ホットミルクが冷たい牛乳よりダイエットに有効な理由とは?
牛乳に骨を丈夫にするカルシウムが豊富なのは知っていても、乳製品で太りそうなイメージが先行して遠ざかっている人もいるのでは? そんな牛乳を温めたホットミルクに、高いダイエット効果が期待できるという。
どういうことなのか管理栄養士の菊池真由子さんに聞いた。
なぜ痩せる?熟睡するほど脂肪が燃える!?写真/ゲッティイメージズ「“ホットミルクを飲めば痩せる”ということではなく、“ホットミルクを飲んで熟睡することで痩せる”というのが正解」(以下・菊池さん)では、ホットミルクでなぜ熟睡できるのか? そして、熟睡するだけでなぜ痩せるのか?「牛乳に含まれるトリプトファンは安眠を促すメラトニンの材料になる成分です。
しかも、突出して牛乳に多い成分なので、寝る前に飲めば深い眠りを得やすい。
また、熟睡で痩せるのは、眠っている間に脂肪を分解する成長ホルモンが分泌されるため。
成長ホルモンは代謝をよくし、脂肪燃焼を促す働きを持つ。
成長ホルモンは成長期にしか分泌されないと思っている人も多いのですが、成長期をすぎても分泌されます」成長ホルモンは成長期をすぎれば分泌量は減るが、いくつになっても分泌される。
しかも、熟睡するほど分泌量は多くなるという。
「コロンビア大学の研究によれば、睡眠時間が7~9時間の人に比べ、5時間で50%、4時間以下では73%も肥満率が高くなるという結果に。
深い睡眠がとれるほど、寝ている間にどんどん脂肪が燃えるということは言えます」「低脂肪牛乳」のように加工が施されたものよりも、一般的な牛乳の方がトリプトファンは豊富だ。
また、同じ乳製品でも豆乳にはトリプトファンの量が少ないので、牛乳の代わりにはならないという。
「もちろん、カルシウムを補給し続ければ健康な骨も維持できます。
特に、ダイエット中はカルシウムが不足によって骨が細りやすくなるので、骨のサポーターとしてもホットミルクはベストです」ストレスは過食より安眠で抑える写真/ゲッティイメージズさらに、トリプトファンが導く痩せ効果は他にもある。
「トリプトファンはセロトニンの材料になります。
セロトニンは脳内幸福物質とも言われ、ストレスがかかったときに負担を減らしてくれる緩和物質です。
実は、ストレスも太る原因の1つ。
理由は解消法を食べることに向けてしまうため。
実際に、私のダイエット指導を受けている人にも、ストレスでドカ食い、やけ酒に走る人は少なくありません。
ストレスを解消するためにドカ食いしても根本の問題解決にはなりません。
かえって、ムダに食べる量が増えるだけ。
それよりは、ホットミルクを飲んでぐっすり眠ることがストレス解消の近道です。
眠っている間にストレスを緩和してくれます」つまり、ストレスが解消できればムダな食欲もおさまり自然に痩せていく。
“温かい牛乳”が体をリラックスさせる写真/ゲッティイメージズトリプトファンがダイエットに効果があるということはわかったが、牛乳に含まれているのなら冷たい牛乳でもよいのでは?「冷たい飲み物は、自律神経を刺激して全身を緊張させこわばらせてしまいます。
かえって興奮モードになり安眠しづらくなる。
温かいことがポイント。
温かい飲み物を飲めば、体の内側から温まって筋肉の緊張もやわらぎ脈もゆるやかに。
自然に休眠モードへ。
良質な睡眠は心身の疲労を軽減してくれます」熱々ではなくコップを持てる程度が適温。
電子レンジで温める場合は600Wで約1分30秒程度がおすすめだ。
ちなみに、適量はコップ1杯程度(200~250ml)。
脂肪を燃焼するとはいえ、乳製品なので飲みすぎればカロリーオーバーになるので要注意。
アレンジするならはちみつやココアを写真/アフロところで、中には温めた牛乳のにおいや味が苦手な人もいるが…。
「においを消すには香ばしいココアがおすすめ。
ただし、ココアには砂糖がはいっているので糖分も一緒に摂ることになります。
入れすぎには注意を。
また、完全なにおい消しにはなりませんが、はちみつを入れるのも手。
人によっては、はちみつの甘みで飲みやすくなったり、においが気にならなくなる場合もあります。
さらに、はちみつに含まれるオリゴ糖は腸内の善玉菌のえさになるので、腸内環境の改善にも有効です。
便秘しがちな人には特におすすめ。
入れる目安はコップ1杯に小さじ1~2杯。
一方、きなこ、ナッツやごまのパウダーは余計なカロリーを摂ってしまうのでNG」寒くなる季節。
ホットミルクを飲んでほっこり体があったまって寝るだけで、勝手に脂肪が燃えてくれる。
こんなに簡単ダイエットがあるなんて、やらない手はないかも!教えてくれたのは:管理栄養士・菊池真由子さん管理栄養士。
健康運動指導士。
NR・サプリメントアドバイザー。
日本オンラインカウンセリング協会認定上級オンラインカウンセラー。
大阪大学健康体育部(現・保健センター)、阪神タイガース、国立循環器病センター集団検診部(現・予防検診部)を経て、厚生労働省認定健康増進施設などで栄養アドバイザーを務める。
ダイエットや生活習慣病の予防対策など、のべ1万人の栄養指導に携わる。
その活動の集大成として刊行した、『食べても食べても太らない法』(三笠書房)が10万部超え、『図解食べても食べても太らない法』(三笠書房)が17万部超えのベストセラーに。
また、『食べれば食べるほど若くなる法』(三笠書房)が7万部を超え、8月に最新作『図解食べれば食べるほど若くなる法』(三笠書房)が発刊。
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