「ローカーボ・ダイエット」や「炭水化物抜きダイエット」など、さまざまな呼ばれ方でブームになってきた糖質制限ダイエット。
広く流行しすぎたせいか、世間には糖質制限に関して誤った知識が氾濫している。
そこで、自身も糖質制限で17kgのダイエットに成功した『糖質制限2.0』(KADOKAWA刊)の著者でハタイクリニック院長の西脇俊二氏が、科学的に正しい糖質制限について解説する。
「糖質を摂ると、脳内でβエンドルフィンという快感物質が分泌される。
これが“甘いものを食べると幸せ!”という感覚の源で、糖質を摂らないと物足りなくなる感覚と表裏一体になっている。
糖質には『依存性』があることを理解しておかなければ、ダイエットは成功しません」(西脇先生・以下同)正しい糖質制限のために食べてよい食材、NGな食材には意外なものも(写真/アフロ)西脇先生の「究極の糖質制限」は、ご飯やパンなどの炭水化物はもちろん、果物や糖質の多い野菜も断ち、肉や魚などのたんぱく質を中心にした食事に徹するやり方だ。
「厳しい言い方かもしれませんが、糖質制限は中途半端な気持ちや方法でやっても意味がない。
まず糖質を徹底的に抑えることで、糖質依存から抜け出し、ダイエットの目標値に達したら、少しずつ制限を緩めていけばいいんです」豆腐、チーズなどたんぱく質が多い食べ物はOK肉、魚、貝、卵、豆腐、チーズなどたんぱく質が多い食べ物はOK(写真/アフロ)糖には中毒性があるため、中途半端に糖質を制限しても挫折するのがオチ。
そこで西脇先生がすすめるのが、とにかく最初に徹底的な「断糖」を行う方法だ。
「まずは1日あたりの糖の摂取量を『5g以下』に抑えます。
3日間で糖質の過剰摂取による“体の毒”は抜けるので、後は自分が目指す体重に到達するまで継続すればいい。
体脂肪で、女性なら22%、男性なら15%ほどを目標にするといいでしょう」食べていいのは、肉、魚、貝、卵、豆腐、チーズなどたんぱく質が多い食べ物。
ただし、カキやホタテ、ウニは糖質が多いのでアウト。
野菜ではアボカドやもやしが向いている。
葉野菜は糖質ゼロではないが少量ならOKだという。
一方、避けなければいけないのが、米、玄米、麦、そば、豆などの穀類全般。
体によいといわれる納豆もNGだ。
果物は全部ダメで、特にバナナやマンゴーなど南国のフルーツは「体を冷やして代謝を下げる」ので口にしないこと。
野菜も根菜類は糖質が多いので、食べない方がいい。
「飲み物は、白湯、紅茶、烏龍茶はいいが、コーヒー、抹茶、麦茶は避けましょう」調味料でははちみつ、ソース、ケチャップはアウトはちみつや砂糖、みりんなどの“甘い調味料”だけでなく、ソースやケチャップなどにも糖質は含まれるので注意を(写真/アフロ)調味料にも要注意。
せっかく食材をきちんと選んでも、糖質の入った調味料を使えば元の木阿弥だからだ。
「砂糖やみりん、はちみつなどの“甘い調味料”はもちろん、ソースやケチャップもアウト。
味噌は発酵の過程で糖質がたんぱく質に分解されているので安心して食べられますが、米味噌は米が原料なので糖質が高く、NGです。
しょうゆは廉価なものには糖分の高い『カラメル』が入っていることが多いので、成分表示に注意してください」逆に使っていいのは、普通のマヨネーズ、塩、こしょう、ワインビネガー。
カロリーハーフやノンオイルのマヨネーズは、脂肪を減らしている分、糖を増やしているので選ばない方がいいそうだ。
今回『正しい糖質制限ダイエット』を教えてくれた西脇俊二医師。
自らも17kgの減量に成功した経験を持つ「断糖食の決め手は、いかにたんぱく質をきちんと摂るか。
筋肉になるたんぱく質を摂りつつ、運動で筋肉量を増やし、基礎代謝を上げていくのが理想です。
たんぱく質には依存性はないので、いくら摂っても大丈夫。
肉と魚をバランスよく、いろんな種類のものを食べましょう」自分のダイエット目標に達したら、「断糖期」から「維持期」に移行。
1日の糖質摂取量の目安は50gに増える。
「食べてもいい野菜やきのこのバリエーションが増やせます。
ご褒美として、たまに寿司やラーメンを食べてもかまいません」※女性セブン2018年12月13日号ハードワークでも疲れないカラダを作る糖質制限2.0●ダイエットに最適な秋冬の味覚は?糖質制限ダイエット成功の秘訣は「置き換え」●卵料理が糖質制限ダイエットに活躍!糖質太りに卵が◎な理由とは?●ズボラでも大丈夫!ガチの糖質制限に役立つ「ダイエット食材」5選●爆発ヒット中!「糖質カット33%」炊飯器で炊いたお米の味は?●代謝が低下する40代の食事術 低糖質高たんぱく食で体重増加をストップ!