年明け早々の緊急事態宣言。
またもやお家時間が増えそうですが、そんなときこそじっくり読書をしませんか? そこで今読んでおきたい4冊をご紹介。
人気作家の新作や、2大ベストセラーの第3弾など、話題の本をピックアップしてみました。
【目次】【単行本】『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』東野圭吾【単行本】『今度生まれたら』内館牧子【単行本】『安倍・菅政権vs.検察庁暗闘のクロニクル』村山治【単行本】『音楽の肖像』堀内誠一 谷川俊太郎【単行本】『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』東野圭吾◆売れっ子作家の書き下ろし。
新型コロナの影が物語のそこここに『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』東野圭吾光文社1800円2か月後に結婚する真世のもとに、元教師の父親が遺体で発見されたという知らせが。
他殺だという。
真世は田舎に向かい、叔父の武史と再会。
武史は米国でマジシャンをやっていた。
警察が真世の同級生達のアリバイを捜査する中、武史は警察相手に手品のごとき奇策を繰り出し、いち早く真犯人に迫る。
名探偵ものにして同窓会ミステリー。
人を食った武史のキャラがお見事。
ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人【単行本】『今度生まれたら』内館牧子◆前向きバアサンも終活バアサンもイヤ。
さすらう夏江が掘り当てたものとは?『今度生まれたら』内館牧子講談社1600円老後小説第3弾。
毎回威勢がよくて笑ってしまう。
主人公の夏江は結婚して48年の70才。
昔から世の風潮というお得を選ぶ性格。
オールドミスになるのが嫌で大学進学はせず、就職先で今の夫に狙いを定めてゲットした。
息子は2人とも優秀。
しかし満腹感はあっても満足感はなく…。
満腹感は幸福度、満足感は充実度だろうか。
女70にして立つ。
家族の変化も含め楽しんで。
今度生まれたら【単行本】『安倍・菅政権vs.検察庁暗闘のクロニクル』村山治◆ヤバすぎる日本の三権分立。
検察庁よ、独任制官庁の矜持を取り戻せ『安倍・菅政権vs.検察庁暗闘のクロニクル』村山治文藝春秋1600円2020年5月、笛美(フェミの当て字?)さんが始めた検察庁法改正案に抗議するツイッターデモが3日で680万を超える巨大なうねりに。が、黒川氏の賭け麻雀引責辞任という結末を迎える。
本書は事の発覚の数年前、水面下で繰り広げられていた政権と法務省の押し引き、その暗闘を許した近年の検察庁の体質に迫る。
改正案はいずれまた亡霊のごとく出てくる。
油断はならない。
安倍・菅政権vs.検察庁 暗闘のクロニクル(文春e-book)【単行本】『音楽の肖像』堀内誠一 谷川俊太郎◆バッハの20人の子供、シューマンのカフェ。
エピソードも楽しい絵と詩の饗宴『音楽の肖像』堀内誠一谷川俊太郎小学館2500円なんて贅沢な本だこと! ローズ色の雲や熟柿色の光など絵の色彩は澄み、作曲家を紹介するエッセイは音符のように弾み、きれいな日本語の詩が唇を潤す。
『anan・an』のロゴなどで知られるグラフィックデザイナーにして絵本作家の故堀内誠一が表紙を手がけたPR誌「ピアノの本」。
その作品を中心に、谷川氏が音楽讃歌の詩を多数書き下ろす。
大人苦いモーツァルト詩はまた格別。
音楽の肖像文/温水ゆかり※女性セブン2021年1月28日号●【今週の読みたい本】川上弘美さんの季語にまつわる俳句エッセーほか年末年始におすすめの4冊●【今週の読みたい本】14年間埋もれていた角田光代さんの傑作小説『銀の夜』など4冊●【今週の読みたい本】ジャルジャル福徳秀介の小説デビュー作など4冊