肩や背中のこりは有名ですが、人によっては背中に強いこりを感じて悩んでいる人も多いものです。
背中がこる原因にはどのようなものがあるのでしょうか?それには、方と腕を支えている肩甲骨が大きく関わっています。
肩甲骨につながっている筋肉は、数も多く範囲も広いのが特徴です。
そこで肩甲骨が動きづらくと、広範囲の筋肉の動きが妨げられてしまうのです。
そこで、肩甲骨をよく動かす方法や、たまってしまったこりを改善するためにどんなグッズがあるのかを紹介します。
どんなとき、どんな場所で使うときに向いているのかによって、自分に向いているものを選んでみてください。
背中のこりの原因とは?「こる」とはどういった状態なのでしょうか。
一般的には、筋肉が硬くこわばって血流が悪くなることを総称して言います。
肩がこったり腰がこったりすることはよく指摘される症状ですが、中には背中がこって痛みを生じている人も居ます。
背中にある大きな筋肉は肩こりとも深い関係を持っています。
首や肩とつながっている背中の筋肉がこると、こうした箇所まで血流が悪くなってしまうからです。
背中のこりの原因となるのは、両肩を支える骨である肩甲骨です。
肩甲骨とは、背中の僧帽筋や、首と肩をつなぐ肩甲挙筋や広背筋、などによって支えられています。
これらは体の中でも大きな筋肉群のひとつです。
デスクワークなどが続いて毎日同じ姿勢が続いていたり、運動習慣のない人は、知らず知らずのうちに前傾姿勢になってしまい、鎖骨周辺の筋肉に引っ張られて肩甲骨の位置が外側にずれてしまいます。
これを「外転」と言います。
肩甲骨が開くのは本来いいことなのですが、肩甲骨の外転が起こるとそうもいえません、なぜなら、骨とつながっている筋肉が外に引っ張られてしまって、動きづらくなるからです。
その結果筋肉に向かう血流が悪化して、疲労物質とされる乳酸が筋肉に蓄積し、痛みを感じるなどの弊害が生じます。
これが背中がこっているという状態です。
そして痛みをかばうため背中の動きが制限されるので、さらに肩甲骨が動きにくくなるという悪循環に陥ります。
女性は出産が原因で背中がこることも背中のこりのもう1つの原因が、骨盤のずれです。
女性は男性に比べて骨盤がずれやすくなるリスクを抱えています。
それは妊娠出産を経験しなくてはいけないため、体の構造に差があるからです。
妊娠をすると安全に子どもを生めるよう、産道を開くべく骨盤の筋肉である骨盤底筋群は緩みや酸くなっていきます。
骨盤の筋肉が硬くなったままだと赤ちゃんが外に出られないからです。
そのため、出産を経験するとどうしても骨盤は外側に広がります。
問題なのは、その状態で子育てや職場復帰を行うことなのです。
安静にして骨盤が正しい位置に戻るのを待つのが理想なのですが、忙しい現代女性にその余裕はありません。
骨盤が緩んだまま赤ちゃんを抱いて立ったり座ったりを繰り返したり、デスクワークで座る姿勢が続いていると、筋肉力が回復する暇がないのです。
骨盤は体の中心であり、上半身と下半身の筋肉のバランスをとるための要衝といえる場所です。
ここがずれると、足、腰、背中すべての筋肉の位置が狂ってしまいます。
筋肉が正しい場所にないと、運動する際に他の筋肉に負担がかかり、徐々に骨が引っ張られるなどして背中がこるようになっていきます。
そのため、骨盤のずれを解消しない限り背中をはじめとしたからだ全体の不調は改善されません。
背中のこりが長続きすると内臓にも影響を与える可能性も出てきます。
背中の筋肉は背骨の中を通っている自律神経にも影響をするため、背中がこったままだと呼吸がしづらい、消化不良など二次的な症状も出てくるのです。
背中のこりには肩甲骨を動かすことがポイント背中のこりを解消するには、まず猫背と言われる前傾姿勢を改善することです。
スマホやパソコンの使いすぎなどによって猫背になると、肩甲骨が動かしづらくなります。
肩甲骨は背中全体の筋肉に広く刺激を与えるので、肩甲骨の稼動域が狭くなることは広範囲の筋肉に血行不良が起こるということです。
