豚肉にはたんぱく質、ビタミンB1が豊富で、脂質には血中の中性脂肪や悪玉コレステロール値を低下させ、循環器系疾患のリスク減少の可能性もある一価不飽和脂肪酸のオレイン酸が含まれている。
そのなかでも、「肩ロース肉」は赤身の中に脂質が網目状に広がり、コクのある味わいが特徴。
とんカツやロースト、しょうが焼き、カレーなど幅広く使いやすい。
たんぱく質、ビタミンが豊富な豚肉「ロース肉」は、肩から腰にかけての背骨を囲む部位で、きめの細かいやわらかな肉質と濃厚なうまみが特徴。
とんカツ、ポークソテー、チャーシュー、そして薄切りにしてしゃぶしゃぶなどに。
臀部周囲の部位「もも肉」は赤身が中心。
高たんぱく低脂肪のあっさりした味わいで、ビタミンB1を多く含む。
内もも肉はローストポークやチャーシューに、外もも肉は角煮などに。
こま切れ肉なら豚汁にぴったりだ。
家庭料理研究家の松田美智子さんは豚肉についてこう話す。
「かたまりの肩ロース肉は、お料理によって2分割して使い分けると扱いやすいかと思います。
今回、脂身の多い方はジューシーなローストポークに、赤身の多い方はサクッと歯ごたえのよいカツレツにしました。
カツの衣は余分なものをしっかり落としてミニマムに。
揚げ焼きにして数分休ませると、衣がなじみます」豚肉の準備ローストポークにする場合はかたまり肉をたこ糸で縛ると、形が崩れず肉に均一に火が通る。
また、仕上がりの見栄えもよくなる。
巻き糸は必ずたこ糸を使用すること。
他の糸で代用するのは、有害物質が溶け出す可能性もあるので危険だ。
巻き方にはいろいろあるが、焼き縮みを防ぐのがいちばんの目的なので、家庭料理ならぐるぐる巻きでも充分。
「かたまり肉の下にたこ糸を縦斜めにおき、その糸を拾って巻き込みながら縛ると、しっかり成形できます」(松田さん)『みそ風味のローストポーク』の作り方【1】肩ロースかたまり肉500gは、縦半分に切る。
脂身の多い方をたこ糸で縛って成形する。
【2】ボウルにみそ大さじ1/2、酒大さじ3、オリーブ油大さじ2、すりおろしにんにく小さじ1/2を合わせて豚肉全体にすりこみ、ラップで覆って1時間ほど室温でおく。
【3】オーブンを220℃に熱する。
【2】のマリネ液をスパチェラ等で肉からこそぎ落として脂身を上に網にのせ、オーブンの天板にセットする。
アルミホイルで覆って20分焼く。
ホイルごと上下を返し、さらに15分焼いてホイルを外し、脂身を上にして5分ほど焼いて焼き色をつける。
【4】オーブンから【3】を取り出して15分ほど休ませ、たこ糸を除いて好みの厚さに切る。
【5】天板の焼き汁とチキンスープ1/2カップを小鍋に合わせ、弱火で好みの味に煮詰める。
肉を皿に盛り、クレソンを添え、【5】をかけていただく。
『マリネヒレカツ』の作り方【1】肩ロースの赤身が多い方を使う。
同じ厚みで4枚に切り、脂に下包丁の切り込みを数か所入れる。
【2】ボウルにローズマリーの葉先1茎分、すりおろしにんにく小さじ1/2、塩小さじ1、オリーブ油大さじ2、白こしょう少量を合わせ、肉にすりこんで30分おく。
【3】【2】の水気をキッチンペーパーで押さえ、茶こし等で薄力粉適量を全体に薄くふり、溶き卵1個分の卵液にくぐらせて余分な卵をよく切る。
2度挽きした生パン粉を押さえるようにつけ、余分をはたく。
【4】油適量を中温に熱して肉を順に入れて5分揚げ焼きにし、上下を返してさらに4~5分焼く。
油を切って、2~3分おく。
器に盛り、レモンを添える。
撮影/鍋島徳恭※女性セブン2018年5月3日号【関連する記事をチェック!】●【やせおか】脂肪燃焼を助ける「ころころローストビーフ」●2か月で20kg減を実現したオーナーが提供する肉肉しい【野菜ランチ】●豚肉は腹筋女子の味方!「#腹筋女子入門ツアー」【体験レポ<後編>】●【旬菜】豚肉のうまみが味わい深い。
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