甘酒は日本人のソウルドリンク?「飲む点滴」甘酒の歴史と栄養素

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とろっとしたコクがあって、ほんのり甘い甘酒。

子どもの頃に「酒」という言葉にドキドキしながら、熱い甘酒をフーフー冷ましながら飲んだ、そんな記憶がよみがえります。

初詣などで、振る舞われた甘酒で暖を取ったことのある方も多いのではないでしょうか?皆さんの心の中に温かい思い出として残る甘酒も、近年健康や美容によいと注目を集めるようになってきています。

そんな皆さんにおなじみの甘酒について、その歴史や健康によいと言われる理由・栄養素について調べてみました。

そもそも甘酒とは?目次1そもそも甘酒とは?2甘酒の種類2.1米と米麹2.2酒粕3甘酒の歴史3.1日本の歴史書「日本書紀」3.2万葉集3.3養老律令と延喜式3.4江戸時代4飲む点滴?甘酒の栄養成分4.1飲む点滴って本当?5甘酒を広げるとりくみ6甘酒は日本人のソウルドリンク?「飲む点滴」甘酒の歴史と栄養素のまとめ広辞苑で「甘酒」を引くと米の飯と米麹(こうじ)とを混ぜて醸(かも)した甘い飲料。

古くは、夏の飲み物であった。

ひとよざけ。

こさけ。

醴酒(れいしゅ)。

また、酒粕を溶かし甘味をつけた飲料。

とあります。

甘酒にはその作り方で2種類あるんですね。

私のイメージする甘酒は酒粕を溶いてつくる方ですが、皆さんはいかがでしょうか?また、「古くは夏の飲み物であった」とのこと、意外な歴史が隠されていそうです。

甘酒の種類広辞苑でもお分かりのように、甘酒は原料によって2つの種類に分けられます。

米と米麹50℃から60℃に保温したお粥に米麹を混ぜて一晩置くだけで、甘酒が出来上がります。

甘酒は「ひとよざけ」と呼ばれることもありますが、これはこの作り方に由来しているんですね。

温度調整が難しそうですが、自動で温度調整してくれる甘酒メーカーも販売されています。

プラス糀 甘酒メーカー糀美人https://www.marukome.co.jp/product/detail/koji_045/甘酒の独特の甘みは、米麹に含まれる酵素(アミラーゼ)によって、お粥のデンプンが糖化されることによって生まれます。

アミラーゼ?糖化?聞きなれない言葉が出てきましたが、ご飯をモグモグ噛んでいるとほんのりと甘みを感じませんか?これも甘酒ができる原理と同じなのです。

噛んでいるうちにご飯が甘くなるのは、唾液に含まれる酵素(アミラーゼ)によって、ご飯のデンプンの糖化が起こるからなのです。

そう考えると、私たちは毎日のように甘酒を食べている(?)と言えそうです。

ちなみに、この唾液(アミラーゼ)の働きを活用して作られるお酒「口噛み酒」は、2016年に大ヒットした映画「君の名は。

」にも出てきました。

印象的なシーンだったので、覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?酒粕米に米麹、酵母を混ぜ、米麹のアミラーゼによるデンプンの糖化によって生じた糖質を、酵母がエネルギーとして「アルコール」と「炭酸ガス」に分解することによって「もろみ」が出来上がります。

よく、蔵元の仕込み桶からぷくぷく泡が出ているのを映像で見ることがありますが、あの泡はこの際に発生する炭酸ガスなのです。

その「もろみ」を、清酒を醸造する際の「圧搾」と呼ばれる行程で搾った後の「搾りかす」が酒粕です。

この酒粕をお湯で溶かして、砂糖などで甘みを調整して作る飲み物も甘酒と呼ばれます。

時間をおかずにすぐに飲めるのはありがたいです。

ただ、この製法で作る甘酒を載せていない辞書もあるので、甘酒としては非主流派かもしれないですね。

甘酒の歴史甘酒には①米・米麹を原料にするもの、②酒粕を原料にするものの2種類ありますが、どちらも「米」が欠かせません。

日本人の主食はお米、そして、太古の時代から脈々と続く稲作文化があります。

そう考えると、甘酒の起源は大昔までさかのぼれるかもしれません。

日本の歴史書「日本書紀」神話の時代からの日本の歴史を綴った書物に「古事記」と「日本書記」があります。

その日本書紀には木花咲耶姫(このはなのさくやひめ)(神吾田鹿葦津姫(かむあたかあしつひめ))が天甜酒(あまのたむざけ)を「醸しみて嘗す」との描写があります。

「甜」という文字、そう、砂糖の原料「甜菜」(サトウダイコン)の「甜」です。

この文字が使われていることからも、天甜酒には甘みがあったことがうかがえます。

そう考えると、この天甜酒は米・米麹で作る甘酒のイメージに近いかもしれません。

ちなみに、この木花咲耶姫は宮崎県西都市にある都萬神社(つまじんじゃ)の祭神として祀られていますが、この神社には”日本酒発祥の地”の碑が境内にあるんですよ!都萬神社https://tsumajinja.webnode.jp/万葉集万葉集にある山上憶良「貧窮問答歌」の一節をご紹介します。

