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【今週の読みたい本】14年間埋もれていた角田光代さんの傑作小説『銀の夜』など4冊

寒くて外に出たくない日こそ、暖かいお部屋で読書を楽しもう。

そこで今、読んでおきたい新刊4冊を紹介。

話題の単行本や文庫本など多ジャンルのものをピックアップ。

心温まる1冊が見つかりますように。

【目次】【単行本】『寂聴残された日々』瀬戸内寂聴【単行本】『銀の夜』角田光代【単行本】『とっておきドラえもんむねいっぱい感動編特別版』藤子・F・不二雄【文庫本】『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』高野秀行清水克行【単行本】『寂聴残された日々』瀬戸内寂聴◆新聞に連載したエッセイの単行本化。

結晶化した思い出と漏れ出すお茶目『寂聴残された日々』瀬戸内寂聴朝日新聞出版1300円98才になった今年まで5年分を収録。

連載開始の2015年は「戦争法案」(安全保障関連法案)の年。

いてもたってもいられず車椅子で国会前に現れた時のスピーチは今も耳に鮮やか。

故郷の徳島、敗戦しての帰国、出奔、置いてきた娘、剃髪の日、石牟礼道子さんや田辺聖子さんとの思い出、孫が英語しか喋れないこと。

「私、今、いくつ?」と秘書に聞く日々に去来する記憶は清澄。

寂聴残された日々【単行本】『銀の夜』角田光代◆14年の眠りから覚めた30代の時の作。

書き手と創作物の距離の不思議を思う『銀の夜』角田光代光文社1600円女子高生バンドで注目を浴び、お嬢様一貫校を退学になった麻友美、ちづる、伊都子。

35才になった3人の交差を描く。

娘を芸能スクールに通わせる麻友美、夫の不倫に気づかないふりするちづる、翻訳家として有名な母の呪縛を振り払いたいとあがく伊都子。

あることを決行するために再び結束する友情が胸を打つ。

角田源氏の完成を待つかのように出版されたのもドラマの一部。

銀の夜【単行本】『とっておきドラえもんむねいっぱい感動編特別版』藤子・F・不二雄◆タイムマシンに乗って過去や未来へ。

何度読んでもまた感動が押し寄せる『とっておきドラえもんむねいっぱい感動編特別版』藤子・F・不二雄小学館1200円のび太が誕生した日の両親の喜びよう、いつでものび太の味方になってくれた優しいおばあちゃんの在りし日、しずかちゃんが結婚するのをやめようかと悩む結婚式前夜の様子など、忘れられない編が目白押し。

子供向けだろうが大人向けだろうが、感動に育つ種はやっぱり“善の心”にあると確信。

一筆箋など3大特典付きの特別版なら、贈られた子供の笑顔も更に大きくなりそう。

『とっておきドラえもんむねいっぱい感動編』特別版(てんとう虫コミックススペシャル)【文庫本】『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』高野秀行清水克行◆快談にして驚・教養。

好奇心のスケールが大きくなる『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』高野秀行清水克行集英社文庫640円辺境作家(高野)と日本中世史の学者(清水)が9冊をディープに語り合う。

本邦初の軍記もの『将門記』、アマゾン奥地の少数民族の非文明度から逆に幸福度が見えてくる『ピダハン』、来年全4巻で完結する町田康の『ギケイキ』(『義経記』)など。

室町時代の福井県小浜に、象を連れたイスラム国の使者が来てたなんて知らなかった。

「注」まで面白い本はまれ。

これはそんな一冊。

辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦(集英社文庫)文/温水ゆかり※女性セブン2020年12月17日号●【今週の読みたい本】ヤマザキマリがコロナで「たちどまって考えたこと」を綴った新書など4冊●【今週の読みたい本】直木賞作家・辻村深月さんの”普段着エッセイ”等、この秋のおすすめ4冊●有名人の快眠術|田中みな実らノーパン派からアロマ、読書、落語まで

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