NHKで紹介の【おやつダイエット】食べて痩せる方法と4つのルールを医師が解説
おやつはダイエットの大敵――。
そんな常識を覆したのが、7月17日に放送されたNHKBSプレミアム『美と若さの新常識~徹底調査!』の「衝撃のおやつダイエット」特集だ。
番組では、ダイエットに悩む女性4人が登場。
彼女たちに、2週間、三食に加えておやつを食べ続けてもらう実験を行ったところ、全員が減量に成功した。
そのカギは、「血糖値のコントロール」だという。
おやつを食べてダイエットになるって本当?(写真/アフロ)「板チョコを半分食べてもOK」という有識者のコメントに、ゲストは騒然。
ダイエット中の女性たちを中心に、大きな反響を呼んだ。
そこで今回、番組で解説していた有識者の一人、糖尿病治療の第一人者、関東労災病院の医師・浜野久美子さんに改めて「おやつダイエット」について解説してもらった。
ダイエットのカギを握る「血糖コンシャス」血糖値をコントロールすることが大事だという(写真/アフロ)三食に加えておやつを食べると、なぜ痩せるのか。
ポイントは、血糖値だという。
「血糖値とは、血液の中にあるブドウ糖の量。
この量をいかに意識(コンシャス)した生活を送るか、がダイエットの成功に関わってきます。
食事をすると、栄養分の一部がブドウ糖になって、血液中に流れ込みます。
このブドウ糖の量、つまり血糖値が上がるとインスリンというホルモンが出て、血液の中のブドウ糖を細胞内に送ります。
インスリンは、血糖値の上がり方が急激なほど大量に分泌され、余分なブドウ糖は脂肪として蓄積しやすくなります。
その結果、肥満に繋がっていくのです」(浜野さん、以下「」内同)つまり、血糖値が急上昇しない食生活であれば、太りにくくなる。
そのためには、食事と食事の間をなるべく空けないことが肝要だという。
「血糖値は食事を取るたびに上がりますが、食間の時間が長ければ長いほど、つまり、間食をしない状態で食べるほうが急上昇して、脂肪もより蓄積しやすくなるのです」空腹の状態でいきなり食べると、主食も副菜も残さず食べてしまいがちだが、この「ドカ食い」こそ肥満につながっているのだ。
おやつを食べた方が血糖値が上がりにくい!一方、昼食後に“補食”としておやつを食べるなどして、食事回数を増やすと、血糖値の上昇が緩やかになる。
「1日の総摂取量が同じ場合、1日1回や2回などの少ない食事回数よりも、6回以上に分けて食べるほうが血糖値が上がりにくく、急激なインスリン分泌が起こらないため太りにくいというデータもあります」関東労災病院の研究チームが行った実験でも、こんな結果が出た。
昼食から8~9時間後に何も食べずに夕食を取ったAグループと、夕食の2時間前に間食を取ったBグループでは、Bグループのほうが夕食後の血糖値の上昇が緩やかになったのだ。
ダイエット中だからと、朝食を抜いたり、昼食から夕食までの間、何も食べずに過ごしたりするのは逆効果だったというわけだ。
ただし、おやつを摂る場合、次の4つのルールを守るべきだという。
ルール1:おやつを食べたら夕食は減らす夕食はほどほどに!?(写真/アフロ)「おやつを食べることで、一日の総カロリー量が減っていることが鉄則です。
例えば、通常一日に1800kcal分を食べている人の場合、おやつを食べることで2000kcalに増えてしまっては意味がありません」食後のデザートやおやつも食べて、夕食もいつも通りの量を食べるのはご法度だ。
ルール2:おやつは、昼食と夕食の間の“空腹時”に小腹が減ったらおやつを(写真/アフロ)「おやつは“小腹を満たすため”という感覚で摂ってほしい。
例えば、13時に昼食を食べ終え、夕食が19時以降になる場合、16時頃に少しお腹が空きますよね。
その間に“つなぎ”として食べることで、夕食の食べ過ぎを防ぐんです。
夕食が遅い人ほどおやつは有効ですね」目安としては、食後2時間以上空けてからおやつを摂るのが望ましい。
「食後のデザート」や「おやつは別腹」という概念は今すぐ捨てよう。
ルール3:おやつの量は“手のひら1杯分”食べる時は量を考えて(/アフロ)おやつはあくまでも「小腹を満たす」ため。
「腹10分目まで食べないように、量はせいぜい“手のひらに収まるくらいの量”にしましょう。
例えばシリアルバーなら1本まで、シュークリームなら1つまで。
手のひらに重ねてはダメですよ(笑い)」ルール4:低カロリー・低糖質であることそして4つめのルールに、「おやつの質」がある。
「今はパッケージの表に『糖質○%オフ』『低カロリー』と数字も出して謳っている商品が増えていますが、必ず裏面の栄養成分表示も見て、カロリーや糖質が少ないおやつを選びましょう」以上の4つのルールを厳守すれば、ダイエット中でも罪悪感なくおやつを食べられる。
くれぐれも食べ過ぎにはご注意を。
ただし、おやつなら何を食べてもいいわけではない。
浜野さんによると、食べてもいい「OKおやつ」と、食べると太りやすくなる「NGおやつ」があるという。
ダイエット中におすすめのおやつの条件は?おやつダイエットには条件がある(写真/アフロ)浜野さんに、ダイエット中に食べていいおやつの条件を挙げてもらった。
・腹持ちがいい・ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富・カロリー、糖質、脂質は少なめ・噛む回数が多いこの中でも特に重要なのが、カロリーと糖質量だという。
「おやつを食べることで1日に摂取する総カロリー数が増えるのはナンセンス。
また、糖質量が多いほど食後の血糖値は急上昇します。
血糖値は一度急上昇すると、その後急降下して空腹感が大きくなり、ドカ食いに…というパターンに」同じカロリーなら、ぜひ糖質の少ないものを。
商品パッケージの裏面にある「栄養成分表示」の数字は要チェックだ。
中でも、浜野さんが太鼓判を押すOKおやつとは?