家にこもって仕事に家事にと集中していると、つい忘れてしまいがちな水分補給。
だんだんと気温も高くなってきたからこそ、意識的に水分を摂りたい。
水を飲んで潤った体内水をマッサージや運動でめぐらせて(写真/アフロ)東洋医学の観点から「水飲み」を促している心療内科医の森下克也さんによると、体内の水は、全身をかけめぐり、細胞や臓器に栄養を届け、老廃物とともに排出されるものだが、内臓や血管、自律神経などに乱れが生じると、水分の代謝異常が起こり、さまざまな不調(不定愁訴)となって表れるという。
「水分不足」「水分過多」「流れの滞り」「流れの偏り」といった代謝異常が起きると、肌の乾燥や色素沈着、水太りやむくみ、めまいや吐き気、のどの詰まりといった不調につながることにも。
→水不足であらわれる不調にまつわる記事はコチラ→実は慢性脱水症かも!?体内の水の状態チェックはコチラから→体にいい水の飲み方、タイミングについての記事はコチラ→気になる症状別の飲み方ポイントと注意点はコチラ水のめぐりを助けるマッサージと運動をプラスして水を飲んで体内水のバランスを整えるだけでも充分効果があるが、マッサージやエクササイズ、ウオーキングなどで外側から働きかければ、効率よく流れが促進される。
むくみや肥満など、もともと滞りがちの人は特におすすめだ。
東洋医学の見地から森下さんが指導する健康対策や水飲み。
その仕上げは、マッサージ&エクササイズだ。
「東洋医学では、気・血・水の3つが滞りなくめぐる状態がよいとされており、そのめぐりを助けるものとして、リンパマッサージがあります。
これと同様に、水を飲んで潤った体内水を効率よく循環させるためには、マッサージや適度な運動を取り入れるといいですね」(森下さん・以下同)おすすめは、テレビを見ながら、あるいは入浴しながらできる手軽なものを毎日続けること。
「外出が自由にできる時期がきたら、ウオーキングもおすすめです。
代謝と筋力が上がるので、体内水のめぐりもよくなります。
熱中症にならないよう、朝夕の過ごしやすい時間帯に30分~1時間程度を。
歩くときは、汗をかいた体に必要な、ミネラルたっぷりの硬水を忘れずに」家の中で簡単にできる下の体操とマッサージをぜひ日常に取り入れて。
末端のリンパ液を流す「指もみ」足の指もみ◆やり方左手指で左足指を1本ずつつまみ「ねじる、つかむ」を1分。
右手指、右足指も同様に。
手の指もみ◆やり方手の指を1本ずつつまみ、ねじるようにもみほぐす。
片方の手を1分もんだら、もう片方を1分もむ。
◆解説いろいろな運動を始める前に、まず行ってほしいのが、末端に滞っているリンパ液を流すための「指もみ」。
手足の指先には、ごく細いリンパ管がはりめぐらされているため、特に滞りやすい場所でもある。
手足の指を1本ずつつまみ、先端から根元へ向かって丁寧にもみほぐしていく。
それが終わったら、手のひらと足の裏全体をそれぞれ2分ずつもむようにすると、よりめぐりがよくなるうえ、冷え症の人は手足が温かくなる。
体内水の偏りを正す「ふくらはぎ体操」寝転んでやるふくらはぎストレッチ◆やり方片足の裏の中央にタオルをかけ、ひざを伸ばす。
両手でタオルがピンと張るまで引っ張りながら30秒キープ。
左右で各5回行う。
かかとの上げ下げ運動◆やり方階段などの縁に足の裏の半分をのせてつま先立ちし、かかとをゆっくり下ろし、階段につく前の状態で5秒キープ。
再びかかとを上げて5秒キープ。
左右で各10回行う。
◆解説夕方になると足がむくむように、活動中の体内水は、どうしても重力で下にたまりがちになる。
重力に負けず、体内水をめぐらせるためには、足の筋肉の収縮機能が重要。
特に、ふくらはぎにある腓腹筋やヒラメ筋といった大きな筋肉を鍛えておくと、むくみトラブルを予防できる。
寝転んでやるふくらはぎストレッチは、ひざを曲げないでぐっと伸ばすのがポイント。
かかとの上げ下げ運動は、かかとが階段からはみ出すため、倒れないよう壁に手を置いて行おう。
バランスを取るのがつらい場合は、段差のない床でもOKだ。
階段などの縁に足の裏の半分をのせてつま先立ちし、かかとをゆっくり下ろし、階段につく前の状態で5秒キープ。
再びかかとを上げて5秒キープ。
左右で各10回行う。
下半身マッサージの仕上げ「太もも流し」◆やり方ひざの周辺から足の付け根に向かって、丁寧にもんでいく。
前面、側面、裏側とまんべんなく、左右各5分もむ。
◆解説座ることの多い日常では、ひざや股関節は常に折り曲げられているため、リンパ管も折れ曲がってしまう。
そのため、ひざにたまったリンパ液をまずもみほぐし、徐々に上に移動させ、最終的にリンパ管が集まる足の付け根までをマッサージして、下半身のリンパの流れをよくしていく。
このマッサージをすることで、関節痛を和らげる効果も期待される。
上の「ふくらはぎ体操」とセットで行うのがおすすめだ。
イラスト/コナガイ香教えてくれた人:もりしたクリニック院長・森下克也さん浜松医科大学にて漢方と心療内科を研究。
現在は自身のクリニックにて、原因不明の不調を訴える患者に対して、東洋医学の観点から「水飲み」を促し、効果を上げている。
『不調が消えるたったひとつの水飲み習慣』(宝島社)ほか著書多数。
不調が消えるたったひとつの水飲み習慣※女性セブン2020年5月7日・14日号●夏に注意!脱水症の予防&なったときの対処法|なりやすいタイプかどうかのチェックも●旬のレモンでダイエット!代謝アップに◎の「薬膳レモン白湯」●「こうじ水」でダイエット!代謝アップの効果と活用法を医師が解説●コロナ禍のストレス解消にお風呂!睡眠不足、心配事が消えない…など悩み別入浴法●3万人超を施術した整体師が「かっさ」の使い方伝授、下半身痩せにも!【美容賢者のダイエットグッズ】