減量・ダイエットのためのPFCバランスと栄養摂取のコツ
entry-content">体づくりのための減量について。
「減量」という言葉にはどんなイメージがあるでしょうか?「辛そう、難しそう。
」そんなイメージを持つ人も多いかもしれませんね。
「減量」と聞くとボクサーが、計量日に合わせて体重を落とすため、厳しいカロリー制限をして、体内の水分まで絞り出すようなそんなイメージを喚起させますが、ボディメイクのための「減量」とボクサーが行う減量はちょっと違う要素があります。
計量日に合わせて、数字の上での体重を減らす必要に迫られるのが、階級で分けられたスポーツの特徴。
それに対し、ボディメイクのための減量は、体重としての数字よりも、トレーニングで培った筋肉とボディラインを際立たせるために脂肪を取り除くことがメインテーマになります。
どんなスポーツのための減量も同様ですが、食べずに無茶なダイエット(=食事制限)はNGです。
ただ「痩せればいい」のなら摂取エネルギーと消費エネルギーの収支決算をマイナスにすれば良いでしょう。
入ってくるエネルギー量が減れば、必然的に体重は落ちます。
ですが、その場合は往々にして脂肪よりも大切な筋肉が犠牲になっていることが多いのです。
ここでは、筋肉をしっかり維持しながら体脂肪を絞り込むための減量の方法を考えます。
その場合、トレーニングの方法や強度も大きく関わってきますが、ここではPFCバランンスに着眼した栄養摂取の方法に迫ってみたいと思います。
Criteo.DisplayAd({"zoneid":355556,"async":false});目次1効率的な減量のために守ること1.11日3食を基本に、食事は欠かさずに摂る1.2基礎代謝分のエネルギーは摂取する1.3PFC(たんぱく質・脂質・炭水化物)バランスに配慮した栄養摂取を行う1.4意識的な食事配分を行う1.5減量ペースは急がない2減量を始める前に2.1基礎代謝を知る2.2生活強度を知る2.3どのくらい体脂肪を落とすか3減量中のPFCバランス3.1たんぱく質の摂取量3.2脂肪の摂取量3.3炭水化物の摂取量効率的な減量のために守ること減量で守るべき一番大切なことは、除脂肪体重(=体脂肪を除いた筋肉・骨・内臓)を減らさずに、体脂肪だけを落とすようにすることです。
体脂肪は、体内で使い切れなかった余分なエネルギーです。
そのため、減量のためにはある程度のカロリー制限が必要になりますが、過度な食事制限や偏った食事内容は、体内の代謝を下げしまい、脂肪が燃えにくくなります。
除脂肪体重を落とさないようにするためには、以下の内容を守りましょう。
1日3食を基本に、食事は欠かさずに摂る空腹状態が続くと、体は筋肉を分解しエネルギーとして使い始めてしまい、脂肪を貯めこみやすい体質になってしまいます。
基礎代謝分のエネルギーは摂取するカロリー制限をする場合も、1日に必要なエネルギー量は必ず摂取します。
摂取エネルギー量が基礎代謝量を割り込むと、逆に減量しにくくなります。
PFC(たんぱく質・脂質・炭水化物)バランスに配慮した栄養摂取を行う減量時に筋肉量を落とさないようにと、たんぱく質をしっかり摂ることは重要ですが、脂質や炭水化物の摂取にも意識的になりましょう。
良質な脂質は、減量をサポートします。
また近年、糖質をカットするダイエットが流行っていますが、炭水化物(糖質)はタンパク質を体に吸収するときや脂肪を代謝させるときに不可欠な栄養素です。
また炭水化物を必要以上に抜くと体内のエネルギー源が枯渇するため、代謝が落ちて減量しにくくなり、リバウンドも起きやすくなります。
意識的な食事配分を行う朝・昼に食べて食事は日中の活動で消費されます。
活動的に過ごし代謝量をあげるため、またトレーニングのクオリティ確保のためにも朝食・昼食はしっかりと食べましょう。
ですが、夕食を食べすぎてしまうと就寝までの間に消費しきれません。
活動量が少ない夜間は摂取カロリーを抑える方が賢明です。
特に就寝までに時間がない場合は、摂取する食事内容も消化の良いものを選ぶようにしましょう。
減量ペースは急がない短期間で大幅に減量するよりも、少し時間をかけてゆっくりしたペースで減量を進める方が、除脂肪体重の維持には効果的です。
また、体脂肪がある程度減ってからは、エネルギー源に使うことのできる脂肪組織が減っていて、筋肉が分解されるリスクが高まります。
減量ペースを一段緩やかにした方が、除脂肪体重を維持しやすいでしょう。
減量を始める前に減量のために必要なエネルギー量を適切に把握するためにも、まずは自分の体の状態を客観化しておかなければいけません。
基礎代謝を知る基礎代謝は以下の計算式で算出します。
基礎代謝量=基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)×体重(kg)基礎代謝基準値は、以下を参考にしてください。
男性18~29歳 24.030~49歳 22.350~69歳 21.5女性18~29歳 22.130~49歳 21.750~69歳 20.7これに基づき計算すると、30歳男性・体重70kgの場合の基礎代謝はおよそ1560kcal、30歳女性・体重50kgの場合は1085kcalになります。
生活強度を知る一日に必要なカロリーは、基礎代謝に生活の強度(活動量)を加えて算出します。
生活強度の基準は以下です。
1.3(低い)散歩、買い物など比較的ゆっくりとした1時間程度の歩行のほか、大部分は座位での読書、勉強などの場合。