この血行の不良を改善するには肩甲骨を意識して動かすようにしなくてはいけません。
肩甲骨が動かなくなると筋肉は硬くなる一方なので、まずは背筋を伸ばすことを心がけて前傾姿勢になることを防ぐことが重要です。
背中のこりをほぐすストレッチ3選背中のこりを改善するためには、硬くなった肩甲骨周辺の筋肉をほぐすストレッチが効果的です。
ストレッチは筋肉をゆっくりと伸ばしたり縮めたりする有酸素運動です。
ダイエットや部分痩せにも効果を発揮することがありますが、それは筋肉をじわじわと動かすことで、溜まった老廃物や疲労物質をゆっくりと押し流してくれるからです。
そこで、背中のこりに効果のあるストレッチ方法を3種類紹介します。
ストレッチなら時間や場所を選ばず、お金を掛けることもなく取り組むことができるので、ぜひ日常に取り入れてみてください。
背中を丸めて筋肉をリラックス 【やり方】①足を肩幅に開き背中をまっすぐにしてリラックスして立ちます②背中を丸めて、両肘を軽く曲げながら両手を組みます③背中の筋肉を伸ばすことを意識しながら腕を前にゆっくりと伸ばします④この状態で5呼吸⑤繰り返します僧帽筋や肩甲挙筋をゆっくりとほぐしていくストレッチです。
ポイントは呼吸を止めないこと。
深い呼吸をしながら筋肉を伸ばしていくことで、酸素が取り込まれて血流が改善されやすくなります。
これは肩甲骨を外に向けて広げていくイメージで行いましょう。
がちがちになってしまった筋肉を緩めて、稼動域を本来の状態にまで戻すことを目指します。
筋膜リリースをするストレッチ 【やり方】①背中の後ろ側で両手を組む②肩甲骨を引き寄せるイメージで背中の後ろの手を引き上げます③その状態で肩を引き上げ、下ろす④背中が痛くて腕が上がらない人は、支えのために椅子などを使いましょう。
このストレッチは、筋膜リリースという効果を得られます。
筋膜というのは、筋肉の表面を覆っている薄い膜のことです。
この膜が萎縮して柔軟性を失ってしまうと、筋肉と筋膜が癒着してしまい、痛みやこりの原因になるのです。
筋膜リリースを行うと、くっつき合っている筋肉と筋膜が離れて、ずれてしまった背中の筋肉が元の位置に戻りやすくなります。
それによって血流が元に戻り、痛みの原因の老廃物が流れやすくなります。
テニスボールストレッチ 【やり方】①テニスボールを2つ用意します②ボールを床に置いて、背中を痛めないように気をつけながらボールの上に仰向けに寝ます③背中の痛みを感じるポイントにボールが当たるように意識しながら、ゆっくりと呼吸を繰り返します④慣れてきたら位置をずらして、徐々に広範囲の筋肉をストレッチしますテニスボールの適度な硬さと丸みを使って、こわばった筋肉を刺激します。
丸みの上に痛い部分を乗せることで、自然にこわばった筋肉を伸ばすことができます。
ですが、あまり強く刺激すると逆に痛みがひどくなってしまうこともあるので、あくまで加減をみながら呼吸を止めないように意識して行いましょう。
背中のこりを解消するグッズこわばった筋肉を緩めるためには、運動やストレッチによって筋肉を動かして、それによって血流を改善することが有効です。
運動が苦手な人やストレッチだけではなかなかこりが改善しない場合には、こりを解消する専用のグッズを試してみましょう。
背中のこり解消グッズには、筋肉を正しい位置も戻すことを目的にしていたり、叩いたり振動を与えて血流を正したり、つぼを刺激したりするなどさまざまなものがあります。
形状や目的によって価格帯も大きく異なります。
使う場所や自分の体型、痛みの状態に沿ったものを選べるようにできるといいですね。
代表的なものを紹介します。
ストレッチポール体のゆがみを改善することを目的に、スポーツのリハビリなどでも使われるウレタン製のポールです。
複数の使われ方がありますが、背中をストレッチする場合は、ポールの上に寝転ぶのが一般的です。
不安定なポールの上で背中を伸ばすことで、筋肉が自然に左右のバランスを取ろうとします。
