食べてないのに痩せないと嘆いている人は、もしかしたら栄養不足がダイエットできない原因かもしれません。
実はダイエットに関係なさそうなビタミンなどの栄養素が脂肪燃焼に深く関わっています。
今回は脂肪燃焼に必要な栄養素について詳しく紹介していきます!ダイエット失敗を繰り返しているという人はぜひ読んでみてください。
脂肪燃焼のメカニズムとは脂肪を燃焼するには「食事制限」と「運動」が欠かせません。
しかし、単に運動すればいい、食べなければ痩せるという単純な話ではないのです。
脂肪燃焼についてメカニズムからよく理解していることが正しいダイエットの第一歩になります。
まずはメカニズムを理解しておきましょう。
食事から摂取した脂肪分はエネルギー源として体に貯蔵されています。
私たちは糖質、脂質を主にエネルギー源として使うことができますが、通常は糖分が優先的に使われています。
しかし、血液中の糖分が枯渇して肝臓に貯蔵されているグルコーゲンも無くなると、今度は脂質やタンパク質もエネルギー源として利用できるようになります。
この時初めて体脂肪が利用できるようになるのです。
運動して体温が上がると脂肪細胞からエネルギーを取り出し、血糖値を安定させるためのグルカゴンというホルモンが放出されます。
そのグルカゴンの働きにより脂肪細胞を分解させる脂肪分解酵素の「リパーゼ」が分泌されます。
また、運動時に分泌が亢進するアドレナリンも脂肪分解を促す「リパーゼ」を活性化します。
体脂肪を燃焼させるには、まず最初に燃焼できるレベルにまで脂肪を分解させる必要があります。
この分解に必要なのがリパーゼになります。
リパーゼが分泌されると脂肪は「遊離脂肪酸」と「グリセロール」に分解されて燃焼できる状態になります。
しかし、燃焼が行われずに血中に残ってしまうと、再び肝臓に戻って中性脂肪として蓄積されてしまいます。
脂肪燃焼と3大栄養素の関係では体の中でリパーゼが働けばそれだけで脂肪は燃焼がスムーズに行われるかというと、そこまで人体は単純ではありません。
脂肪燃焼には、他にもさまざまな要素が複雑に関わっています。
特に食事から摂取する3大栄養素については、毎日取り入れる栄養でもあり脂肪燃焼に関わってくるのでよく知っておくことが大切です。
3大栄養素とエネルギーの関係3大栄養素とは「炭水化物」「脂質」「炭水化物」の3つの栄養素のことです。
私たちはこれらの栄養素から主にエネルギーを得て、生命維持を行っています。
ダイエットにおいては、いかにエネルギーを消費するかどうかがカギになってきます。
また逆に使い切れなかったエネルギー源は体脂肪として体に蓄積されてしまいます。
食事からエネルギーを摂り過ぎることもダイエットの大敵です。
3大栄養素と消費エネルギーダイエットの基本は「摂取エネルギー」<「消費エネルギー」のバランスを目指すことです。
摂取エネルギーをコントロールするためには、食べものに含まれるエネルギーを知ることが大事です。
それぞれの3大栄養素における燃焼エネルギー量は次の通りです。
炭水化物とタンパク質:1gあたり4kcal 脂質:1gあたり9kcal脂質が特に脂肪の元になるということで重視されがちなのは1gあたりのエネルギー量が大きいからです。
しかし、タンパク質も炭水化物も摂り過ぎれば過剰なエネルギーとなって蓄積されてしまうので、いずれの栄養素も偏りなく適量摂ることが大事です。
カロリーと脂肪燃焼食べ物や運動量の目安によく使われている「カロリー表示」。
1lcalとは1リットルの水の温度を1度上げることができるエネルギーの量のことを意味します。
エネルギーが不足すると痩せすぎになり、エネルギーが過剰になると肥満になってしまうため、エネルギー摂取と消費のバランスを整えることを目指すことがダイエットの基本です。
脂肪燃焼に必要な4つのビタミンB群脂肪燃焼には細胞内にある「ミトコンドリア」という部分でTCA回路という代謝経路が回ることにより行われます。
このTCA回路を回すにはビタミンB群の存在が欠かせません。
ビタミンB群はTCA回路で補酵素として働いて、サイクルを回すのを助けています。