1.5(やや低い)通勤、仕事などで2時間程度の歩行や乗車、接客、家事など立位での業務が比較的多いほか、大部分は座位での場合。
1.7(適度)生活強度が「やや低い」者が1日1時間程度のサイクリングや速歩などの比較的強い身体活動を行っている場合。
1.9(高い) 1日のうち1時間程度は激しいトレーニングや木材の運搬、農繁期の農耕作業のような強い作業に従事している場合。
一般的なデスクワークをして、トレーニングをしている人の場合、通常は生活強度1.5か1.7になると思います。
この数字を先に割り出した基礎代謝にかけることで一日の消費カロリーがおよそ算出できます。
30歳男性基礎代謝1560kcal、生活強度1.5の場合、一日の消費カロリーはおよそ2340kcal。
30歳女性基礎代謝1085kcalで生活強度1.5の場合はおよそ1628kcalになります。
どのくらい体脂肪を落とすか体脂肪を1kg減らすには7200kcalのエネルギーを消費する必要があります。
もし1ヶ月で1kgの体脂肪を落とすなら、1日あたり240kcal程度を、現在の摂取カロリーから引けば良いことになります。
一日の消費カロリーが1628kcalの女性の場合、1628kcal-240kcal=1388kcalになります。
この計算式で出した値をもとに食事量を調節しましょう。
ただし体内の水分量の変化で体重が変わることを抑えておきましょう。
特に女性の場合は、月々の体のサイクルが影響し、浮腫む時期があるので、その点を考慮して数字上の体重が落ちにくい場合も焦らないようにしましょう。
減量中のPFCバランス減量では、摂取カロリーの収支決算が重要になりますが、それと同時に、どのような栄養バランスで食事を摂取するかという点にも注力しなければいけません。
同じ1000Kcalでも、適切なP(たんぱく質)F(脂質)C(炭水化物)の摂取バランスの相違で、減量の質が変わってきます。
たんぱく質の摂取量しっかりとカロリーを摂取している場合は、体重1kgあたり1.2g~2g程度のたんぱく質を摂取すれば、トレーニングへの適応を促し筋肉を合成するのに十分だと考えられています。
これまでの研究では、除脂肪量の減少を抑えるには、たんぱく質の摂取量が多い方が良いと考えられています。
特に摂取カロリーを減らしていて、カロリー収支がマイナスの場合は、体重1kgあたり1.8g~3.1gのたんぱく質摂取を推奨する論もあります。
それぞれの運動量や体質にもよりますが、一般的には体重1kgあたり2g強のたんぱく質を摂取することが勧められます。
脂肪の摂取量脂肪はホルモンの分泌に関わります。
そのため脂肪が低すぎたり、たんぱく質が高すぎる食事内容では、トレーニングに対するホルモン環境を損なう可能性があると考えられます。
特にテストステロンの分泌量は体脂肪量とカロリー収支に影響されます。
そのため、カロリー制限中もある程度の脂質を摂取することが求められます。
ですが脂肪の摂取量を多くするとたんぱく質と炭水化物の摂取量を確保するのが難しくなるので、脂肪からのカロリー摂取は総摂取カロリーの15%~20%程度を目安にすると良いでしょう。
また摂取する脂質の種類にも配慮すべきです。
亜麻仁油、えごま油、しそ油、フィッシュオイルなどのオメガ3系脂肪酸の割合が多いものや、オリーブオイル、ライスオイルなどの一価不飽和脂肪酸、ココナッツオイルやMCTオイルに含まれる中鎖脂肪酸などを積極的に摂取すると良いです。
飽和脂肪酸の多い動物性の脂質の摂取は控えるようにしましょう。
炭水化物の摂取量筋トレのパフォーマンスをアップするには炭水化物が必須です。
トレーニング前に十分な炭水化物を摂ることで、筋肉中のグリコーゲンの減少を抑え、パフォーマンス向上が得られます。
ですが減量中はカロリー制限があるので、必要十分なタンパク質量と脂質の摂取カロリーを、総摂取カロリーから引いた残りのカロリーが炭水化物に割り当てられます。
いわゆる低炭水化物ダイエットは、炭水化物に対するたんぱく質の比率が高いため、満腹感もあり、脂肪燃焼にも効果があると考えられています。
炭水化物を減らし、たんぱく質を増やすことで、体脂肪の燃焼と除脂肪量維持が期待できます。
ですが極端に炭水化物を減らすと、パフォーマンスに悪影響を及ぼすばかりか、除脂肪量の減少につながる可能性も高まります。
そのため極端に炭水化物をカットする方法は賢明とは言えません。
トレーニング強度や内容によって炭水化物の摂取量に変化をつけると良いでしょう。
トレーニングのパフォーマンスが落ちてきた場合は、グラム当たりのカロリーが高い脂肪の摂取量を減らし、その分のカロリーを炭水化物に置き換えると良いでしょう。
また、減量中は消化吸収が緩やかで、血糖値を上げにくい低GIの食品から炭水化物を摂取すると良いでしょう。
普通の白いパンより全粒粉のパン、白米よりも玄米を選びましょう。
食物繊維も多く、減量中の便秘予防など腸内環境を整えるのにも有効です。
また、全粒粉屋玄米など精白されていない穀類は体の調整に不可欠なビタミンやミネラルも多く含むので、積極的に利用しましょう。
まとめ減量はただ痩せることと異なります。
筋肉量を維持することを第一命題に食事プランを練りましょう。
ここに示した摂取の目安はあくまでも一つの基準です。
個々人の運動量や代謝状況で摂取バランスは若干変動させる必要があります。
体重だけでは体の変化が正確に掴めないので、できるだけ定期的に体組成を測定し、体の変化に注意を払いながら、摂取カロリーや食事内容を評価・修正しながら減量を進めましょう