その動きによってずれた背中の筋肉が正しい場所に戻っていくのです。
繰り返し使っていると、肩こりや首のこりの改善にもつながり、背骨のゆがみを矯正することにもつながって、基礎代謝が上がります。
ダイエットにも通じるツールです。
クッション型マッサージ機中にローラーや振動機が入っていて、筋肉を振動させてこわばりを改善する機器です。
クッションやソファの形をしているものがあり、リビングに置いておくのにも向いています。
リラックスタイムにのんびり使うことに向いていますし、本格的なマッサージ機に比べて数1000円単位から購入できるので、家計にも負担を与えません。
ものによっては自室で使ったり、職場にも持っていったり、家族と共有したりするなど汎用性が利きます。
背中のこりが悪化する前に利用してみるのがいいでしょう。
こり様貼り薬筋肉の炎症や痛みを抑える成分を、皮膚から経由して患部に届けるための湿布状の貼り薬は複数市販されています。
捻挫や打ち身などの治療にも使えるので、1箱常備しておくと便利です。
また、血流を改善してくれる効果もあるので、背中の気になる箇所に貼っておくと長期的にこりにアプローチすることができます。
ですが、製品によっては薬の匂いが強かったりきつかったりするものもあるので、外出のとき、人に会うときには気をつけましょう。
また好みに合わない香りはストレスになるので、パッケージの注意書きなどをしっかり読むことも必要です。
背中のこりを予防する方法背中のこりは、肩甲骨を動かさなくなることから起こります。
そのため肩甲骨を普段から動かすために、ストレッチや運動を取り入れることが重要です。
その他にも背中こりの予防をするために気をつけるべきことをまとめました。
スマホを使うときの姿勢を気をつける背中がこってしまう大きな原因は、仕事やプライベートでのスマホやパソコンの使い方です。
スマホを使っていると、頭が重いのでどうしても首が前傾になってしまいます。
そして背中の筋肉が前側に引っ張られてしまうので、肩甲骨のずれが生じやすくなるのです。
そこで、スマホを使う時間を制限したり、姿勢が崩れそうだと意識できたらすぐ背筋を伸ばすようにしましょう。
ストレスの溜まらない生活を心がける筋肉の血流が悪くなることには、自律神経の乱れも関係しています。
血管や内臓の動きは自分ではコントロールできないもので、交感神経と副交感神経の2種類の自律神経によって制御されています。
交換神経は興奮を司り、副交感神経はリラックスを司っています。
そしてこれらの神経は日常的なストレスによって大きく影響されます。
ストレスが溜まると神経の働きが乱れるので、血管の拡張もアンバランスになって血流が悪くなりやすくなります。
ストレスを溜めすぎないポイントです。
規則正しい生活をするゆっくりお風呂に入って体を温める眠る前には電子機器を使わない没頭できる趣味を見つける悩みがあれば相談できる人を見つけるこのほかにも独自にストレスを解消できる方法を見つけておくことが、背中を含めて全身のこりを防ぐためには重要です。
ストレスはさまざまな病気の原因にもなる国民病ともいえます。
軽く考えていてはいけません。
背中のこりを普段から予防しよう!スマホの使い方や運動不足、ストレスが溜まることなど、日常生活にはこりを発症させる要因が多くありました。
中でも背中がこってしまうと内臓や肺にまで影響を与えるので、他の病気を併発してしまいます。
また背中のこりを放置してままでいると、強い痛みを伴うようになって寝たり起きたりすのも困難になってしまいます。
そこまで重症化するまえに対策をとることが必要です。
ストレッチやマッサージ機器を使うことで、肩甲骨周りのこわばりをほぐして血流が滞るのを防ぎましょう。
簡単な動きなら仕事の合間の数分間でも取り組めます。
痛みを感じたときにすぐ背中を伸ばす、こう意識しているだけでもこりの原因物質を排出するのに役立ちます。
小さなことの積み重ねが大きな病気のリスクを予防してくれるのです。