落とした脂肪は合計20トンの『岸村式』考案者が指南!痩せる2大メソッド
これまで2000人以上のダイエット指導を成功させた“伝説のダイエット・アドバイザー”として、『林修の今でしょ!講座』(テレビ朝日系)『あさイチ』(NHK)『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)などテレビ番組にも多数出演している岸村康代さん。
自身も食いしん坊で意志が弱く、ダイエットが続かない典型で、15年間、あらゆるダイエットに取り組んでは失敗とリバウンドを重ねてきた。
そして考案したのが、我慢や無理をせず痩せるルール『岸村式ダイエット』。
このメソッドで、40代になってもおいしいものを食べながら体重をキープできているという。
『岸村式ダイエット』を考案。
ダイエット・アドバイザーの岸村康代さんそのルールを紹介した新刊『落とした脂肪は合計10トン!伝説のダイエット・アドバイザーが教える 最強のやせ方』(東洋経済新報社)から、挫折せず、しかもお腹いっぱい食べて痩せる方法について教えてもらった。
「ダイエット失敗の原因となる我慢や無理をせず、自然にスルスル痩せるその方法は、『体が欲する食べ方』に戻すこと。
生まれ持った本来の正しい状態に戻す=リセットするのが正しい痩せ方。
それさえできれば、太らない体質を作ることができます」(岸村さん、以下「」内同)痩せるために“しっかり食べる”ダイエットというと、食べる量を減らしたりゼロカロリーのものを食べたりしがちだが、それは誤解だという。
岸村式では、しっかり食べることを推奨している。
「ただ単にカロリーだけを気にするのはNG。
食べないことは、科学的にも太る原因。
一時的に痩せても、すぐに元に戻ってしまいます。
飢餓状態になって、次の食べものが入ってきたタイミングでよりしっかりと吸収しようとし、消費しにくく蓄えやすい地盤を作ってしまうからです」実は、食事によるエネルギー代謝「食事誘発性熱産生」は、1日の消費エネルギーの10%にものぼる。
1日の消費エネルギーが2000kcalとすると、約200kcalがこの「食事誘発性熱産生」ということになる。
特にたんぱく質は、消化・吸収に糖質の5倍ほどの熱を生み出すとされ、朝の食事でより高くなるという。
「食べたものをエネルギーにするには栄養が大事で、糖質・脂質・たんぱく質の三大栄養素に加え、ビタミン、ミネラル、食物繊維をバランス良く摂ることが、正しい食事への第一歩です。
特に現代人は、エネルギーはしっかり摂れていても栄養が不足していることが多いので、食べたものをエネルギーとして回していけず、代謝が悪く痩せにくい体になってしまいます。
逆にバランスよく食べれば、量を増やしても太らないのです。
特にたんぱく質と食物繊維を意識して摂ることが大事で、たんぱく質が不足すると筋肉が落ちて代謝が悪くなってしまいます。
たんぱく質、食物繊維が豊富なものにはビタミンやミネラルが豊富なものが多いので、不足すると食事の満足感も得にくくなってしまいます」「食欲スイッチオフ」と「リセットごはん」の基本写真/アフロ『岸村式ダイエット』の2大柱となるのが、「食欲スイッチオフ」と「リセットごはん」。
「食べ始めると止まらない、満腹なのにまだ何か食べたい、食事のあとにデザートを食べないと気が済まない…などは、“食欲スイッチがオンの状態”です。
この食欲スイッチをオフにすることで、つらさを感じずダイエットすることができます。
そして『リセットごはん』は、食べ過ぎてしまったときのレスキュー措置であり、好きなものを食べたいときの、とっておきの方法です。
食べ過ぎたとき、体重が少し増えたとき、代謝や体に必要な栄養を含む食事をしっかり食べて、余分なものは便としてしっかり排出する『リセットごはん』ですぐに元の状態に戻します」岸村さんが数々の失敗を経てわかったことは、食欲をコントロールできない原因は意志の弱さではなく、食べ方・食べ物の選び方の問題であること。
「空腹感は、主に『血糖値』が決めています」と岸村さん。
食事を始めると、すぐに消化吸収が始まり、食べ物に含まれる糖質がブドウ糖に分解されて血中に流れ出る。
この血中のブドウ糖の濃度=血糖値が上がるとそのサインが脳に届き、「お腹いっぱい」になる。
