テレワーク時代の食の新習慣とは?|「スナッキングフード」が健康的に在宅勤務を行うカギに
新型コロナウイルスの流行によって、働き方に変化が。
テレワークでの仕事がメインになったという人も多いのでは?イラスト/GettyImagesそんな生活の変化が及ぼす影響がストレスの原因になっている可能性もあるという。
「テレワークの導入によって、確かに“痛勤”という長時間の満員電車搭乗に伴うストレスはゼロになりました。
しかし一方で、オーバーワークから昼夜逆転、不眠や自律神経失調症になった人も出ています」と産業医の櫻澤博文さん。
こういった健康問題に対して同じくテレワーク下の人事担当者では物理的距離によって直接的解決がしがたい実態があり、テレワークが新たな「ストレス源」だという理解が必要だという。
テレワークによるストレスの実態とは?イラスト/GettyImagesテレワークでは、ついつい自分の許容量を超えて働いてしまう傾向にある。
「テレワーク導入にて最も把握しづらくなるのは、労働時間です。
作業態度といったプロセス評価は難しいことから、結果評価が中心となります。
時間の制限がないものの、評価が厳しくなる中だと、いきおい“時間をかけてでも、結果の品質を向上しないといけない”といった強迫的圧力が加えられているようなもので、実際、労働基準法を超えた労働に従事せざるをえない実態が確認されています」コロナ禍の不安に加え、仕事環境によるストレス、その上に過重労働が加わることで、テレワークで軽減されたはずの通勤のストレス以上の負荷がかかり、体調を崩しかねないのだとか。
また、同僚の目がない就業環境により、日中から飲酒に溺れ、健康に悪影響が出る人もいるという。
疲労と疲労感の違いイラスト/GettyImages櫻澤さんによると、疲労と疲労感とは違うものなのだとか。
負荷の継続による精神的・肉体的なパフォーマンスの低下という、客観的変化を疲労といい、疲労感はその疲労の自覚という主観的な概念のこと。
例えば、好きなゲームをしているときは何時間でも疲れないけれど、やりたくない仕事はすぐ疲れてしまうというように、疲労感には興味や意欲などが関係していて、精神面と大きな結びつきがあるそう。
「呼吸や脈拍、腸のぜん動運動など、人間の生命活動をコントロールする自律神経というものがあります。
テレワークで実際には疲労が蓄積していても、“慣れ親しんだ自宅だから”という思いなどから疲労感は少なく感じられ、結果としてオーバーワークに陥りやすくなり、不眠や食欲低下といった自律神経の失調をきたしてしまっている人が増加しています」(櫻澤さん)間食が健康的なテレワーク生活のカギイラスト/GettyImages「遅寝遅起きの結果として朝食を抜き、缶コーヒーやエナジードリンクなどでエネルギーを補給し辻褄あわせする人がいます。
それは遅起きかつ朝食抜きによって、ブレーキがしっかりと効いている神経を、カフェインにて無理にたたき起こして負荷をかけるようなもの。
毎日それでは自律神経は過敏になって落ち着かず、不安障がいの主症状である“パニック発作”が引き起こされやすくなります」(櫻澤さん)◆パフォーマンスを発揮する方法テレワーカーが安定したパフォーマンスを発揮するためには、きちんと朝食をとることと、積極的に休憩時間を確保する「アクティブ・レスト」をとることを櫻澤さんは推奨する。
「仕事を開始してから2時間も経過すると、血糖値の低下から神経細胞はガス欠状態にて、脳の情報処理力は低下しているものです。
『アクティブ・レスト』をとり、神経に休憩を与えると共に間食をとることで血糖値を上げ、神経細胞に栄養を補給することが不安定なテレワークを乗り越えるポイントです」と櫻澤さんは言う。
イラスト/GettyImages◆働き方の多様化につれて食事にも工夫を神経細胞の集合体である脳がきちんとしたパフォーマンスを発揮し、仕事のアウトプットである生産性を維持するには、その活動に必要な血糖値を安定的にかつ継続的に補給する工夫が求められるそう。
具体的には、午前10時頃、午後15時頃が脳のガス欠状態のピークだという。
「1日3食にとらわれるのではなく、働き方の多様化につれて、食事そのものにも工夫を加えるという進化が求められているのではないでしょうか」また、適度な間食にはメタボ防止効果もあるそう。
「18時前後の生理学的空腹を我慢し続けた上での夕食は、長時間の空腹状態が本能を目覚めさせ、次の飢餓状態でも耐えられるよう、つい食べすぎてしまいます。
その余剰カロリーは皮下脂肪に変換され、これが腹部肥満の成因になります。
18時頃に補食すると血糖値が上昇する分、夕食の摂食量は少なくて済み、就寝までには消化も終わります」(櫻澤さん)イラスト/GettyImages◆理想的な生活リズムとは?櫻澤さんによると、深夜勤務に従事する人ではない標準的な生活リズムで考えた場合の、理想的なタイムスケジュールは下記とのこと。
▶︎6時起床▶︎7時ごろ朝食(消化に2時間※9時頃からの就業に都合が良い)就労や就学中、持続的に2時間程度は血糖値維持▶︎空腹を覚える11時すぎに昼食(消化に2時間)持続的2時間程度の血糖値維持が切れる頃に15時のおやつ2時間程度の持続的血糖値維持が切れる17時頃が終業▶︎18時頃に夕食21時以降は食べないこのような健康的な生活を続けると、睡眠中に胃腸も休むことができ免疫機能もフル回復、睡眠中十分休養が得られるそう。
スナッキングフードが新しい食習慣にお役立ちポッカサッポロフード&ビバレッジが2020年4月に行った、コロナ禍での食の摂り方についての調査では、回答者の半数以上が1日3回以上の食事をしたと回答している。
また、空腹を感じたときに菓子類ではなく、食事に近いものをとる傾向が強いことがわかったという。
間食と食事の境目がなくなってきていて、新たな食スタイルが生まれている中で注目したいのが「間食以上、食事未満」のスナッキングフード。
ストックができて、スナック気分で小腹が満たせる食べ物は、テレワーク中の食事スタイルにぴったり。
ストックできる軽食と言えばグラノーラやカップスープがおなじみだけれど、新感覚の食品も登場している。
ポッカサッポロフード&ビバレッジでは、マッシュポテト感覚で食べ応えがあるのに100kcal強とヘルシーな『じゃがネル』(2種各150円税別)と、米粉を加工した食べ応えのある「もちもち米」を使ったリゾット風のカップ入り米飯『TORORI’s(トロリ~ズ)』(3種各230円税別)を発売。
より食事に近い感覚でいただける満腹感のあるスナッキングフードを選べば、夕食の食べすぎも防いでくれて一石二鳥かも。
さまざまな種類のスナッキングフードから、より自分のライフスタイルに合ったものを見つけてみて。
教えてくれた人:櫻澤博文さんさくらざわ・ひろふみ。
合同会社パラゴン代表。
産業医科大学医学部卒業後、亀田総合病院にて臨床研修終了。
京都大学大学院にて社会健康医学修士号取得。
医学博士。
健康支援に加え労務管理のできる産業医として「ストレス・マネジメント」体系を展開。
2013年、健康・労務・介護支援の専門職集団である合同会社パラゴン設立。
官公庁や企業の健康管理全般の請負、「健康経営」やポジティブ・ストレスチェックの推進、認知症予防ノウハウを書籍やテレビ出演などを通じて提供中。
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