超ズボラでも痩せられるってホント?『1日4ページだけ30日間ダイエット』の著者を直撃!
ハードなダイエットは頑張ったところで続かないし、リバウンドの元にも。
そして、磨きのかかったズボラダイエッターは「大変そう」と思ったら最後、そもそもトライしようとすらしないもの。
しかし、そんなズボラダイエッターでも思わず始めてみたくなる、ハードルの低いダイエット法があるとか。
そこで編集Oは、オタク活動が忙しく、ダイエットをしている暇などない!というオタク記者Sを巻き込んで、『1日4ページだけ30日間ダイエット』がズボラでも本当にできるのか実践してみることに…。
* * *アイドル、バンド、若手俳優、2次元から3次元まで、コンサートにライブに観劇にと、年間のイベント参加回数がついに120回を超えたオタク記者S。
オタク活動をしている間は自らを顧みることなどないけれど、ごくまれに、強制的に我が身を振り返るイベントが発生する――そう、それは、推しメンとのチェキ撮影。
推しメンと撮ったチェキを眺め、推しメンの隣に写った自分を見て、今年も思うのだった。
「痩せよう!」と。
とはいえ、仕事・観劇・仕事・観劇・観劇・仕事・イベント・観劇・仕事…永久に続く仕事とオタク活動。
掃除や洗濯すら入り込む余地のないのループの中で、真面目にジムに通ったり、カロリー計算を徹底した自炊をするなんて到底無理な話。
しかしそんなSに、ある日、福音がもたらされた。
それは『1日4ページだけ30日間ダイエット』(ワニブックス)という書籍。
1日あたり、たった4ページ、そこに書いてある2つのアクションを30日間実践するだけで痩せることができるという。
「えっ…これならできそうな気がするけど、本当にこんなんでいいの?」Sは戸惑いながらも、著者で順天堂大学医学部教授の小林弘幸さんに詳しい話を聞くべく、先生の研究室へ向かった…。
遅寝遅起きでも「よくはないけど、しょうがない」――先生、今回チャレンジさせていただくにあたって一番不安なこととして、私はすごく生活リズムがめちゃくちゃなのですが、それでも頑張れるんでしょうか…?小林さん:うーん、生活リズムはあんまり関係ないんですよ。
この本に書いてあることは基本的に、健康な食事とはどういうものかっていう話なので。
ただ、まず一番に大事なのは、毎朝体重計に乗ることなんです。
――なぜ朝じゃないとダメなんでしょうか?小林さん:朝の体重が、その日一番痩せてる体重だからです。
夜の体重っていうのはアテにならないんですよ。
――なるほど! 朝、つまり寝起きの体重ということですよね。
ということは、これは昼に起きても一緒ですか? 朝にキウイヨーグルトを食べるというアクションもありますが、昼に起きたら、昼にヨーグルト食べてもいいんでしょうか(必死)!?小林さん:いいですよ、それで(笑い)。
厳しく追い込むとストレスになるので、起きたときから考えてやる、でいいんです。
ただ、寝る前の最低2、3時間前には食事が終わっているようにしましょう。
腸にストレスをかけないことが大事だから、夕食の時間がすごく重要です。
それを守れば、寝るのは何時でも関係ないんですよ。
ところでSさんは、何時に寝てるの?――3時…とかですかね…。
小林さん:(ドン引き)――すみません…。
小林さん:3時に寝るなら、食事は1時以降には食べちゃダメ。
そこにアルコールなんかバーンと入れたら、眠りが浅くなって、いい睡眠がとれないですよ。
――ウッ、でも帰りが遅いときほど晩酌をしたくなってしまうんです…。
小林さん:この本に出てくるキーワードの「腸活」「自律神経」「味噌汁」は、すべて腸の活動をよくするためのキーワードなんです。
腸っていうのは寝ている間に動くから、いい睡眠をとらないと腸の働きが悪くなってしまう。
そうすると、基礎代謝が下がって太るから、寝る前に食べるのは本当にNGなんです。
――はい、よくわかりました(涙)! 腸を良好に働かせることが美痩せにつながるんですね! 朝ヨーグルトも味噌汁も確かに腸によさそうです。
