在宅勤務や外出自粛が続き、家の中で過ごす時間が増えたことで、注目を集めている“おこもり美容”。
写真/GettyImagesせっかく美容のために使える時間があるのなら正しい知識でスキンケアを行って、美肌を目指したいもの。
そこで、「パナソニック」が20~40代の女性100名を対象に実施した、普段行っているスキンケアに関する意識・実態調査から、思い込みスキンケアをチェック。
美容皮膚科医の角谷貴子先生が教える、正しい知識を参考にお手入れを。
正しいスキンケアのポイントとは?角谷さんによると、美容成分を角質層まで浸透させることが、肌にとって最も重要なことなのだそう。
しかし、どうしたら肌を満足いく状態にできるかわからず、肌のメカニズムを理解しないままスキンケアを行っている人がとても多いという。
「保湿が大切ということは一般的によく知られているので、みなさんも普段からスキンケア化粧品を使って、肌を潤すことは意識されていると思いますが、そのままでは本当の意味で保湿、つまり美容成分を角質層まで浸透できている状態とは言えません」(角谷さん・以下同)◆潤いキープには角質層まで成分を浸透させるスキンケアの第一歩は、肌の水分量を保つこと。
しかし、肌の表面が潤っていることと、しっかり保湿ができているということは別。
効果的に保湿をするためには、保湿成分を正しく角質層まで浸透させるスキンケア(=浸透スキンケア)によって肌の奥、角質層まで水分を行き渡らせることが大事なのだそう。
「保湿成分が角質層まで正しく浸透できている肌は、しっかり潤いが継続できているので、いつ触れても手に吸い付くようなもっちりした感触。
言うなればお風呂上がりの透明感のある肌がずっと続いているような状態です」と角谷さん。
角質層まで正しく浸透させることができていれば、乾燥肌対策はもちろん、理想の肌への近道にもなるという。
思い込みスキンケア4つ調査では、82%の女性が正しくないスキンケアをしていることが明らかになった。
その中から角谷さんが選んだ、ついやりがちな「思い込みスキンケア」4つとそれぞれの正しい知識を紹介する。
【NG】パッティングすればするほど角質層まで浸透する“念入りにパッティングをし、回数が多ければ多いほど効果的”だと思い込んでいる人は5人に1人いるという結果に。
「肌は何層にも重なった構造をしているため、角質層まで保湿成分を浸透させ、水分を届けることで潤いが持続します。
ところがパッティングで届くのは肌の表面に近い層だけになるので、“浸透している”というより“肌になじむ”ことで満足してしまっていると言えるでしょう」肌が含むことができる水分の量にも限界があるため、いくらスキンケア化粧品をたっぷり、丁寧にパッティングしてつけていても、潤いの持続にはつながらないという。
夜に丁寧なスキンケアをしているのに朝起きたらもう肌が乾燥しているという人は、時間と共に肌の水分が蒸発し、失われているのが原因。
「日中の乾燥が気になるなら、夜ではなく朝に角質層への浸透スキンケアを重点的にするのがオススメです」【NG】お風呂上がりの肌なら角質層まで浸透しやすい3人に1人と特に多かったのが、“お風呂上がりの肌なら角質層まで浸透しやすい”という思い込み。
「肌(角質層)が温かく、毛穴が開いている方が化粧品が浸透しそう」というイメージに対し、「汗が出ることからもわかるように、そもそも毛穴の役割は排出器官なので、お風呂上がりの毛穴が開いた状態が角質層への浸透にベストな状態ということではありません」と角谷さん。
お風呂上がりなどにスキンケア化粧品がより角質層へ浸透するような気がするのは、お風呂の水蒸気によってそもそもの肌の表面の水分量が上がっているからだという。
「もちろん、毛穴に汚れが詰まっていると、本来毛穴が持っている引き締めの機能を邪魔するため、毛穴の汚れをクリアにすることは美肌につながります。
ただ、角質層への浸透のことを考えると、過度なピーリングなどで毛穴汚れを落とすことに注力するのではなく、肌全体の余分な角質を落とすことが大切です。
しっかり洗浄し、肌の受け入れ態勢を整えましょう」【NG】シートマスクの時間が長いほど角質層まで浸透するシートマスクは長くのせているほど角質層へ浸透する、と思い込んでいる人は5人に1人。
角谷さんによると、シートマスクの使用時間は長ければ長いほど効果が高いというわけではないという。
「シートマスクが湿っている間は水分を与えてくれますが、シートマスクが乾き始めると同時に今度は肌の水分を奪っていきます。
それが乾燥肌の原因になってしまうことも。
つけたまま寝てしまう、乾くまでつけておくのは逆効果」シートマスクの使用はパッケージに書いてある時間内にするのがベスト。
また、コットンパックの場合も同様に乾燥に注意を。
【NG】週1スペシャルケアで一気に角質層まで浸透できる週1回のスペシャルケアで、しっかり角質層まで浸透できていると思い込んでいる人も5人に1人という結果になった。
時間があるときにまとめてやってしまいがちなスキンケアだけれど、「女性は1週間のうちでもホルモンバランスの変化があったり、気候によるダメージも受けやすいので週1回のスペシャルケアで十分とは言い難い」のだそう。
「基本的には、スキンケアの美肌貯金はできませんし、まとめて角質層まで浸透させよう、という考えは肌には通用しません。
週に1回、いくら時間をかけてたくさんのアイテムを塗り重ねても、そのひとつひとつが角質層まで浸透していなければ、ただ肌の上で混ぜて、のせてしまっているだけになってしまいます。
毎日短時間で良いので、きちんとした浸透スキンケアを心かけましょう」また、スキンケア化粧品ブランドのライン使いをしている人は約7割で、61.8%がその理由として「化粧品の効果がより高まると思うから」と回答したそう。
しかし、化粧品ブランドをライン使いしているからといって、角質層まで浸透できているというわけではないという。
「そのときの肌の状態によって必要なケアは変わってくるため、同じラインのものをこだわって使うより、日々状態の変化する自分の肌に合ったスキンケアアイテムを選んで使うことの方が重要です」手塗りに比べて簡単に角質層まで浸透させることができる、導入美顔器などを使ってスキンケアを行うのも一手。
正しいスキンケアを行って、理想の肌を目指して。
この人に聞きました:「松倉クリニック代官山」院長・角谷貴子すみや・たかこ。
「松倉クリニック代官山」院長。
日本形成外科学会認定専門医帝京大学医学部卒業。
京都大学付属病院など大学病院を経て、都内美容外科クリニック院長など歴任。
日本形成外科学会認定専門医の知識を活かして正しい美容医療を行う。
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