脂質を摂ると太るは間違い!?良質な脂肪でダイエット
みなさんは「脂質」に対してどんなイメージをお持ちでしょうか?カロリーが高く、脂肪になりやすいイメージなので、ダイエット中にはカットしている方も多いと思います。
しかし、脂質は体にとって必要な栄養素であり、摂取することによる嬉しい効果もたくさんあるんです。
脂質について正しく理解してダイエットに役立てましょう。
脂質は必要!カロリーよりも大事なこと脂質はダイエットの敵!?外食をするときや、市販のお弁当や加工食品を食べる時、その料理に一体どのくらいの脂質が含まれているのか気になってしまいますよね。
脂質に対しては、カロリーが高い、太りそう、体に悪そうといったネガティブなイメージが強いため、ダイエット中には必要以上にカットしてしまっている場合があります。
しかし脂質は本当にダイエットの敵なんでしょうか?詳しく解説していきます。
摂取カロリーは減っているのに肥満者は増加しているワケ1950年の平均摂取エネルギーは1972キロカロリーでしたが、2014年には1863キロカロリーに減少しています。
しかし、1980年に18.4%だった肥満者率は2014年には30.2%まで増加しており、肥満は現代病として問題になっています。
摂取カロリーが減少しているにも関わらず、なぜ肥満者率は増加しているのでしょうか?主な原因として、生活が便利になるにつれて車での移動やエレスカレーターの使用で日々の活動量が低下したことや、不規則な生活リズムが考えられます。
また、昔ながらの日本の食事と比べると、食の欧米化などの影響もあって「質」が大きく変化しています。
あまり食べていないのに太ると感じる方は、食事の「量」ではなく「質」に目を向けてみましょう。
脂質を摂取して代謝改善とある研究所で数学的システムと生物学の研究を行っている方が、食べる量が同じだったとしても、炭水化物より脂肪の摂取量が多い人の方が1日あたり約100キロカロリー以上多く消費することを発見したそうです。
また、良質な脂質を多く摂取すると脳の空腹中枢が遮断されたり、味の好みや食べ方、代謝が改善するなどの良い作用も与えられるそうなのです。
脂質に対してネガティブなイメージを持っていた方は驚いたのではないでしょうか?カロリーだけではなく食事の「質」を重視例えば、栄養バランスのことを全く何も考えずにシャンクフードやお菓子などで摂取した1000キロカロリーと、栄養価が高い食材を選んで5大栄養素のバランスまで考えて摂取した1000キロカロリーでは、体の中で起こる反応はまったく違ってきます。
血糖値の上昇や下降のスピードによって、食べた後の腹持ちの良さや、脂肪として蓄えられる割合が変わります。
また、不足している栄養素があるとによって筋肉が減少してしまったり、代謝が悪くなって痩せにくい体質へと変化していってしまう可能性があります。
健康的に効率よく痩せるためには、カロリーだけでなく、そこに含まれる栄養素にも目を向けていきましょう。
脂質は太るの間違い①摂取カロリーと消費カロリー摂取カロリーの計算方法摂取カロリーを計算するには、食べたものと量を記録して、その食材ごとのカロリーを計算していく必要があるため、非常に面倒でなかなか続けられないという方が多いと思います。
そこでおススメなのが、食事管理が出来るアプリです。
食べた物を入力すると、アプリ内のデータベースから食品を検索して、簡単にカロリー計算をすることが出来ます。
タンパク質、脂質、炭水化物などの栄養素も計算できるアプリもあるので、ぜひ活用してみましょう。
※おススメの食事管理アプリはこちらの記事で紹介しています。
【ダイエット成功の秘訣はアプリ!無料ダイエットアプリランキング】1日の消費カロリー私たちが1日で消費するカロリーの内訳は、基礎代謝が約60~70%、食事誘発性熱産生が約10%、生活活動代謝は約20~30%の3つで構成されています。
基礎代謝は生命を維持するために最低限必要なエネルギー消費のことで、呼吸や体温維持や内臓の働きなどがあります。
基礎代謝量は筋肉量に比例するため、筋肉量を増やすと何もしなくても消費するカロリーが増えるため、痩せやすい体質になります。
食事誘発性熱産生とは、食べ物を食べることによって生み出される熱のことで、タンパク質のみを摂取した時では約30%、糖質のみの場合は約6%、脂質のみの場合は約4%消費されます。