風雑り雨降る夜の 雨雑り雪降る夜は 術もなく 寒くしあれば 堅塩を 取りつづしろひ 糟湯酒 うち啜ろひて 咳かひ 鼻びしびしにこの「糟湯酒」は文字通り、酒のカス(糟)をお湯で溶かしたものです。

酒粕を使って作る甘酒のルーツと言えそうです。

興味深いのは「堅塩」の言葉です。

生粋の酒飲みは塩をつまみに飲むと言いますが、この飲み方も古く奈良時代からあったんですね!養老律令と延喜式奈良時代には中国の政治を倣って律令制度が導入されます。

大宝律令を歴史の授業で習った記憶がある方もいらっしゃるかもしれません。

この大宝律令を受け継いだ「養老律令」で造酒司(みきのつかさ・さけのつかさ)という役所が設けられました。

造酒司は文字通りお酒造りを司る役所で、他にも酢の醸造などにも携わっていたのです。

そして、養老律令の施行令ともいうべき延喜式には酒造りの方法がこと細かに記載されいて、その中には醴(こさけ)の作り方も載っていました。

「こさけ」は広辞苑にも載っていましたね。

こさけの原料は米・麹・酒で、「甘い酒」「一夜で出来る」とも書かれています。

原料もほぼ同じで、味覚といい出来上がる時間といい、現在の甘酒に共通する点がありますね。

江戸時代江戸時代の庶民の暮らしぶりがわかる書物に、守貞謾稿(もりさだまんこう)があります。

守貞謾稿は江戸・京都・大坂の暮らしぶりについて書かれているのですが、この中に「醴賣り(甘酒売り)」の記述があるのです。

これによると、もともとは冬の寒い時期に売られていたものが、いつしか夏に、そして年中飲まれるようになったという移り変わりが書かれています。

守貞謾稿 ~国立国会図書館デジタルコレクション~http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1444386/104甘酒の季語は意外にも「夏」ですが、なぜ、俳句の季語になるほど夏に好んで飲まれるようになったのでしょうか?飲む点滴?甘酒の栄養成分寒い冬の夜に暖を取る、そのような甘酒が夏に好んで飲まれるようになったのはなぜなのでしょう?それは、甘酒が夏バテ予防、暑気払いによいと庶民の間に広まったからなのです。

それでは、米と米麹で作る甘酒と酒粕の栄養成分を見てみましょう。

米麹甘酒酒粕成分名単位値廃棄率%00エネルギーkcal81227kJ339950水分g79.751.1たんぱく質g1.714.9アミノ酸組成によるたんぱく質g–(14.2)脂質g0.11.5トリアシルグリセロール当量g––炭水化物g18.323.8灰分g0.20.5無機質ナトリウムmg605カリウムmg1428カルシウムmg38マグネシウムmg59リンmg218鉄mg0.10.8亜鉛mg0.32.3銅mg0.050.39マンガンmg0.17–ヨウ素μg––セレンμg––クロムμg––モリブデンμg––ビタミンAレチノールμg00カロテンαμg––βμg––β−クリプトキサンチンμg––β−カロテン当量μg00レチノール活性当量μg00Dμg00EトコフェロールαmgTr0βmg00γmg00δmg00Kμg00B1mg0.010.03B2mg0.030.26ナイアシンmg0.22.0ナイアシン当量mg0.50(5.30)B6mg0.020.94B12μg–0葉酸μg8170パントテン酸mg00.48ビオチンμg––Cmg00脂肪酸飽和g––一価不飽和g––多価不飽和g––コレステロールmg00単糖当量g––食物繊維水溶性g0.10不溶性g0.35.2総量g0.45.2食塩相当量g0.20.0アルコールg–8.2重量変化率%––参照 文部科学省 食品成分データベースhttps://fooddb.mext.go.jp/それぞれ、ビタミンB郡や葉酸、ミネラルなど幅広く含まれているのがわかります。

酒粕には食物繊維が多く含まれ、またカロリーも高めです。

なるほど、江戸時代に夏の季語になるほど親しまれるようになった理由はその栄養成分にあったようです。

この甘酒の効能を江戸時代の人は知っていたんですね。

飲む点滴って本当?ところで、甘酒のことを「飲む点滴」ということがありますが、果たしてどうなのでしょう?比較結果を明らかにした資料が見当たらないので、独自に検証してみました。