そして、インスリンというホルモンが分泌されブドウ糖を取り込むことで、今度は血糖値が下がって「お腹がすいた」モードになる。
「空腹時にごはんやパン、お菓子などの糖質をいきなり食べると、血糖値が急上昇します。
インスリンもたくさん出て、一気に血糖値が下がるので膵臓や血管に負担をかけ、ダイエットにも悪影響を及ぼします。
インスリンは余った糖を脂肪に変える働きもするので、大量にインスリンが分泌されれば、その分太りやすくなる。
さらに、血糖値が急激に下がると、下がった分だけ食欲がわいて『食欲スイッチオン』状態に。
糖質の多いものを食べれば食べるほど、食欲がわいて太るスパイラルに陥ってしまう。
血糖値を緩やかに上昇させる食べ方をすれば、下降も緩やかになり食欲も抑えられるのです」食べ物を選べば、3食しっかり食べて間食もOK写真/アフロ清涼飲料水やお菓子、栄養補助食品、ドレッシングやポン酢にも使用されている「果糖ブドウ糖液糖」や精製された糖分は、血糖値が急上昇しやすくなるので摂りすぎないこと。
一方で、OKな糖もある。
たとえば糖質が多いかぼちゃも、ごはんを控え、お菓子代わりに食べることで、甘いものへの過剰な欲求を減らすので○。
食物繊維やビタミンも豊富な野菜や果物などの糖質は、適度に食べてもよい。
最近の研究では、「でんぷん」などの糖質は腸内環境に大切なこともわかってきており、ゼロにせず上手に少量だけ摂ることが大切。
血糖値の上昇を招く「単体」での摂取を避け、食物繊維の多い食事の後に少量味わって食べたり、豆乳などたんぱく質の含まれたものや、食物繊維・ビタミンと一緒に摂るなどすると、上手に「食欲スイッチ」をオフに。
「甘いものを摂る時間にも注意を。
夜は食後に頭や体を使わないため、糖質がエネルギーとして使われず、脂肪として蓄えられてしまいます。
食事エネルギー代謝も落ちる時間帯なので、甘いものを食べるなら必ず昼間に食べましょう」それでは実際に、岸村式の2大柱、「食欲スイッチオフ」と「リセットごはん」について見ていこう。
まずは、「食欲スイッチオフ」のポイントから。
スイーツや揚げ物、ラーメンも岸村式なら食べてOK!本当に食べたいものは、完全にやめてストレスを溜めるのではなく、上手に組み込むのがコツ。
「毎日の習慣」から「ごほうび」へ位置づけを変えて、「昼間に食べる」のがポイント。
「ダイエットの継続には、“ゆるさ”も必要。
ごほうびとして上質なものを少量食べて、贅沢な満足感を得るのはおすすめです。
食べたいけど高カロリーな食事はランチに持ってくるのがポイント。
昼間の時間帯なら、体も動かしてカロリーも消費できます。
食べたい物を食べられるからストレスも少なく、夜に空腹を感じても、明日の昼にたっぷり食べられると思うと、つらさも減ります」血糖値の上がり方を左右する「一口目」はベジファーストで写真/アフロ「その時に大切なのが食べ方。
一口目は、血糖値の上昇を緩やかに調整してくれる野菜や海藻、きのこ類など、食物繊維の多い食べ物から食べましょう。
ラーメンなら具だくさんにして野菜やメンマから食べる、といったかたちです。
一緒に水分もしっかり摂ると、胃の中で膨らんでさらに満腹感を得やすくなり、便秘も回避できます。
温かい水分を摂ると満腹感を得やすく、代謝もよくなるのでおすすめです。
メニューに野菜がないときは、豆乳やヨーグルト、牛乳、スープや、魚、肉、卵、大豆製品などのたんぱく質食品から食べて」お腹がすいたら水を飲んで「食欲を見極め」空腹感には、ニセモノと本物があると岸村さん。
脳が食べたいと感じている状態“ニセモノの空腹感”にだまされやすいのは、脳がエネルギーや栄養が足りないと訴えているから。
ここで間食をするとカロリーオーバーに陥ってしまう。
「見極める方法は、お水をコップ1杯飲んでみて、そこで空腹が収まったらニセモノ。
本物の空腹は、水を飲むぐらいでは収まりません。
脳の食欲中枢が働いて満腹サインが出るまでには、食べ始めて20分ほどかかるため、お腹がすいているからと猛スピードで食べ始めると、満腹になっていることに気づかず食べ過ぎてしまいます。
よく噛んでゆっくり食べることが大切です。
もし“ニセの食欲”が暴走しそうになったら一旦箸を置き、お茶やみそ汁、コンソメスープなど温かい飲み物を飲んで小休止すると、自然と食欲が収まります。
それでもお腹がすいているなら、本物の食欲なので再び食べ始めてもOK。
