうえ、糖分ですので血糖値を上げてくれます。
夕方になると血糖値が下がり、鈍ってしまう頭の回転や集中力を上げるためにもおすすめ。
また、きなこは高たんぱくの大豆製品ですから、大豆+緑黄色野菜(ユーグレナ)の“栄養たっぷりお菓子”と言えますね。
臭みもなく食べやすい。
日持ちもするので常備食として最適です」適量の良質な油で肌の潤いをキープ『低糖質ロカボナッツ』(ナチュラルローソン)430円(税込)ロカボとはカロリーや脂質の制限はせず、糖質を適正量に抑える食事のこと。
この商品の特長は、栄養バランスを考慮した3種のナッツが、黄金比率でミックスされていること。
オメガ3(n-3系脂肪酸)を含むくるみ、ビタミンEを含むアーモンド:鉄やカリウムを含むヘーゼルナッツの割合が、2:1:1。
スペインが国を挙げて行った「油の摂取と動脈硬化の発症率」の長期的な実験に基づき、独自に配合されている。
「ダイエット中とはいえ油を抜きすぎるのはNG! 女性ホルモンをはじめ、体の機能を調整する多くのホルモンの核となるのは脂質です。
肌のバリアとなる角質細胞間脂質も同様に、コレステロールやセラミドなどの脂質で構成されています。
ふだんからナッツなどの良質な脂質は積極的に摂りましょう。
ナッツには抗酸化の高いビタミンEも豊富なので、砕いてサラダにトッピングするなど、毎日の料理に合わせて。
ただし、カロリーが高いので食べ過ぎには注意を!」医師:慶田朋子さん医学博士・銀座ケイスキンクリニック院長。
1999年、東京女子医科大学医学部卒業、同大にて皮膚科助手、美容クリニック勤務などを経て、2011年に銀座ケイスキンクリニックを開設。
最新の医療機器と注入治療をオーダーメイドで組み合わせ、「切らないハッピーリバースエイジング」を叶える美容皮膚科医として多くの患者から厚い信頼を得ている。
皮膚の働きや美肌に役立つスキンケア、生活習慣などの分かりやすい解説が人気で、テレビ、雑誌、ウェブなど多方面で活躍中。
学会や論文などで、新しい皮膚科学を常に学び続け、発信を続けている。
日本皮膚科学会認定皮膚科医専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。
著書に『365日のスキンケア』(池田書店)がある。
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