痩せたいと一念発起して始めたダイエット、最初は順調に体重が減っていたのにも関わらず、ある時期からぴたりと痩せなくなった、また成功したと思っていたのにいつの間にか元の体重に戻っていた、という失敗経験を持つ人も少なくないようです。
なぜダイエットは失敗しやすいのか、そして成功方法はあるのかチェックしてみましょう。
ダイエットは本来、失敗するもの!?驚かれる人もいるかもしれませんが、脳科学的にはダイエットは「必ず失敗する」と考えられています。
人は自分の意思で身体に指令を出すこともできますが、脳が出す指令によって無意識にコントロールもされています。
ある神経学者によると脳は理想の体重の値を独自に設定しているそうです。
この値はセットポイントと言われています。
通常4kgから7kgほどの幅があり、この数値以内の体重変化であればダイエットを成功させることが可能です。
しかし、10キロ・20キロとセットポイント以上に減らそうとすると、脳がそれを阻止します。
脳の体重を制御している部分である視床下部で、「体重を増しなさい」という化学的信号が何10個も出されているのです。
逆に数10個の別の化学的な信号は「体重を落しなさい」と命令します。
脳から出される命令に従い視床下部で飢えや活動、代謝などを調節し体重を一定にキープしようと働きます。
もし、ダイエットをして減らすことができたとしても、脳が正常と感じる体重にまで戻そうとしてしまうのです。
特に一気に痩せた場合は、脳は栄養不足で飢餓状態に陥っていると勘違いし、体重を増やせという指令を出します。
ダイエットスタート時の体重が軽くても重くても、脳は全く同じ反応を示すそうです。
また人間の歴史上、過食よりも飢餓のほうがよっぽど大きな問題でした。
今はたくさんの食べ物に溢れていますが、長い人の歴史で考えると多くの年代が食糧不足です。
このことを踏まえるとセットポイントとして決められる数値は上がることはあっても、滅多に下がることはありません。
一時的にダイエットに成功したとしてもセットポイントは変わらないため、5年・10年と理想の体型をキープできたとしても、脳からの指令によって元の状態に戻ろうとします。
このように人の身体は脳が決めた一定の体重より、減らすことがとても難しいという特徴があります。
ですので、一生懸命ダイエットをして一旦は痩せることができても、セットポイントにまで体重を戻すよう脳がコントロールをしてしまうためリバウンドするのです。
さらに、体重を10%落とした人は代謝が下がることで、エネルギーの消費が250から400カロリーも減ってしまうそうです。
このことを踏まえると落とした体重を維持するためには、痩せていた同じ体重の人よりも食べる量を少なくし、それをずっと続けなければいけません。
この点もダイエットが失敗しやすい理由の1つと考えられます。
偏食ダイエット・減食ダイエットは失敗の宝庫色々なダイエット方法がありますが、特に失敗しやすいのが偏食ダイエットや減食ダイエットです。
このような方法は「失敗の宝庫」と言って良いでしょう。
キャベツだけやリンゴだけなど、1つの食べ物だけを食べ続けるという偏食ダイエットに、サラダのみを食べるといった極端に摂取カロリーを抑えた食事にするのが減食ダイエットに当てはまります。
偏食・減食ダイエットは日常的に行う食事よりも、摂取カロリーがかなり抑えられるので、開始してから数日程度で効果を感じる人も多いようです。
即効性がある方法として偏食・減食ダイエットを選ぶ人も少なくありません。
ただ、このようなダイエット方法で体重を減らすことができるのは、ほんの数日程度と思っておいたほうが良さそうです。
まず、同じ食べ物だけを食べ続ける偏食ダイエットは、味に飽きてしまい続かないというデメリットがあります。
減食ダイエットも食べたいという強い欲求を我慢しなければいけない必要があり、並大抵の精神力では続けることは難しいでしょう。
食べたいものを我慢してキャベツだけ食べ続ける、または食事の量を減らし続けると、いつかストレスが爆発して暴飲暴食に繋がります。
ダイエットにチャレンジして3キロ痩せたのに、反動でダイエットを始める前よりも6キロリバウンドしてしまった・・というケースもあるようです。
ダイエットが失敗に終わるというだけでなく、このような方法は体調を崩してしまう原因にもなってしまいます。