食事を温かい飲み物で締めると満足感を得やすく、食べすぎ防止にも」ダラダラ食いや間食は「しっかり食べて」防止を。
痩せたいときに意識して食べるべきは、先にも述べたとおり食物繊維とたんぱく質。
野菜、海藻、きのこ類、穀物や雑穀、肉や魚、卵、大豆製品をしっかり食べることで満腹感が得られ、余計なものを口にしなくなる。
「食べる量の目安は、1食あたり肉や魚なら手のひら部分程度、卵なら1~2個、納豆なら1~2パック、豆乳ならコップ1~2杯。
ただし、脂身の多い肉やベーコンなどは避けて」空腹にストップをかける「魔法のスープ」岸村式ダイエットでは、お腹がすいたら上手に間食することをすすめている。
ここでも、何を食べるかがダイエットの成否の大事な分かれ道。
岸村さんおすすめのとっておきレスキューフードは、魔法の『豆乳めんつゆスープ』で、作り方は、豆乳に市販のめんつゆ(濃縮タイプ)をお好みの割合で混ぜるだけ。
「このスープのすごさは、コップ1杯飲めばピタリと空腹が収まること。
その上、血中脂質の改善効果や血糖値の上昇を抑えてくれる大豆たんぱく、食欲を抑えたり抗肥満作用があるかつおだしの『ヒスチジン』など、ダイエット効果バツグンの成分も含まれている最強のダイエットフードです。
とりあえず飲んでみると“もうこれでいいかな”と思え、地味ながらその威力はすごいです」間食の時間は「午後4時」がポイント写真/アフロ朝・昼の食事量を頑張って減らしたものの、その反動で夕飯や夜食に歯止めがきかなくなり、ドカ食いをしてしまう相談者は多いという。
「お腹がすきすぎた状態で夕食に臨むから、『食欲スイッチ』がオンになってしまうんです。
そこでおすすめしたいのが、午後4時のおやつ。
夕食までの3時から6時ごろの間にお腹に少し入れておき、夜のドカ食いを減らしましょう」おやつには、甘栗、くるみなどのナッツ、スルメ、魚肉ソーセージ、ミニトマト、ヨーグルトなど、血糖値を上げすぎない食物繊維やたんぱく質が多く含まれたものがおすすめ。
ただし、糖質を単体で摂らないように注意を!ダイエット中だからと、食事回数を減らすのもNG。
実は、同じ量であれば回数を分けるほど、痩せる効果は高まるという。
逆に食事の回数を減らすと、食事を抜いた空腹感から食べすぎたり、抜いた次の食事で血糖値が上昇しやすく、脂肪を溜め込みやすくなってしまう。
「動物試験でも、1日2回の食事では太りやすく、とくに夜に比重が大きいと太りやすいことがわかっています。
食事誘発性熱産生は、1日の消費エネルギーの10%を占めていることもあり、欠食はしないほうがいいです。
食事回数は減らさず、1食の量とバランスに気をつけましょう。
特に朝食を抜いたり、食事回数を減らすと脳の働きも衰え、学生の学業成績が下がるという研究もあります」「リセットごはん」のやり方続いて、つい食べ過ぎてしまったときに活用できる「リセットごはん」をご紹介。
高カロリーで脂質や糖質の多い食品を摂るときには、食べ合わせや食べ方で吸収がかなり違ってくるため、ダメージを最小限に抑える工夫を。
リセットするためにも、「栄養のあるものをきちんと食べる」ことが重要で、糖質や脂質を少し減らした分を豆腐や千切りキャベツなど、カロリーが低いものに「置き換える」のがコツ。
1日3食「手のひらいっぱいの野菜」を食べる写真/アフロ「リセットごはん」の主役は、食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富で代謝を高めてくれる野菜。
野菜をたっぷり摂ると満腹感を得やすく、血糖値の上昇を防いで無駄な食欲を鎮めてくれる。
量の目安は、朝昼晩に「手のひらいっぱい」ずつ。
生野菜なら、両手のひらいっぱいを目安に。
ごはんの量を半分程度にしながら、たっぷりの野菜、肉、魚、卵などのたんぱく質食品もある程度取り入れると、ぐっと痩せやすくなる。
目安は野菜2:たんぱく質食品1:ごはんなどの糖質食品1~0.5程度の割合をイメージ。
余分な脂肪やコレステロールを吸着して排出、腸内環境を整えて便通をよくしたり痩せやすい体質にしてくれる食物繊維は、「リセットごはん」に欠かせない。
満腹感も出やすく、次の食事の血糖値上昇の抑制効果も報告されている。
食べ過ぎた翌日こそしっかり食べる!リセットは翌日、翌々日までに!「実は食べ過ぎた翌日こそ、しっかり食べてほしい」と岸村さん。