アンダーカロリーで体脂肪を減らそう私たちの体は消費カロリーより摂取カロリーが上回り、エネルギーが余ってしまうとそれを体脂肪として蓄えます。
体脂肪は「脂肪細胞」として蓄えられているため、すべてが純粋な脂肪というわけではなく、約8割が脂質、約2割は水分などの様々な物質で出来ています。
そのため、脂肪は1グラムあたり9キロカロリーですが、体脂肪を消費するのに必要なカロリーは1kgで約7,200キロカロリーとなります。
食事を見直して必要な栄養素は摂りつつ摂取カロリーを抑え、筋肉量や活動量を増やして消費カロリーを稼ぎ、カロリー収支をマイナスに保つことで、少しずつ体脂肪を減らしていくことが出来ます。
脂質は太るの間違い②食べ過ぎ防止に良質な脂肪を脂質は腹持ちが良い脂質が多い食事をとると、消化・吸収に時間がかかるため、胃や腸の中での滞留時間が長くなります。
炭水化物は約2時間、タンパク質は約4時間といわれますが、脂質が多いとさらに時間がかかります。
消化に時間がかかるということは、それだけすぐにお腹が空かないということなので、無駄な間食が減ったり、次の食事を軽く済ませるなど、結果的に総摂取カロリーが減ることにつながるのです。
しかし、夕食でコッテリした物を食べ過ぎてしまうと就寝時間までに消化が終わらない可能性があるため、遅い時間の食事では注意が必要です。
ダイエット中の間食にはナッツがおススメ今まで間食に甘いお菓子を食べていたという方は、クルミやアーモンドなどのナッツ類に変えてみてはいかがでしょうか?脂質が多くカロリーが高いため敬遠されがちですが、近年ではナッツの美容健康効果に注目が集まっています。
糖質量が低いため血糖値にほとんど影響を与えませんし、腹持ちが良く空腹感を抑えてくれるので、ダイエット中の間食として非常に優秀な食品です。
手軽に持ち運んで食べられるのも嬉しいですよね。
脂質は太るの間違い③バランスの良い食事質の良い食材選びと3大栄養素のバランスが大事私たちの体のエネルギー源となる3大栄養素には、タンパク質、脂質、炭水化物があり、どれも重要な役割を担っており、不要なものはありません。
しかし、栄養のことを考えずに市販のお弁当やお惣菜、外食、手軽に食べられる加工食品ばかりに頼っていると、脂質と炭水化物ばかりが過剰になってカロリーオーバーする傾向にあります。
また、同じ1gであっても食材によって体に与える影響が異なってきますので、質の良い食材選びを心掛け、3大栄養素のバランスも意識していきましょう。
タンパク質の選び方筋肉や内臓など体をつくるもとになるタンパク質は、代謝の高い体を維持していくためには積極的に摂りたい栄養素です。
しかし、同時に多くの脂質を摂取してしまいがちなので、お肉であれば脂身の少ない部位を選ぶようにしましょう。
牛肉や豚肉はヒレなどの赤身、鶏肉ならササミや皮を除いたむね肉やもも肉がおススメです。
揚げ物や炒め物だと調理の際に油を多く使用していますので、調理法にも注意しましょう。
ゆでる、蒸す、電子レンジで加熱する、グリルやオーブンで焼く方法であれば、油を使わないだけでなく、調理の際に余分な脂質を落とすことも出来るのでダイエット中におススメです。
脂質の選び方脂質は少量でも高カロリーなので摂り過ぎには注意が必要ですが、体に必要な分は不足しないようにしましょう。
なるべく良質な脂質を摂取することを心掛けて食材を選ぶのがポイントです。
サバやサンマなどの青魚や、卵、アボカド、ナッツ類がおススメです。
その他にも、サラダを食べる時にアマニ油やエゴマ油を少量かけることで、手軽に良質な脂質を摂取することが出来ます。
炭水化物の選び方炭水化物は体を動かしたり、脳のエネルギー源になる大切な栄養素です。
炭水化物というのは、体内に吸収されてエネルギー源になる糖質と、消化吸収されずエネルギーにならない食物繊維に分けることが出来ます。
白い砂糖や精製された白米や小麦粉は、血糖値が急激に上がりやすいため、なるべく白い砂糖は避け、白米よりは玄米、小麦粉は全粒粉のものを選ぶようにしましょう。
その他は、十割そば、オートミール、サツマイモも血糖値の上昇が穏やかで腹持ちも良いためおススメです。
ダイエットに良い脂質良い油と悪い油を見極めよう脂質は3大栄養素のうちのひとつで、体にとって重要なエネルギー源になるだけでなく、ホルモンや細胞膜、核膜を構成したり、脂溶性ビタミンの吸収を促すなど重要な役割を担っています。
