雨の季節もそろそろ終わりが見えてくる頃。
春のおこもり生活で増えたウェイトが戻りきらないまま、迫りくる夏の訪れに焦りを感じている人も多いのでは?そこで、「マラソン界のシンデレラ」と呼ばれた最強美人ランナー市橋有里(いちはし・あり)さんが、低カロリーで栄養価の高いひじきを使った、デトックスやダイエット、梅雨時期に感じやすい倦怠感や疲労感の解消に役立つレシピを伝授!煮物以外のひじきのおいしい食べ方を知りたいライターFが徹底レポートします!新感覚サラダ!ひじきを使ったタブレとは?――ひじきというと、煮物くらいしか思い浮かばないのですが、これはそのイメージを覆すような、おしゃれな一品ですね!有里:でしょう? 煮物もおいしいけど、やっぱり彩りのよいメニューは気分がアガりますよね。
低カロリーで栄養価の高いひじきを、もっと楽しみながら食べてほしいので、今回は「ひじきのタブレ風」をご紹介します。
――そもそもタブレとは?有里:タブレは、クスクスを使ったサラダのことで、フランスでは国民食というくらい、よく食べられているもの。
今回はクスクスの代わりに、ひじきやもち麦を使うことで、デトックスやダイエット、疲労回復など、この時期に特にうれしい効果が期待できる一皿に仕上げています。
――ひじきにこんな食べ方があったなんて! 楽しみです!《材料》2人分ひじき…5g パセリ…1本 市販の茹でもち麦…大さじ3 プチトマト…10個 赤たまねぎ…1/8個 アーモンド…10粒 スプラウト…1/2パック オリーブオイル…大さじ3 レモン汁…大さじ1 塩こしょう…適量《作り方》【1】耐熱容器にひじきとたっぷりの水を入れ、ふわっとラップをしてレンジで5分ほど加熱し、ひじきを戻す。
【2】パセリ、プチトマト、赤たまねぎ、スプラウト、アーモンドは細かく刻んでおく。
【3】ボウルにもち麦と【1】をすべて入れて、オリーブオイル、レモン汁を加える。
塩こしょうで味を調える。
「ひじき=鉄分」は古い!ビタミン、ミネラル、食物繊維たっぷりのヘルシーフード有里:ひじきは、ひと昔前まで「鉄分の王様」などと呼ばれ、鉄分が豊富な食べものと認識されていたのですが、最近はその栄養価が見直されているのを知っていますか?――知りませんでした! 「鉄分の王様」ではなかったということですか?有里:かつての干しひじきは、海藻を鉄製の釜で煮たものを乾燥して作られていたのですが、実は、使われる窯がステンレス製になったことによって、100gあたりのひじきに含まれる鉄分の量が10分の1になったとも言われているんです。
――それはつまり、窯から出た鉄分が含まれていたのであって、ひじき自体はそんなに鉄分を含んでいないということですよね?有里:その通り。
一方、ひじきには食物繊維やビタミンB2、カルシウムなど、さまざまな栄養がバランスよく豊富に含まれていることから、その栄養価の高さが注目されているんです。
私も現役の頃から、ミネラル摂取のために毎日ひじきを食べていましたよ。
――なるほど、ひじきが栄養たっぷりの食品であることには変わりないのですね。
有里:はい。
特に食物繊維を多く含んでいるので、デトックス効果が期待できますし、脂肪を燃焼してエネルギーに変えてくれるビタミンB2は、倦怠感や疲労感の解消に役立ちます。
さらに、不足しがちなカルシウムの含有量は、牛乳の12倍とも言われているんですよ。
――それはすごいですね!有里:そう。
だから、たまに煮物で食べるくらいじゃもったいないわけです。
今回のようなサラダ感覚のレシピも覚えておくと、手軽に食べられておすすめです。
――確かに、とても簡単なレシピで驚きました! これなら、時間がないときでもパッと作って食べられていいですね。
モチモチ食感がアクセント!健康効果も期待大「もち麦」の魅力――ひじきに生野菜やもち麦を合わせるって、すごく新鮮。
いろいろな食感と味わいを楽しめていいですね。
有里:野菜のシャキシャキ感とか、もち麦のモチモチ感とか、食感のアクセントって大切ですよね。
ダイエット食材としても知られるもち麦は、「大麦β-グルカン」という食物繊維が非常に多く含まれていて、糖質の吸収を抑えたり、腸内環境を整えたりしてくれる、頼もしい存在です。
――ひじきとは食物繊維が豊富なもの同士で、一緒に食べると腸をすっきりキレイにしてくれそうですね。
有里:そうですね。
それに、もち麦には白米の約2倍のたんぱく質やマグネシウム、カリウム、鉄などのミネラル、ビタミンEなども豊富に含まれているので、ダイエットやデトックスだけでなく、栄養を補うという点でも優秀。
白米に混ぜたり、サラダやスープに加えたりするのがおすすめです。
写真/アフロ――そんなに栄養も豊富とは知りませんでした! カロリーや糖質を抑えながら、ミネラルなど不足しやすい栄養をしっかり摂れるのは魅力的ですね。
有里:そうですよね。
時間も手間もかけずに効率的に栄養を摂れるので、ダイエット中や時間がないとき、食欲がないときなど、いろいろなシーンに役立つレシピだと思います。
――疲れていると、茹でるのすら手間に感じるときもあるので、レンチンして、刻んだ材料と混ぜ合わせるだけという手軽さは本当にありがたいです。
有里:疲れたときや時間がないときは、こういうお手軽ヘルシーレシピで手を抜きつつ、しっかり栄養を摂っていきましょう!――はい! ひじきにこんな食べ方もあると知って、とても勉強になりました。
有里:そう言ってもらえるとうれしいです。
ひじきともち麦以外にも、ビタミンA、C、Eや鉄分が摂れて、抗酸化作用もあるパセリやクエン酸たっぷりのレモンも使用していて、だるさの解消や疲労回復にも効果的なレシピなので、この時期にぜひ試してみてほしいです。
――はい! さっそく仕事で疲れた日の夕食などに作ってみたいと思います。
有里さん、今回もステキなレシピをありがとうございました!有里:こちらこそ! 煮物や炊き込みごはんのイメージが強いひじきですが、たまにはこんな新鮮な組み合わせを楽しんでみてはいかがでしょうか。
お好みで、はちみつや粒マスタードを加えて、ハニーマスタード風味にするのもおすすめです。
ワインにもよく合うので、ヘルシーなおつまみにも“アリ”だと思います!* * *脂質をほとんど含まず、低カロリーでビタミンB2やカルシウム、食物繊維を豊富に含むひじきは、実はダイエットやデトックスの強い味方。
クセがなく、いろいろな食材や調味料と合わせやすいのも魅力です。
もっと気軽にサラダやデリなどにひじきを加えて、新しい楽しみ方を見つけてみてはいかがでしょうか。
レシピ考案:市橋有里いちはし・あり。
1977年11月22日、徳島県生まれ。
アスリートフードマイスター・料理研究家・ランニングアドバイザー。
1999年、世界選手権セビリア大会銀メダル獲得。
2000年、シドニーオリンピック日本代表。
「マラソン界のシンデレラ」とも呼ばれ、現在はランニングアドバイザーとして女性誌でランニングモデルをするほか、料理イベントをするなど、活躍の場を広げている。
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