食べないと体は飢餓状態になり、次の食事を必要以上に吸収してしまうため。
糖質やたんぱく質食品の2~3倍を目安に食物繊維のたっぷり含まれた野菜をしっかり食べ、食物繊維の力で脂肪となりうる余分なものを排出しよう。
この「食べ合わせワザ」を活用して、即リセットを。
「食べ過ぎたと思ったその場か、それが難しければ翌日、翌々日には、野菜のシャワーを浴びるように食べて速攻リセットして、食べたものが脂肪になる前に手を打ちましょう。
夜の飲み会、会食の前に、ランチを前倒しリセットごはんにするのもいいですね。
野菜のシャワーを浴びるような習慣ができると、自然と満腹感を感じたり本来の食欲に戻り、結果的に自然と食べる量が少なくなったりします。
そのうえ、排出を助ける栄養素をたっぷりと補えるので、野菜のシャワーを浴びるように食べる日を作ることはとても大切なのです」糖質を摂り過ぎてしまったときにも、「糖質リセットフード」を活用してリセットしよう。
『落とした脂肪は合計10トン!伝説のダイエット・アドバイザーが教える 最強のやせ方』より「糖質は摂りすぎると脂肪に作り替えられ、体が溜め込んでしまう性質があるので、早めのリセットが肝心。
糖質リセットには、吸収を緩やかにして代謝を促進してくれる食物繊維、糖質の代謝を助けるビタミンB1、亜鉛、たんぱく質などを多く含み、さらに血糖値上昇を防ぐ効果のある食品が最適です。
オクラやモロヘイヤ、納豆、海藻などの水溶性食物繊維を先に食べておくことで、後から入ってくる食べ物が、胃から小腸へ進むのを遅らせてくれます。
また、ごぼうやおから、きのこ類に含まれる不溶性食物繊維は、余分なものを早く便として排出する働きが強く、体に溜め込まないために必須の成分です。
この2種類をぜひ活用しましょう」脂質をリセットしてくれる、脂質リセットフードは以下のとおり。
『落とした脂肪は合計10トン!伝説のダイエット・アドバイザーが教える 最強のやせ方』より「現代人は、バターやバラ肉、ウインナー、ベーコン、鶏皮などに多く含まれる飽和脂肪酸を摂取しすぎている一方、青魚などに含まれる飽和脂肪酸は不足しがちです。
中でも体の中で作り出すことができない必須脂肪酸、『オメガ6脂肪酸』、『α-リノレン酸』や『DHA・EPA』などの『オメガ3脂肪酸』は、ほかの脂質に比べて体脂肪になりにくいこともわかってきているので、脂質のバランスを考えることも大切です」デザートは栄養豊富なりんごで”その場リセット”「りんごには食物繊維やポリフェノールが含まれ、噛みごたえがあって満腹感を得やすいので、食後のデザートとして食べると効果的です。
リセットでき、食欲も収まるため、食事だけでは物足りないときや甘いものが食べたいときにおすすめです。
また、緑茶に含まれるカテキンは、食べた直後の脂質の排出を助けてくれるのでダイエットにもおすすめ。
食後は緑茶を飲んで、脂肪の排出を助けてリセットしましょう。
テアニンには、ストレス軽減効果やリラックス効果があるので、ダイエット中の精神安定やイライラ対策にもなります」正しい食べ方、選び方をマスターして、リバウンドしにくい“痩せ体質”をゲットしよう!著者:岸村康代きしむら・やすよ。
フードプランナー。
管理栄養士。
一般社団法人大人のダイエット研究所代表理事。
大妻女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業後、商品開発、病院での指導などを経て独立。
日本野菜ソムリエ協会ビューティーフードプログラムの監修をつとめる。
メタボ指導の現場で10kg~20kg減。
健康的なダイエットをサポートしてきた経験や野菜ソムリエ上級プロの資格も活かし、商品開発、講演など多方面で活動中。
落とした脂肪は合計10トン!伝説のダイエット・アドバイザーが教える最強のやせ方●3週間で-10kgも!【おからパウダー活用法】話題のおからコーヒーダイエットからヘルシーレシピまで●ダイエットの心強い味方「おから」を使った【痩せレシピ】5選●【医師が解説】リバウンドなし!「パレオダイエット」の痩せるメカニズム●【名医が愛するコンビニ飯】腸内環境を整える「もち麦」おにぎり、美肌に◎なナッツなどオススメ5品●“月曜断食”中のオバ記者、『幸楽苑』ラーメンの1年間無料パスを月曜日にもらって苦悩