どちらも食事の栄養バランスが悪い食事をする必要があります。
特に不足してしまいがちなのが、タンパク質やビタミン類・ミネラル類といった栄養素です。
これらの栄養素が不足することによって、肌荒れしやすくなる・髪が抜けるといった症状が現れます。
もちろん美容面だけでなく、栄養不足によって疲れが取れない、免疫力が下がり風邪を引きやすくなるといった体調面でも不調が感じられるようになります。
特に女性の場合は偏食・減食ダイエットによって、生理が止まってしまう危険性が高いので注意が必要です。
女性の身体はとてもデリケートで、食べられないというストレスから女性ホルモンバランスが崩れてしまうことがあります。
ストレスだけでなく栄養バランスの悪い食事によって、女性ホルモンの分泌が減ってしまい、生理がストップしてしまうのです。
リバウンドしやすいだけでなく、美容・健康面においてもトラブルが多い偏食・減食ダイエットは、避けた方が良いと言えるでしょう。
失敗しないコツ①カロリーよりも健康的な食事をしようとにかく早く痩せたいと考えてしまうと、どうしても摂取カロリーを気にした食事になってしまいがちです。
摂取カロリーよりも消費カロリーのほうが上回れば当然、体重は減っていきます。
しかし、極端に摂取カロリーを抑えた食事を続けることは、身体にとっても大きな負担となり健康を害してしまう要因となってしまいます。
カロリーの低い野菜や海草ばかりを食べ続け、体重を減らすことができたとしてもガリガリに痩せてしまうと、女性らしい魅力も失ってしまうでしょう。
魅力的に映らないばかりか生理がストップしてしまうなど、重大な健康被害のリスクも高まります。
ですので、摂取カロリーよりも健康的な食事をすることが失敗を避けるには大切なことです。
生命を維持するにはタンパク質・脂質・ミネラル類・ビタミン類・炭水化物という5大栄養素を、しっかり補う必要があります。
近年、炭水化物を極端に抜くダイエット方法が流行していますが、全く炭水化物を食べないのも、身体にとっては負担です。
また、減食ダイエットは食べないストレスから、暴飲暴食しやすくリバウンドしてしまいがちです。
脂質は太るというイメージがありますが、女性ホルモンを作るために一定の脂質は必要となるので、やはり補う必要があります。
また、カロリーを抑えた食事は一旦、痩せることはできてもリバウンドしやすいとも言われています。
リバウンドを繰り返してしまうと新陳代謝の低下から、脂肪が燃えにくく太りやすい体質になってしまうので注意が必要です。
太り難い体質へと変えて行くには、健康的な食事するのが1番効率的です。
バランスの良い健康的な食事でのダイエットの場合、体重の急激な変化はありません。
緩やかに減っていきます。
なかなか痩せないと焦ってしまうかもしれませんが、バランスの良い健康的な食事は一生続けられるダイエット法です。
無理なく続けられるのでリバウンドもしにくくなります。
さらに、バランスの良い食事をすることによって、体重を落とせるだけでなく肌荒れ、肌荒れしにくくなる・便秘の解消など嬉しい効果も期待できます。
1ヶ月で効果を出すのではなく1年・3年・5年と長い目で見て、健康的な身体をキープするためにも、栄養バランスの整った食事でダイエットをするのが失敗を軽減する事に繋がります。
失敗しないコツ②失敗につながる生活習慣を見直そうダイエットを成功させるには、失敗に繋がる生活習慣を見直す必要があります。
例えば、ダイエットサポート食品として販売されているクッキーやドライフルーツ、甘いお菓子を食べたいときには強い味方になってくれると考えがちです。
もちろん、サポート食品は通常のお菓子よりも低カロリーに作られているので、摂取カロリーも抑えられます。
ですが、本当はケーキを食べたいのにダイエット中だから、サポート食品を食べようというのはおすすめできません。
我慢してサポートクッキーだけを食べたとしても、ケーキを食べたいという欲求に負けてしまう事も考えられます。
低カロリーとはいえサポート食品を食べた後、さらにケーキまで食べてしまうと当然、カロリーオーバーとなってしまうでしょう。
ダイエットを成功させるには無理なく続ける必要があるので、場合によっては今食べたいものを我慢せず食べるということも必要です。
