現代社会を生きる私たちは、普段何気なく生活をしているだけでも、鼻や口、そして皮膚からの呼吸や食事などから、さまざまな有害物質を体内に取り込んでしまいがち。
なんだか最近、「便秘気味…」「頭痛がする…」「肌が荒れる…」などの不調がある場合、もしかしたらそれは体内に溜まった“毒素”のせいかもしれません。
そこで、「マラソン界のシンデレラ」と呼ばれた最強美人ランナー市橋有里(いちはし・あり)さんに、知らず知らずのうちに体内に溜まってしまった不要なものを排出し、便秘やむくみの解消にも役立つデトックスレシピを伝授していただきました!「食べてキレイになる」のワードにめっぽう弱いライターFが徹底レポートします。
常備菜にも最適!すっきりしたいときのデトックスメニュー――筑前煮は、食べるのは大好きなんですけど、手間がかかるから自分ではなかなか作ろうと思えなくて…。
有里:筑前煮は根菜をたくさん使うので、下準備に手間がかかりますし、じっくり味をしみ込ませるには時間もかかるので、確かにお手軽とは言えないかもしれませんね。
でも、根菜やこんにゃくなどさまざまな食材が使われるからこそ、体を内側からキレイにしてくれるデトックスメニューでもあるんですよ!――本当ですか!?有里:はい。
筑前煮は食物繊維を豊富に含む食材をたっぷり使って作りますから、体の中の毒素や老廃物などの排出を助け、体を内側からキレイに導いてくれます。
――食べてキレイになるって最高ですよね。
有里:そうですね。
筑前煮といえば、お正月に欠かさず作る家庭も多いと思いますが、年末年始に食べすぎ、飲みすぎたあとの調整にも一役買ってくれるので、作り方を覚えておいて損はありません。
――なるほど! 令和最初のお正月には、筑前煮作りにチャレンジしてみようかな。
有里:ぜひ! 作り方を覚えたら、常備菜やお弁当のおかずなどにして、体が重くなってきたときや、なんとなく不調を感じたときなどに作って食べるといいですよ。
――食べるデトックスなら、無理なくできそうですね!《材料》(2人分)しいたけ…2枚 れんこん…50g ごぼう…1/2本 にんじん…1/2本 たけのこ…50g こんにゃく…1/2枚 鶏もも肉…100g ごま油…大さじ1 水…1/4カップ しょうゆ…大さじ1 みりん…大さじ2 砂糖…大さじ1 いんげん豆…1/2パック《作り方》【1】鍋にお湯を沸かし、沸騰したら分量外の塩を入れ、いんげん豆をさっと茹でてボウルに入れて冷ます。
材料はすべて1口大の乱切りにしておく。
【2】鍋にごま油を熱し、塩で下味をつけた鶏肉をさっと炒める。
鶏肉を一度取り出し、れんこん以外の野菜を炒め、砂糖、みりん、水を加えて煮る。
【3】少し火が通ったら、れんこん、取り出しておいた鶏肉、しょうゆを加える。
【4】汁気がなくなるくらい(薄味なら半分くらい)まで煮詰めたら、器に盛りつけていんげんを添える。
不足しがちな食物繊維をたっぷりチャージ!――根菜をたくさん食べると、体にいい食事をしてるっていう気がしますよね。
有里:そうですね。
食物繊維は、女性の場合、1日に約13g摂取するのがよいとされているのですが、これを葉もの野菜で摂ろうと思うと、かなりの量を食べないといけません。
でも根菜なら、比較的少ない量でも食物繊維をたくさん摂ることができます。
――効率的にデトックスできるということですね。
有里:その通り! 特にごぼうは、水溶性・不溶性両方の食物繊維が豊富で、便秘解消に効果的な他、整腸作用もあります。
――水溶性と不溶性の食物繊維は、体に与える影響も違うのでしょうか?有里:はい。
それぞれ違った働きがあって、不溶性食物繊維は、主に腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にして便通を促す効果が。
水溶性食物繊維には、満腹感を得やすくして、食べすぎを防いだり、糖質の吸収をゆるやかにして、食後血糖値の急激な上昇を抑えたりする効果があります。
――なるほど。
どちらも体にとってうれしい効果があるわけですね。
有里:そう。
便秘が続くと、“毒素”が腸から全身にまわって、肌荒れや頭痛などのトラブルを引き起こす原因にもなってしまうので、デトックスはとても大切です。
腸内環境は美と健康の要ですからね。
――腸内環境は美と健康の要! 肝に銘じます。
有里:デトックスをするために食物繊維を摂ることも大切ですが、それ以前に、消化・吸収・排泄の機能が落ちていると、いくら食物繊維を摂っても十分な効果が得られないこともあるので、普段から健康的な生活を心がけることも忘れないでくださいね。
――はい、気をつけます!キレイを作る栄養の宝庫!れんこんの魅力――れんこんも食物繊維が豊富そうですよね。
有里:はい。
れんこんも、ごぼうと同じく不溶性・水溶性食両方の食物繊維を含んでいて、デトックスに効果的です。
そして、ポリフェノールやビタミンCなど、女性にとってうれしい栄養もたくさん詰まっているんですよ。
――れんこんにポリフェノールって意外です!有里:れんこんには、タンニンというポリフェノールが含まれていて、抗酸化作用が期待できるのですが、実はこれ、アクと呼ばれるもの。
――アク!? 確かに、れんこんは切り口が黒くなりますよね。
有里:そう。
変色しても味に変化はないのですが、きれいな色を保つためには、酢水につけておくのがポイントです。
――なるほど。
他にも、おいしく筑前煮を作るポイントがあったら教えてください。
有里:こんにゃくは、包丁で切るよりも手でちぎった方が、味がしみ込みやすくなります。
それに、筑前煮に限らず、煮物は一度冷ますと味がよくしみますね。
――煮物ってシンプルな料理だからこそ、手間ひまをかけた分だけおいしくなるような気がします。
有里:そうですね。
私もまだまだで、現役の頃、友人のおばあちゃんが「有里ちゃんとこ行くならこれ持っていき!」と、チャチャッと煮てくれた筑前煮の味を記憶の中で辿りながら、今も研究中です。
――奥が深いですね! 私も筑前煮作りにチャレンジして、デトックスしながら、おいしい作り方を研究していきたいと思います。
有里さん、今回もステキなレシピをありがとうございました!有里:こちらこそ! 体にとって有害なものを一切取り込まない生活は難しいので、不要なものをきちんと自力で排出できることが、健やかで美しい体を作るポイントです。
食べることでデトックスを促す根菜たっぷりの筑前煮は、体をすっきりさせたいときや不調から脱したいとき、体のバランスを整えたいときに“アリ”だと思います!* * *私たちの体には、自分でも気がつかないうちに有害な化学物質や有害ミネラル、体内で不要になった老廃物などが蓄積してしまいます。
そういった“毒”を体外へ排出するには、排泄機能を活かしたデトックスが効率的。
腸に働きかける食物繊維豊富な食材をバランスよくとって、水分補給や適度な運動もあわせて心がけることで、体の中からキレイになりたいですね。
レシピ考案:市橋有里いちはし・あり。
1977年11月22日、徳島県生まれ。
アスリートフードマイスター・料理研究家・ランニングアドバイザー。
1999年、世界選手権セビリア大会銀メダル獲得。
2000年、シドニーオリンピック日本代表。
「マラソン界のシンデレラ」とも呼ばれ、現在はランニングアドバイザーとして女性誌でランニングモデルをするほか、料理イベントをするなど、活躍の場を広げている。
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