1グラムあたり4キロカロリーのタンパク質と炭水化物と比べると、脂質は1グラムあたり9キロカロリーと最も高カロリーとなっています。
摂り過ぎると肥満の原因になるため注意が必要です。
また、脂質にはさまざまな種類があります。
体の代謝を活発にして脂肪細胞の増加を抑制してくれるダイエットに嬉しい働きをしてくれる油もあれば、病気のリスクを高めてしまう可能性がある油もあるため、種類にも注意が必要です。
脂質の種類やそれぞれの働きと、食品の選び方をみていきましょう。
飽和脂肪酸飽和脂肪酸とは、ラードやバター、ショートニング、脂身の多い肉類など多く含まれています。
これらの脂肪酸は、常温では固体で存在しているため、体の中でも固まりやすく、動脈硬化の原因になるといわれています。
しかも中性脂肪やコレステロールを増加させる作用があり、摂り過ぎると肥満だけでなく、心筋梗塞や脳梗塞などの生活習慣病につながる恐れがあるため注意が必要です。
現代人は摂り過ぎる傾向にあるため、なるべく摂取を控えるように心掛けましょう。
一価不飽和脂肪酸/オメガ9(n-9)系脂肪酸オメガ9系脂肪酸は、オリーブオイル、べに花油、なたね油などに多く含まれています。
代表的な脂肪酸である「オレイン酸」は体内でも合成されるため、積極的に食品から摂取する必要はありません。
オリーブオイルは、血中の善玉コレステロールはそのままで、悪玉コレステロール濃度を下げたり、腸内物を柔らかくして排便を促す作用も持っています。
オリーブオイルといっても、エクストラバージンオイルやピュアオリーブオイルなどの種類がありますが、酸度が低くポリフェノール類が豊富に含まれるエクストラバージンオイルがおススメです。
多価不飽和脂肪酸/オメガ6(n-6)系脂肪酸オメガ6系脂肪酸は、コーン油や大豆油、グレープシードオイルなどに多く含まれています。
代表的な脂肪酸では「リノール酸」があります。
リノール酸は体内ではつくることができない必須脂肪酸なので、食べ物から摂取する必要がありますが、身近な油の主成分となっているため、積極的に摂取しようとしなくても不足する心配はないでしょう。
多価不飽和脂肪酸/オメガ3(n-3)系脂肪酸オメガ3系脂肪酸の主な脂肪酸は、くるみやアマニなどに含まれる植物性オメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸と、海洋性オメガ3脂肪酸である青魚に含まれるEPAやDHAがあります。
α-リノレン酸は体内に入ると一部EPAやDHAに変換されるため、EPAやDHAを作り出す前駆体といえます。
血液をサラサラにしたり、美肌効果、アレルギー症状の緩和、免疫機能の向上、さらにはうつ病にも効果があるといわれており、私たちの体にとってとても重要な働きをしています。
しかし、体内では生成されないため、食べ物から摂取する必要があります。
ダイエット中でも積極的に摂りたい脂質は?大きく分けて4種類の脂肪酸を紹介しましたが、健康やダイエットに良い効果をもたらしてくれる最も積極的に摂りたい脂質は「多価不飽和脂肪酸/オメガ3(n-3)系脂肪酸」です。
植物性では、アマニ油やえごま油やクルミなどがあります。
熱に弱く、すぐ酸化してしまうため、炒め油に使用するなど加熱調理には不向きです。
サラダにドレッシングとしてかけるなど、そのまま摂取するようにしましょう。
海洋性では、アジ・サバ・イワシ・サンマなどの背の青い「青魚」に多く含まれています。
缶詰なら、空気に触れないため酸化しにくく、手軽にそのまますぐ食べられるのでおススメです。
青魚が苦手でどうしても食べられない方は、フィッシュオイルのサプリメントもありますので活用してみましょう。
脂質は良い油と悪い油を見極めて賢く摂取しよう!脂質について正しく理解していただけたでしょうか?1グラムあたり9キロカロリーと高カロリーのため、もちろん摂り過ぎには注意が必要です。
しかし、質の良い油なら美容にも健康にも嬉しい効果がたくさんあるので、ダイエット中だからといってカットしすぎてしまうのはもったいないですよね。
どんな種類を選ぶかということに気を付けて、良質な脂質を摂取して、美しく健康的にダイエットしていきましょう。