また、食事に関しては同じメンバーでランチをするというのも、失敗に繋がる生活習慣になりえます。
もし、高カロリーなメニューばかりを好む人たちばかりだと、つられて高カロリーな食事を選んでしまいがちです。
「類は友を呼ぶ」という言葉があるように、自分と同じような体形の友人と食事に行く機会が多いと、太ってしまい食事をとり続けることになるかもしれません。
できることならスレンダーな人と食事をして、どのようなランチを食べているのか研究してみてはいかがでしょう。
また、運動のためにとウォーキングをする人も少なくありませんが、自分のペースで歩いてしまうと、あまり意味が無いかもしれません。
ゆっくり・だらだら歩いたのではダイエットの効果も半減してしまいます。
ただ歩くだけでは痩せないので目標を決めて運動すると良いでしょう。
例えば、駅につくまでに3人追い越すなど決めておくと、自分のペースではなく早歩きをしなければいけないため、よりウォーキングの効果を実感しやすくなります。
靴も同じものを履き続けるとかかとの外側が削れて、ももに余計な肉がついてしまいです。
毎日、同じ靴を履くのは避けたほうが良いでしょう。
スタイルが良く見えるハイヒールの靴は、重心のバランスが崩れてしまい、身体のバランスが悪くなる・血行不良に陥りダイエット失敗の原因となります。
むくみや新陳代謝の低下に繋がるので、ダイエット中はハイヒールの着用はほどほどに留めましょう。
失敗しないコツ③楽しく無理なく続けられるものをダイエットを成功させるには、「楽しむ無理なく続けられる方法で」ということが秘訣となります。
きつい運動や辛い食事制限など、とにかく我慢をするダイエットだと結果が出る前に止めてしまいがちです。
このような我慢するダイエットはリバウンドもしやすくなり、余計にダイエットに向かない体質になってしまいます。
特に貴重面な人や向上心が高い人は、無理な設定でダイエットをしてしまいがちです。
緩く無理なく続けられるよう、考え方を変えることをおすすめします。
例えば、ダイエットでやろうとしていたことの3~4割がやれていれば、その日のダイエットはクリアや運動も2分から5分程度と短い時間で行うなどボーダーラインを下げます。
たった5分の運動で効果があるの?と感じる人もいるかもしれませんが、最近の研究では20分以下の運動時間であっても十分に効果はあるそうです。
たとえ1分だけの運動であっても行うことによって基礎代謝がアップし、より脂肪が燃えやすい身体へと変わります。
いきなり1時間のウォーキングをするなどダイエットのハードルを上げてしまうと、続かない可能性が高いです。
無理なく毎日、そして手軽にできるよう、ボーダーラインを下げることをおすすめします。
食事の制限も「絶対にお菓子は食べない」など決めるのではなく、1週間のうち2日はご褒美でチョコを1粒だけ食べようなど、緩く行うのがおすすめです。
こうすることで我慢しているという感覚が薄れて、ストレスによる暴飲暴食を抑えられます。
ボーダーラインを下げることによって「我慢している」という意識が軽減され、楽にダイエットを続けることが可能です。
ダイエットと聞くと辛い・・苦しい・・など、マイナスなイメージばかりを思い浮かべてしまいがちです。
このマイナスイメージをプラスになるよう、ダイエットをしている時間は自分をキレイにするための時間、また刺激的な時間だとハッピーなものだと考えることによって、失敗のリスクを軽減しより楽しく続けることができるかもしれません。
また、体重を減らす・落とすといった意識を変えるのもおすすめです。
体重を落とすことだけに囚われてしまうと、1キロ痩せた・500グラム太ったと体重の変化で一喜一憂してしまいます。
体重だけ気にすると、どうしても無理な食事制限をしてしまいがちです。
ですので、体重ではなく鏡を見たときの自分の姿が、キレイになっているかどうかで判断すると良いでしょう。
まとめ人の身体は脳の指令によって、ダイエットが失敗しやすいようになっています。
ですが、ダイエット方法によっては失敗するケースもあれば、リバウンドせず成功するケースもあるのです。
我慢せず無理なく続けられる、自分に合ったダイエット方法を見つけたり、生活習慣を少し見直すだけでも理想の体型に近づけることができるでしょう。