ビタミンDが免疫力UPで注目!豊富な食べ物&日光で日焼けせずに生成する方法
コロナ禍のいま、免疫力アップや感染症予防に効果があると期待されている栄養素が「ビタミンD」だ。
これは、肌に紫外線を浴びることによって体内で生成される。
しかし、日焼け止めを塗っていては作れない。
美容をとるか、栄養をとるか、それが問題だが――その疑問に答えます。
健康のためには日光を浴びてビタミンDを作りたいところだけれど…(写真/アフロ)ビタミンDは“スーパー栄養素”「ビタミンDは骨を作るのに欠かせない栄養素です。
細胞内の核に直接働きかけて遺伝子レベルに影響を与え、さらに免疫にも関係しています」とは、栄養に詳しい医師の伊藤明子さんだ。
ビタミンDが不足すると、がんをはじめ、結核やインフルエンザなどの感染症のリスクが上がり、骨折リスクや認知症リスクも上がるという。
不妊にも関与しており、欠乏がひどいと死亡率も上がるという。
◆ビタミンDは紫外線を浴びることで生成「それなのに、日本人の多くがビタミンD不足、さらには欠乏の状態です」(伊藤さん・以下同)ビタミンDは、肌に紫外線を浴びることで生成される。
ただし、地上に届く紫外線のうちビタミンDを生成できるのは、UVB(紫外線B波)のみ。
これは、窓ガラスを透過しないので、直接浴びる必要がある。
一方UVA(紫外線A波)では、ビタミンDは生成されず、肌の老化だけを進める。
いずれにせよ、日焼け止めは、これら2種類の紫外線をさえぎってしまうため、日焼け止めを塗ってガードしていては、ビタミンDは作られないのだ。
ビタミンDは魚から摂れる!では、どうやってビタミンDを補給すればいいのか。
「日差しの強い夏場は、日光浴に多大な光老化リスクが伴います。
長期的に考えると皮膚がんなど、健康に支障を来すおそれもあります。
そもそも、適度に外出する習慣のある人も含めて多くがビタミンD不足なのですから、日光浴だけでビタミンDを作ろうとするよりは、食品などで口から摂取して補った方が効率的です」◆ビタミンDを含む食材ビタミンDを含む食材の代表が魚だ。
詳しくは下表のとおりだが、きくらげ、あんこうの肝、いわしの丸干し、イクラ、鮭などに多く含まれる。
「ビタミンDは主に2種類あります。
ビタミンD2はきのこなどの植物性食品に含まれ、ビタミンD3は魚、卵に含まれます。
きのこのビタミンD2は動物性のビタミンD3に比べると吸収が3分の1程度と限られているので、魚からの摂取が断然おすすめです」目安としては、鮭を1切れ80gで1日に必要なビタミンDの約3倍が摂れる。
食品から摂るビタミンDには過剰摂取の心配がないので、摂りすぎても問題ないという。
日焼けを気にせず日光浴をする方法もまた、日焼けを気にせず、日光からビタミンDを生成する方法もあるという。
「角質が厚く日焼け跡が目立たない“手のひら”を日に当てるのがおすすめです。
顔に日光を当てないとビタミンDは作られない、というわけではないので、日焼けが気にならない場所に紫外線を当てればいいのです」これなら、肌の老化対策もビタミンD対策も可能だ。
ビタミンDが足りているかどうかは、血液検査でわかる。
気になる人は病院で相談を。
教えてくれたのは:小児科医・公衆衛生専門医の伊藤明子さん東京外国語大学卒、帝京大学医学部卒、東京大学大学院医学系研究科卒。
東京大学医学部附属病院小児科医、東京大学大学院医学系研究科研究員、赤坂ファミリークリニック院長。
※女性セブン2020年7月23日号●外出自粛中の免疫力UPにきのこ類を!ビタミンD豊富な「干ししいたけ」が最強●日焼け止めの正しい塗り方を専門家が伝授|日焼けしづらい服の色やSPF、PAの意味も紹介●マスクを着けても日焼けする!紫外線を防ぐためのマスクの着け方&選び方●体の不調、ビタミンD不足が原因?週2回、5~15分の日光浴を●免疫力を正常にする生活習慣11|朝6時半~8時の間に日光浴びる、運動は30分を目安に