春キャベツが店頭に並ぶようになってきました。
みなさんはキャベツの健康効果をどのくらいご存じでしょうか。
Ph/GettyImages工藤内科の院長で、ダイエット指導や糖尿病の治療などを行う医師の工藤孝文さんは、「キャベツには、血糖値や血圧の改善から、免疫力の強化、肥満解消、胃腸環境の整備など、実にさまざまな健康効果が期待できるのです」と話します。
書籍『医師が教える長生きキャベツ健康法』(学研プラス)の監修者でもある工藤さんに、詳しくうかがってみましょう。
【目次】がん予防や花粉症対策になる成分も食物繊維たっぷりで便秘解消にダイエットや美肌にも効果的胃腸が弱い人、高血圧の人などにもおすすめがん予防や花粉症対策になる成分もまず注目したいのが、キャベツに含まれる「イソチオシアネート」という成分。
これが、がん予防や花粉症の対策となる、免疫力アップの働きがあるそうです。
「イソチオシアネートとは、キャベツをはじめ、ブロッコリーや白菜、大根、チンゲン菜などのアブラナ科の野菜に含まれる成分で、近年、がん予防などの有用な機能性成分として注目されています。
がん予防に関しては、体内にはいった発がん物質を無毒化したり、排出を促したりする酵素の働きを助け、がん細胞の積極的な死滅が誘導されると考えられています。
それも、よく噛むほど抗がん効果が上がるそうです。
他にも、細菌の繁殖やカビを抑制する抗菌作用や、花粉によるアレルギー反応を抑える働きもあります」(工藤さん・以下同)食物繊維たっぷりで便秘解消にまた、腸内環境を整備してくれる食物繊維の量も豊富です。
「成人女性は、1日17~18gの食物繊維を取ることが目標とされています。
これに対し、生のキャベツの食物繊維量は100gあたり1.8gです。
1/2玉(600g程度)なら、10.8gです。
キャベツだけでなく、きのこ類など他の食物繊維と合わせるなどして上手に摂れば、1日の目標摂取量に達しやすくなります」→食物繊維の目標摂取量や必要性についてはコチラ◆水溶性と不溶性の食物繊維が好バランスしかもキャベツの食物繊維には、水に溶けず、便のかさを増やす不溶性食物繊維と、水に溶けて便を軟らかくする水溶性食物繊維がおよそ3:1の割合でバランスよく含まれています。
Ph/GettyImages「この配合が便秘解消に役立つのです。
さらに、よくmages噛んでゆっくり食べれば、満腹中枢が刺激されて食べすぎも防げます。
キャベツは、肥満防止にも一役買うのです」ダイエットや美肌にも効果的キャベツの肥満防止効果は、他にも。
「食物繊維を摂ると、『GLP-1』というやせホルモンが分泌されやすくなると言われています。
GLP-1は、食物繊維を十分に摂取すると小腸や大腸から分泌されるもので、満腹中枢を刺激したり、血糖値を下げたりする作用があります」◆ビタミンCがシミ予防に働くダイエットのみならず、美肌効果や胃腸を守る働きもあります。
Ph/GettyImages「キャベツには美肌を作るビタミンCが100gあたり41mgも補給できます。
これは、レモン1個分の20mgの倍。
ビタミンCは、メラニンの生成を抑えてシミを防いだり、コラーゲンの生成を助けて健康な肌や粘膜を作ったりする働きがあります。
紫外線が強くなってくる春に向けて、積極的に摂取したいですね」胃腸が弱い人、高血圧の人などにもおすすめ胃腸効果に関しては、キャベツに含まれるビタミンUが活躍します。
「ビタミンUは水に溶ける水溶性の“ビタミン様物質”とされていて、胃腸の粘膜を修復するたんぱく質の合成を促し、胃酸の分泌を抑える、傷ついた胃の粘膜を修復する、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の回復を助ける、といった働きがあります。
キャベツは胃薬の名前にもじって使われているくらいですから、胃腸が弱い人にはイチオシの野菜なんです」さらに、塩分の摂りすぎや血圧が気になる人にもキャベツはおすすめ。
「キャベツに含まれるカリウムが、塩に含まれるナトリウムの排出を促してくれるので、血圧を下げたり、正常に保ったりする働きがあります。
他にもカリウムは、夏バテを防いだり、筋肉の動きをよくしたりする作用もあります」◆カルシウムでイライラ防止や骨を丈夫に他にも、キャベツには丈夫な骨や歯を作ったりイライラを防いだりする働きのある、カルシウムも含まれています。
Ph/GettyImages「カルシウムの1日の摂取推奨量は、成人女子は650mg。
キャベツに含まれるカルシウムは100gあたり43mg程度ですが、たくさん量を食べたり、他の食材で摂ったカルシウムの足しにしたりして、補給するとよいでしょう」◆1か月で血糖値が変化する人もこのように、1枚の葉にさまざまな栄養素が含まれているキャベツ。
工藤さんは、血圧、血糖値、コレステロールが気になる患者さんには、「1日にバケツ1杯分のキャベツを食べるイメージで、とにかくたくさん食べてください」とお話しているそう。
実際にバケツ1杯分を食べるのは無理でも、日々の食事に摂り入れた結果、1か月程度で血糖値に変化が現れる患者さんもいるそうです。
とはいえ、キャベツばかりでは飽きてしまいますよね。
そこで工藤さんは、『医師が教える 長生きキャベツ健康法』で、健康効果別にキャベツの上手な摂り方を、レシピを交えて紹介しています。
レシピの数は、作り置きできるお総菜から汁物、メイン料理の付け合わせまで、60点。
キャベツを飽きずに食べ続けられる工夫がもりだくさんです。
気になる症状があれば、ぜひ同書を参考にキャベツを食してみましょう。
教えてくれたのは:医師・工藤孝文さん減量外来・糖尿病内科医。
福岡大学医学部卒業後、アイルランドとオーストラリアへの留学を経て、現在は福岡県みやま市の工藤内科で診療を行う。
日本内科学会、日本肥満学会、日本糖尿病学会、日本東洋医学会、日本抗加齢医学会、日本女性医学会、小児慢性特定疾病指定医。
『ガッテン!』(NHK総合)、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)など、テレビ出演も多数。
YouTubeチャンネル『シックスパックのイケメン医師工藤孝文先生のダイエット外来』も配信中。
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