しかもビタミンB群は1種類だけ摂るよりも、お互いが関係しあって働いているので同時に多くの種類のビタミンBを取り入れることが大事です。
ビタミンB群に当てはまるのはビタミンB1,B2,B6,B12の主な4つのビタミンBですが、ナイアシン、パントテン酸、ビオチンもビタミンB群に含まれます。
このうち主な4つのビタミンBについて働きと特徴を知っておきましょう。
糖質代謝に必要なビタミンB1ビタミンB1には糖質をエネルギーに変える働きがあります。
また、他にもアルコール代謝に関わり、脳や神経の働きを維持するためにも必要なビタミンです。
豚肉、玄米などに多く含まれます。
脂肪燃焼には少量の糖質の摂取が欠かせないですが、過剰になると脂肪になってしまいます。
これを防ぐためにはビタミンB1を一緒に摂取することをおすすめします。
脂質代謝に必要なビタミンB2ビタミンB2は脂質をエネルギーに変えるために必要なビタミンです。
他にも過酸化脂質の分解、皮膚や粘膜の健康維持に関わっています。
主に豚レバー、うなぎ、納豆などに含まれる栄養素です。
脂肪代謝に必要なビタミンなのでダイエット中の方はビタミンB2不足に気をつけましょう。
タンパク質合成に必要なビタミンB6ビタミンB6は体のタンパク質合成、脳の働きや神経伝達に関わる栄養素です。
タンパク質合成は筋力アップに必要であり、引き締め効果を期待する人はビタミンB6が不足しないように気をつけましょう。
マグロ、かつお、牛レバー、さんまなどの動物性食品、にんにくなどに含まれています。
脂肪を燃焼するL-カルニチン脂肪燃焼にはミトコンドリアでのTCA回路が関わっているとお話しましたが、ビタミン以外に大事なのが「CoQ10、R-αリポ酸、L-カルニチン」の3つの成分です。
特にL-カルニチンは脂肪燃焼に関わる物質として注目されています。
カルニチンはアミノ酸の1種です。
ほぼ全ての細胞内に存在していますが、特に心筋や骨格筋に多く含まれます。
L-カルニチンはTCA回路を回すときに最初に必要な「アセチルCoA」の生成に関わっています。
脂質と糖質はミトコンドリアの中でアセチルCoAに変換されます。
脂質がアセチルCoAに変換されるときにL-カルニチンは脂肪酸が細胞膜を通過して脂肪内に通過するのを促進します。
それにより脂肪燃焼促進効果をもたらすとともに、疲労回復にも関わります。
L-カルニチンは医薬品としても使われる成分で消化機能促進作用も合わせ持っています。
L-カルニチンを多く含む食品普段の食事からは赤身の肉、魚、鶏肉、牛乳などの動物性食品に多く含まれています。
特に赤身の肉に多く、ラム肉はカルニチンが豊富です。
カルニチンと一緒に摂りたいコエンザイムQ10カルニチンと一緒に摂ることで相乗効果の得られる成分は「コエンザイムQ10」です。
サプリメントや化粧品にも配合されているので知っている方も多いでしょう。
コエンザイムQ10は補酵素Q10と呼ばれ、高等動物に存在します。
医薬品としては心臓病の方に用いられることもあります。
コエンザイムQ10にもカルニチンと同じように脂肪燃焼を促す作用があります。
TCA回路の終盤にてエネルギー産生を促すため、カルニチンと同時に摂取するとより高い脂肪燃焼効果が期待できます。
脂肪を運搬するパンテトン酸パントテン酸という栄養素はあまり耳慣れないかもしれませんが、体の中の化学反応には欠かせない栄養素の一つです。
主に3大栄養素である「炭水化物・脂質・タンパク質」の代謝に関わっています。
名前はビタミンと付きませんが、ビタミンBの1種でもあります。
パントテン酸は体内でコエンザイムA(補酵素A)、アシルCoAなどの名前で存在しています。
食品から摂取されると消化管の中でパントテン酸に分解されてから吸収されます。
そのパントテン酸はエネルギー産生の時に必要な補酵素Aなどとして働き、脂質代謝や糖質の代謝で重要な働きを担っています。
パントテン酸は様々な食品に含まれているので一般的には欠乏することが少ない栄養素です。
しかし不足すると倦怠感や疲労感にも繋がり、結果的に太りやすくなる可能性もあるのでダイエット中は摂取を心がけるようにしましょう。
