ダイエットの成果を確かめようと、軽い気持ちで着ただけだった。
でも、その結果を見て愕然とした――。
ZOZOSUITSで全身のサイズを計測したオバ記者が、そのショックから立ち直れずにいる。
連載122回目の今回は、その後オバ記者のダイエットについて。
* * *ZOZOSUITSの計測アプリで、見たくもない61歳のリアルな後ろ姿を見せられたショックからなかなか抜け出せないんだよね。
な~んだか、何もかも空しいっていうかさぁ。
力が抜けちゃったんだわ。
しかも届いたスリムジーパンはウエストがブカブカ。
指定された通り、つまんでほしいウエストとヒップのサイズを書いて送り返した。
”月曜断食”で11kgも痩せたのに…何の努力もしないで太り放題だったころなら、「こんなもんか~」と思えたかも…。
ってか、そんなときは体重計に乗らないし、ましてや全身の計測なんか絶対にしないって。
「ZOZOSUITS、今年のうちに着たほうがいいですよ!」という編集Оくんの口車に乗って、わざわざ注文して着たのも、今年4月から始めた“月曜断食”で11kg痩せたから。
新緑のゴールデンウィークも、酷暑の夏も、毎月曜、断食して空腹に耐えた。
その結果、埋もれていた鎖骨が浮かび上がり、あばら骨までうっすらと。
こうなると鏡の前で朝に晩に、前から横から、全身を映して「うひょ、けっこう私、イケてる?」と、正直な話、声にならない声を上げていたわけですよ。
それが力になって、月曜日は基本、水だけで耐える。
こういう好循環の中にいたわけです、ZOZOSUITSに出合うまでは!「女のささやかな勘違い」を壊さないで!「わあ、いい。
かっこいい! ここまで似合うのは広子ちゃんしかいないって」ずいぶん前のことだけど、仲のいいY子ちゃんのブティックに行くと必ずといっていいほど、買うつもりがなかったのに、紙袋で下げて帰ってきていたの。
とにかく私が服を手に取ったが最後、何としてでも試着をさせる。
「買ってなんて言わないから、着るだけ着て見せてよ」。
で、試着室から出ると、ほめ言葉を浴びせかけるの。
そう言われて見ると、鏡の中の私はかなりいい。
ところが家に帰って着ると、いまひとつなんだわ。
そのからくりがわかったのは、けっこうな散財をしちゃったあとのこと。
Yちゃんの店の鏡は、“細見え”だったのよ。
そこに映る私は“加工品”の私。
そうと思って見ると、たいがい洋服を売る店は鏡にちょっとした細工がしてあるんじゃないの? そう聞いたときはビックリしたけど、考えたら誰が本当の自分の姿を見たいかって。
私だけじゃない。
たいがい女は“自分の体はこんな感じ”という、イメージで生きているんじゃないかしら。
それがかなり現実とかけ離れていたとしても、誰が困る!だいたいさ、ファッション業界の人間が女のささやかな勘違いと、夢を壊してどうするって!”吉牛”をたいらげ、そばは1人前を追加注文!無情な自分の後ろ姿を思い出すにつれ、情けなくて悲しくて腹立たしくて、お腹がすく。
こういうときに食べたくなるのは、なぜか“茶色いもの”なんだわ。
この日も仕事で国会議事堂にいたら、どうしても名物の『和牛 牛重』(吉野家)が頭から離れなくて、店の前を行きつ戻りつした挙句、えいやっ! その翌日のランチは、参議院議員会館地下のそば屋さん『みとう庵』で、“常陸そば”2枚にもり1枚追加。
「ダイエット、あきらめたの?」と言われても仕方がない食生活よ。
返品していたZOZOのスリムジーンズが届いたそんなある日のこと、お直し注文をしていたZOZOのスリムジーンズが届いたの。
パンツのウエストの寸法を5cm以上詰めるのはまず無理だからイチから作り直したと見たね。
サイズ直しの注文をしてから約1週間で届いたから、縫製は中国でなく日本に違いない。
で、はいてみたら、あらっ、ぴったりではないの!腰にビシッと吸い付くようなサイズ感が心地いいいのなんの。
思わず編集Оくんを呼んで「ねねね。
ライン、キレイだよね? 似合うと思わない?」とはしゃいじゃった。
よしっ。
今度はこのジーンズがゆるゆるになって、ちゃんと“スタイルのいいおばさん”になれるように、年末年始も頑張ってみようかな。
さっそく今夜のメニューは『豆乳とうふ鍋』(相模屋)。
電子レンジでチンするだけで、202klcalのひとり鍋のでき上がり。
食べたら空腹になる前に寝るのがコツだよ。
オバ記者(野原広子)1957年生まれ、茨城県出身。
『女性セブン』での体当たり取材が人気のライター。
同誌で、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。
バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。
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