点滴にもいろんな種類にもありますが、テルモのフルカリック1号輸液の組成と比較してみます。

この輸液は大室・中室・小室とを投与時に混合するキットタイプですが、混合後の成分は以下のようになります。

成分\容量フルカリック1号輸液米麹甘酒酒粕903mL中g換算100ml(≒100g)当たり100g当り100g当り糖ブドウ糖120g13.33g18.3g23.8g糖濃度13.29%電解質Na+ナトリウム50mEq1150mg127.78mg60mg5mgK+カリウム30mEq1173mg130.33mg14mg28mgMg2+マグネシウム10mEq120mg13.33mg5mg9mgCa2+カルシウム8.5mEq170mg18.89mg3mg8mgCl–クロール(塩素)49mEq1739.5mg193.28mgAcetate–酢酸塩11.9mEq–L-Lactate–ラクテート30mEq–Gluconate–グルコン酸8.5mEq–Pリン250mg250mg27.78mg21mg8mgZn亜鉛20μmol1.308mg0.15mg0.3mg2.3mgビタミンチアミン塩化物塩酸塩ビタミンB11.5mg0.17mg0.01mg0.03mgリボフラビンリン酸エステルナトリウムビタミンB22.54mg0.28mg0.03mg0.26mgピリドキシン塩酸塩ビタミンB62mg0.22mg0.02mg0.94mgシアノコバラミンビタミンB125μg0.56㎍ニコチン酸アミドナイアシン20mg2.22mg0.02mg0.94mgパンテノールパンテトン酸(ビタミンB5)7.02mg0.78mg00.48mg葉酸0.2mg0.02mg8㎍170㎍ビオチンビタミンB70.05mg0.01mgアスコルビン酸ビタミンC50mg5.56mgレチノールパルミチン酸エステルビタミンA1650IU0.54mg0.06mgエルゴカルシフェロールビタミンD5μg0.56㎍トコフェロール酢酸エステルビタミンE7.5mg0.83mgフィトナジオンビタミンK11mg0.11mgアミノ酸総遊離アミノ酸20g2.22g総窒素3.12g0.35g必須アミノ酸/非必須アミノ酸1.33分岐鎖アミノ酸/総遊離アミノ酸31.0w/w%総熱量560kcal81kcal227kcal非蛋白熱量480kcal非蛋白熱量/窒素154医療用医薬品:フルカリック 1号輸液(903ml)より抜粋・加筆https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med_product?id=00061130-004#00061130-001栄養成分表と輸液の組成表、単純に比較するのは難しいですが、該当する成分を並べてみると、確かに似たような感じになりますね?甘酒を飲む点滴と表現するのは決して誇張ではない、そういうことができそうです。

栄養成分に恵まれた甘酒を飲まずにおくのはもったいないですね。

甘酒を広げるとりくみ日本古来の健康・栄養ドリンクの甘酒をもっと広めよう!と知恵を絞っているメーカーもあります。

森永や月桂冠などのメーカーは、米麹と酒粕のそれぞれの良いところを合わせた甘酒を作ってます。

森永製菓株式会社の甘酒https://www.morinaga.co.jp/amazake/月桂冠株式会社の甘酒http://www.gekkeikan.co.jp/products/type13/amazake/また、フルーツ甘酒を作り出した中埜酒造など、これからもどんどん甘酒の注目度は上がっていきそうです。

中埜酒造株式会社の甘酒https://www.nakanoshuzou.jp/amazake/さらに、酒粕自体を上手に料理に取りいれてもらおうと、酒粕を使ったレシピを紹介するサイトも数多くあります。

日本酒をもっと知りたくなるWEBメディアhttps://jp.sake-times.com/?s=%E9%85%92%E7%B2%95&pg=2#readmore変わり種は、酒粕を使ったアイスクリームでしょうか?スイーツに変化するなんて意表を突かれました。

他にも工夫次第でいろんなアレンジが楽しめる、酒粕はそんな可能性を秘めた食材なんですね。

甘酒は日本人のソウルドリンク?「飲む点滴」甘酒の歴史と栄養素のまとめ古来から日本人に飲まれてきた甘酒ですが、この食文化が現在になっても廃れることなく続いているのは、簡単に作れるということの他に、栄養成分が優れているからなのかもしれません。

世紀を超えるロングセラー・甘酒の良さを体感してみましょう!記事の作成にあたっては、記事中に触れたサイトの他に、以下のサイトを参考にいたしました。

月桂冠総合研究所http://www.gekkeikan.co.jp/RD/keyword/amazake/あまざけ.comhttp://xn--l8j4ao3n.com/宝酒造株式会社https://www.takarashuzo.co.jp/products/seasoning/index.htm

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