朝イチの体重で、その日の食事メニューを決める小林さん:ぼくは常に体重65kgをキープするようにしているんだけど、いかにキープするかというと朝の体重測定からその日の食事を決めて調整しているんです。
たとえば朝の体重が65kgだったら、昼はもう間違いなくカツ丼ですよ。
――ガッツリいきますね。
小林さん:でも朝の体重が66kgになっていたら昼はサラダだけ、など食事を控えめに。
――なるほど、朝の体重でその日の食事のメニューを決めるんですね。
写真/GettyImages小林さん:そう、とにかく毎日体重を測るのが大事です。
自分の体に何が起きているのか、把握する手段のひとつだから。
毎日乗っていれば、その日の体重が自分でわかるようになりますよ。
――今日はいつもより1kg多いから気をつけよう、と思うだけで変わりますか?小林さん:それだけで全然違いますね。
かといって、たとえば1日1食だけにするとか、そういうのはダメです。
――食事の量を抑えるとなると、つい食事を抜いてしまいそうになりますが…。
小林さん:腸を休ませすぎちゃうと、逆にストレスになるんですよ。
寝起きにいきなりダッシュするのと同じ。
準備運動してからダッシュするのと比べて、キツさが全然違うでしょう? 朝も昼も夜も、何か入れて、腸は働かせておかないといけない。
だから絶対に、食事自体は抜かないこと。
夜は味噌汁でお腹を満たす――最後の10日間は、夕食を腸活味噌汁にチェンジするというアクションが出てきます。
小林さん:味噌汁の健康効果っていうのは別の本でも書いてるんだけど、今回の「30日間ダイエット」で言うと、夜にこの味噌汁を食べるとお腹いっぱいになるっていうのが一番のポイントですね。
食物繊維と汁だから、満腹感がありますよ! 満腹になるからストレスがかからない。
それに慣れちゃうと、案外味噌汁だけで夕食を済ませることができるようになるんです。
――この本に出てくる味噌汁のレシピが、どれもおいしそうなんです。
ウインナーとか、サバ缶とかが入っていて、もうほぼおかずですよね。
小林さん:そうそう。
全部味噌汁で済ましちゃうのが一番いいんです。
――NGな具材ってなにかありますか?小林さん:ないですよ。
好きなものでOKですよ。
写真/GettyImages――忙しくてどうしても作る余裕がない、というときはインスタントのみそ汁でもいいんでしょうか?小林さん:本には作り置きもできるレシピを載せているけれど、できない人はできないし仕方ないですね。
どうしても家に帰れないっていうならそれでも何もやらないよりはいいですよ。
――会社で残業しながら、スープ類で済ませる、とかでも…?小林さん:まあ、家に帰って寝る前にバクバク食べるよりは全然いいですね(笑い)。
ぼくは味噌汁を飲みだしたときに、65kgだった体重が一気に63kg、62kgくらいになったんですよ。
病気なんじゃないかと思って念のため検査して、何事もなかったけれど、実験としてハイカロリーな食事ばかり食べたら急に体重が増えて、味噌汁に戻したら体重も戻りましたね(笑い)。
糖質オフがいいってわけじゃない――“お酒を飲むなら赤ワインか焼酎”というアクションもありました。
小林さん:ビールとか日本酒とか、ああいうのをガンガン飲むとそりゃあ太りますよ、やっぱり。
炭水化物ですから。
――麦とお米ですもんね。
でも、本ではあまり糖質オフについて言及されていませんよね。
小林さん:糖質も必要な栄養の1つで、糖質オフが万能というわけじゃないんです。
それよりも、腹七分目に抑えることが大事!――お腹いっぱい食べすぎない! お腹いっぱい食べすぎない(復唱)!小林さん:夜は味噌汁にして、昼はパスタでもカレーでも食べたらいいんです。
夕食を味噌汁だけにすれば朝には腹が減るから、起きてからちゃんと食べたくなる。
あと、痩せるのにカロリーはあまり関係ないですよ。
――えっ!?小林さん:カロリーよりは、やっぱり糖の量。
ぼくは定食屋でもごはんは少なめにして、一番最後に食べます。
いきなり炭水化物を食べると、血糖値がガーンと上がっちゃいますから。
野菜から食べて、ご飯は最後に食べたほうがいいんです。
パスタも、サイドディッシュにサラダがあればそれを先に食べるように。