パントテン酸を多く含む食品レバー、いわし、さけ、たい、子持ちがれい等の魚類、鶏肉、赤身の肉、黒砂糖、ブロッコリー、うなぎ、アボカド、モロヘイヤ、卵、納豆、えのき、しめじ など脂肪燃焼を促進する茶カテキンお茶の健康効果は幅広いことが知られていますが、脂肪燃焼効果についても見逃すことができません。
特に日本人に馴染みの深い緑茶はポリフェノールが豊富に含まれていて、ダイエット向きのお茶として知られています。
緑茶などに含まれるポリフェノールである茶カテキンは、脂肪燃焼効果が高いことからトクホにも応用されています。
茶カテキンの脂肪燃焼作用は分解と消費の両方に働く酵素の活性を高めることが関係すると考えられています。
また、エネルギーとして体脂肪が燃焼されるのを促す効果があるため、運動と併用すると効果的です。
花王の研究成果によると次のようなデータが得られています。
高濃度茶カテキン588mg/340mlを飲用することによる、1日当たりの消費エネルギー量の増加は、約100kcalと計算されます。
これは約10~15分のジョギングで消費されるエネルギーに相当し、米飯では茶碗半杯~1杯弱のカロリーに相当します。
引用元:花王 長期摂取による体脂肪低減効果茶カテキンを摂取することにより、運動しているのと同じような消費効果が得られるというわけです。
しかし、運動しなくても飲めば痩せるという訳ではありません。
茶カテキンを味方につけながら、運動も合わせて行なっていくことが大事です。
3大栄養素を代謝するナイアシンナイアシンは水溶性ビタミンで、ビタミンB群の1種です。
ナイアシンとは「ニコチン酸」「ニコチン酸アミド」の総称で、体内でも合成できます。
トリプトファンというアミノ酸を原料に合成してナイアシンとして利用することができます。
ナイアシンも他のビタミンBのように糖質、脂質、炭水化物を代謝するときに必要な酵素として不可欠な存在です。
それにより皮膚や粘膜の健康を維持するためにも必須な栄養素になります。
ナイアシンにはコレステロールを抑制するため、脂質異常症の治療にも用いられます。
欠乏するとペラグラという欠乏症が起きます。
ナイアシンを多く含む食品たらこ、マグロ、かつお、いわし、豚レバー、鶏ささみ、いわし、さば、ツナ缶、まいたけ、インスタントコーヒー、鰹節 など栄養素を摂取するだけではなく運動が不可欠!今回は脂肪燃焼に必要な栄養素ということで紹介していますが、栄養素を摂るだけで痩せられるならば苦労はありませんよね。
でも、実際には食べているだけでは痩せられないことから分かるように、運動は欠かせない要素になります。
栄養素を摂取していることで、運動効果が正しく得られるようになり痩せられるのです。
運動をしていても栄養素が足りてなければ、ダイエット効果は落ちてしまいます。
「食べてないのに痩せない」「運動しているのに痩せない」という人は、栄養素が偏っている、不足している、または運動が不足している、間違った方法で運動しているなどの原因が考えられます。
食事も運動もどちらもバランスよく取り入れていくことが大事なのです。
ダイエットを成功させるためには、紹介したような栄養素を含むサプリメントを安易に利用するのではなく、バランスの良い食事と適度な運動を取り入れることが基本になります。
簡単に痩せようと思ってサプリメントばかり摂取していても意味はありません。
しっかり栄養の知識を身につけながらも、運動を取り入れていくようにしましょう。
バランスの良い食事で脂肪燃焼効果を高めよう脂肪燃焼と栄養素の関係について解説してきましたが、参考になったでしょうか?ダイエットや脂肪燃焼のために無理な食事制限をしていたという人は、これをきっかけに正しく栄養を取り入れられる食事を心がけてみてください。
特に今回紹介したようなビタミンB群やカルニチンなどの栄養成分、茶カテキンなどの有用な成分を活用すると効率よく脂肪燃焼を進めることができます。
サプリメントからの補給も良いですが、基本はバランスの良い毎日の食事を続けることです。
あなたも栄養面を見直してダイエットを成功させてくださいね。