厚揚げが理想的なダイエット食材って知っていた? 揚げ物なので油をたっぷり吸った“太る食材”と思いきや、そんなことはないという。
管理栄養士の菊池真由子さんが解説してくれた。
栄養素は?一枚食べてもカロリーは低い写真/アフロ豆腐を作る過程でできる豆乳を固めたものが絹ごし豆腐、その絹ごし豆腐を油で揚げたものが厚揚げだ。
「厚揚げは植物性たんぱく質で脂質が少ないうえ約76%は水分です。
1枚(200g)食べても300kcal程度。
1食分当たりのカロリーと比べると、鶏のから揚げ(6個)は526kcal、ロースかつ(1枚)は510kcal(グラム数、カロリー数は菊池さんの著書『図解食べても食べても太らない法』より・以下同)。
同じ揚げ物なのに、厚揚げのカロリーはかなり低いんです」(菊池さん・以下同)さらに、たんぱく質の多い食材と比較してみると、「たんぱく質量は、サーロインステーキ(150g)25gに対して厚揚げ(200g)21.4gと、さほど変わりません。
ところがカロリーとなると、ステーキは565kcalで厚揚げの約1.9倍。
さらに脂質は、厚揚げの22.6gに対し、ステーキは約2.1倍の47.9g。
つまり、植物性たんぱく質の厚揚げは、動物性たんぱく質の肉類よりも、カロリーも脂質も低いのです」。
油抜きすれば油を取り除くこともできる脂質の量が少ないとはいえ厚揚げは揚げ物。
本当に太らないのか?「実は、厚揚げ1枚に含まれる油の摂取量はほんのわずか。
太る要因にはなりません。
さらに、厚揚げの油を摂りたくないなら、厚揚げの上から熱湯をかける、熱湯にくぐらせて油抜きをする。
そうすれば表面に付着している油は除けます。
それよりも毎日摂取している油の量で気にするべきは、肉や魚に含まれる動物性たんぱく質の脂肪、パンやお菓子に含まれるバター、牛乳など乳製品の乳脂肪といった約80%の目に見えない油と、残る20%のマヨネーズ、バター、マーガリン、ドレッシング、調理用油です」つまり、厚揚げの油を気にするより、何気なく摂っている脂質を意識して減らした方が、ダイエットには近道だといえそうだ。
「ダイエッターの中には油を毛嫌いする人もいますが、油は細胞膜、血液、ホルモンなどの材料となる大事な原料。
また、皮膚や目を守り感染症を防ぐビタミンA(βカロテン)、骨や歯を作るビタミンD、アンチエイジングに欠かせないビタミンEの吸収を助ける働きもあります」さらに、旨み成分を閉じ込めた油が食材をおいしくする効果も。
ダイエット効果を上げるための食べる量、食べ方写真/アフロ「食べる目安は、3日に1度、1食分の主菜を厚揚げ1枚に置き替えるだけ! できれば、食べる量が最も多くなりがちな夕食がベストです。
もちろん、1食分以上置き替えれば、その分効果が出るのも早いでしょう。
ただし、厚揚げだけを食べ続けるのはNG。
どんな食材であれ、かたよった食べ方はかえってリバウンドを招きやすい。
動物性たんぱく質もバランスよく摂りましょう。
最後に簡単でおいしい1品をご紹介。
厚揚げをオーブントースターで約5分焼き、おろししょうがと刻んだ万能ねぎをトッピング。
香ばしさが食欲をそそりますよ」おいしい、良質なたんぱく質が摂れて太らない。
厚揚げは一石三鳥の優れものだった。
教えてくれたのは:管理栄養士・菊池真由子さん管理栄養士。
健康運動指導士。
NR・サプリメントアドバイザー。
日本オンラインカウンセリング協会認定上級オンラインカウンセラー。
大阪大学健康体育部(現・保健センター)、阪神タイガース、国立循環器病センター集団検診部(現・予防検診部)を経て、厚生労働省認定健康増進施設などで栄養アドバイザーを務める。
ダイエットや生活習慣病の予防対策など、のべ1万人の栄養指導に携わる。
その活動の集大成として刊行した、『食べても食べても太らない法』(三笠書房)が10万部超え、『図解食べても食べても太らない法』(三笠書房)が16万部超えのベストセラーに。
最新作は、『食べれば食べるほど若くなる法』(三笠書房)は5万部超え。
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