――ランチセットとかで先にサラダが出てくるのって、理にかなってるんですね。
健康=痩せる?――短絡的な言い方になっちゃうんですけど、健康になると、痩せますか?小林さん:健康になると、いい痩せ方をすると思いますよ。
強制的な運動や食事制限はやっぱりストレスが溜まりますから。
その結果、リバウンドしちゃう。
ストレスがなくて、1週間で300gとか、1か月で1kg、2か月で2kgとか、微妙に痩せてくるくらいのペースがいいと思います。
――痩せようと思うよりも、今より増えないようにしようと思うこと、するとストレスを感じずに痩せやすいということですか?小林さん:太らないようにしようという意識で、無理なく痩せる生活に切り替えて1、2kgくらい減るような感じですね。
自分のベストってあるでしょう。
今はそこから何kgぐらい違うの?――5kgぐらいかな…。
小林さん:うん、でも5kgぐらいでしょう。
目標体重ってだいたいマイナス5kgぐらいだけど、5kg痩せたら劇的に変わるんですよ。
見た目から何から。
とにかく、いかに夜の食事の時間を早くするかっていうのと、いかに腹七分目っていうのを覚えるかですね。
一度それを身につけたら、またいつか痩せようと思ったときに実践しやすいから、全然違うはずですよ。
ちゃんとしてない人のための本小林さん:この本に書いてあること、楽でしょう? できないこと書いてないんです。
――そうなんです! すごく簡単なことしか書いてないんです。
びっくりしました。
小林さん:誰にでもできるだろう、という最低限のことだけなんです。
やることを2つくらいは覚えることができるはずです。
――“週に3日休肝日を作りましょう”っていうアドバイス、すごく安心しました。
「毎日飲んでる前提で言ってくれてる!」と思って。
小林さん:だって、毎日飲んでる人に「飲むな」なんて言っても無理でしょう(笑い)。
だから、厳しくならないように、まあ週に3、4日ぐらいで我慢できればいいんじゃないですか、と。
ちゃんとしてる人はね、なんでもできちゃうんですよ。
これはちゃんとしてない人のための本ですから。
世の中できない人のほうが多いんですが(笑い)。
――ちゃんとしてる人はなんでもできるし、ちゃんとしてる人はすでに痩せてるんですよね! わかります! わかってます!小林さん:この本を枕元に置いておいて、次は何かなってやるほうが、習慣付くし意識付くと思いますよ。
そうやって、“自分は食をコントロールできるんだ”っていう自信をつけるのが大事。
ずぼらという自覚がある人たちって、一気に最後まで読むよりは、「1個ぐらいだったらできるでしょ」みたいなほうが挑戦しやすいでしょう。
それが一番のポイントですね。
――小さいアクションから、小さい成功体験を積み重ねていくと。
小林さん:そうそう! たとえばコンビニのデザートを我慢するとか。
「食べちゃったなぁ…」と思うと逆に暗くなるから、そういうのは普段から食べないでご褒美にとっておくのがいい。
30日間真面目にやったらちゃんと痩せるから頑張ってください。
――はい! がんばってみます! ありがとうございました!かくして、年末年始の暴飲暴食シーズンを経て、私たちの30日チャレンジが始まったのだった……!著者:小林弘幸さん順天堂大学医学部教授。
世界的に有名な小児外科病院で、数多くの症例や外科手術を経験。
順天堂大学に日本初の便秘外来を開設し、これまで1万人以上もの便秘患者を診察している。
また、自律神経研究の第一人者でもあり、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)『ごごナマ』(NHK)などテレビ番組にも多数出演。
著書は『1日4ページだけ30日間ダイエット』(宝島社)のほか、『まんがでわかる自律神経の整え方「ゆっくり・にっこり・楽に」生きる方法』(イーストプレス)、『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム)など多数。
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